妊娠中の体重管理3〜妊婦ダイエット注意〜
〜2005.6.8東奥日報より〜

 妊娠中の母親の栄養が不十分だと、こどもが成長後に肥満になりやすいことを京都大学産婦人科教授らのマウスの実験で確かめられ、米医学誌セル・メタボリズムに発表した。
 
 ダイエットなど妊婦の栄養不足に警鐘となりそうだ。

 妊娠後半期のマウスの栄養を約30%減らしたところ、生まれたマウスの体重は通常に比べ17%少なかった。急速に成長し間もなく通常と同じまで体重は増えたが、糖尿病に近い状態になった。
 その後成長期に高脂肪の餌を与えると肥満になり、食欲を抑えエネルギーを消費する働きのあるレプチンというホルモンを投与しても食べる量は減らず、エネルギーを体内にため込んだ。体重は正常なマウスより約15%多くなった。コレステロールの代謝に異常があるためと見られ、レプチンの分泌時期は通常とずれ、基礎代謝も変化するなど身体が変調し、肥満を加速させていた。

 実験に当たった教授らは、「人間も小さく生まれた子どもは肥満になりやすく、同じメカニズムだろう。ダイエットで低体重児が増えているが、妊娠中の栄養は無理に抑えるべきではない」と話している。

 妊娠したから、体重が増えすぎたからと安易に食事制限をするのではなく、規則正しい食事や、バランスの取れた食事をし、適度な運動をして、体重の増えすぎを抑えるように心がけましょう。

 運動というと、マタニティビクスだの水泳だのと思われがちですが、家での家事や炊事、散歩なども、立派な運動です。モップをかけるところを、雑巾がけにする、買い物を少し遠回りするなど少しずつ無理のない範囲で身体を動かしましょう。もちろん妊娠の経過に問題がなければ、マタニティビクスなどをしてもかまいません。
 身体を動かすことで、エネルギーを消費し、筋肉を動かすことで、血液の流れがよくなり、お腹の赤ちゃんにもたくさんの栄養と新鮮な血液を送る事が出来ます。

 体重が増えすぎて食事制限が必要な方もいるでしょう。医師や栄養士の指示に従って、無理のない食事制限を行ってください。


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