妊娠中の体重管理2
<Q, 食欲・嗜好の乱れはなぜ起こるのか?>

A, 不安やストレスが原因です。キャンディーよりおにぎりを。心もお腹も落ち着きます。

 
つわりが終わってから、食欲が異常に進んで過食に走ったり、嗜好に極端な偏りが生じたり…食生活が乱れがちになる人もいます。
 妊娠中は、体も変化し、不安やストレスが多い時期です。無事出産できるのだろうか?産後の生活はどうなるのか?夫のとの関係は…?身重の自分が世間から取り残されたような孤独感を感じることもあるでしょう。こうした不安やストレス、孤独感などが強い人ほど衝動的な食生活に走るのかも知れません。妊娠中、精神的に不安定になりがちなのは仕方のないことです。でもそれに押し流されてしまわず、不安を解決する努力と赤ちゃんのためにも理性を持って前向きに食生活をコントロールしましょう。

 妊娠中は甘いものを欲する妊婦さんが非常に多いようです。キャンディーやチョコレートなどの甘い物に含まれている糖分は、二糖類という糖質で血糖(血液中に含まれる糖分)を急激に上昇させ、また急激に下げるという性質で、即座に満足感は得られるもののまたすぐに甘い物がほしくなると言う繰り返しになります。その結果知らず知らずのうちにカロリーをとりすぎてしまうことになります。
 同じ糖質でも、ご飯は多糖類という種類で、血糖を徐々に上昇させ、また緩やかに下げるという性質があります。甘いものがほしくなったら、キャンディーやチョコレートの変わりに、おにぎりなどをしっかり食べると腹持ちがよく、甘いものへの欲求もおさまり、食べすぎも防げることでしょう。

<Q,食事の管理はなぜ大切なのか?>

A,ダメージを受けるのは産後のママの心と体。食生活を見直すチャンスです。


 妊娠中の食生活や栄養状態がどうであろうと、お腹の赤ちゃんはママの体から必要な栄養を取り込んで成長していきます。ですからママの食生活がいい加減で、栄養状態が悪くても、赤ちゃんに目に見える影響は現れずたいてい元気に生まれてきます。
 でもダメージは産後のママの体に現れます。肌が荒れる、髪がぱさつく、歯がもろくなる、目が見えにくくなったり、体調を崩す…など体に支障をきたすことがあります。さらに体の不調は心にも影響を及ぼし、いらいらしたり、落ちこんだり…産後は夜間の授乳などで睡眠も不足しがち、さらに妊娠中のいい加減な食生活のダメージが加わったら?…
 体も心もボロボロ状態のママは、生まれた赤ちゃんがかわいいと思えないかも知れません。こうした状況はその後の母子関係や子育てに影響する心配もあります。

 40週間お腹の中で、赤ちゃんを吐くぐむままの体のすばらしい能力を認識し、その体を支える食事を見直す機会にしましょう。これはママのためだけではなく、生まれてくる赤ちゃんの健やかな成長、家族の健康を支えることにもなるはずです。

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