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氷の性質
■透明な氷の作り方(氷が白くなるのはどうして?) top | |
冷凍庫の温度は-20℃くらいなので冷凍庫の水は速く凍ります。水が氷になるときに体積が約9%膨張するが、氷と水の間にわずかな隙間ができ、そこに水の中に溶けていた空気が入り込み泡となります。氷のできる速度が速いと、氷の中央部分では空気の逃げ場所がなくなり泡が取り残されます。光は氷と泡の界面で反射するので白く見えます。 完全に透明にするには製氷中に空気を排出なければなりません。それにはいくつかの方法があります<例1、水面を凍らせないで底と周囲からゆっくりと凍らせる方法。<例2、前述に更に水を攪拌する装置をつけて強制的に空気を排出する方法。<例3、製氷トレイを逆さにした形の金属結氷板に下から水を噴射して製氷する方法。<例4、-15℃以下の金属結氷板に連続して散水して凍らせる方法。…などがあります。 |
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■氷はなぜ水に浮くのでしょうか top | |
ほとんどの物質は温度が高くなるほど体積が大きくなり、温度が低いほど体積は小さくなります。また、構造のしっかりした固体よりも液体のほうが体積が大きくなるのがふつうです。しかし、水は冷やしていくと途中まではふつうの物質と同じように体積は小さくなっていきますが、約4℃で最も体積が小さくなり、その後は逆に体積が大きくなっていきます。さらに0℃で水が氷になると1割近くも体積が大きくなるのです。水のこの性質により、同じ体積では氷のほうが軽くなるため、氷は水に浮くのです。 | |
■真水の氷と塩を入れた氷で溶ける早さ top | |
氷は、溶けるときまわりの温度を下げています。氷を水に入れると水の温度が下がりますが、これは、氷がとけるときに、まわりの温度を下げるという性質があるからです。 ふつう、氷は少しずつとけて、まわりの温度も少しずつ下げていきます。もし、一度に氷がとけると、氷はまわりの温度を急激に下げてしまうはずなのですが、氷はゆっくりとける性質をもっているため、ちょうどいつも0度が続くようなペースでだんだんととけていくのです。 このことは、氷水がとけていくときに温度をはかりながら実験をしてみるとよくわかります。氷水は、氷がとけはじめてから全部とけてしまうまでのあいだ、ずっと0度の状態なのです。 ところが、そこに塩をまぜると、氷がとけるスピードがどんどん速くなります。塩には氷がとけるスピードを速くするという性質があるのです。氷はまわりの温度をどんどん下げてしまいますから、温度は0度よりも下がってしまうのです。 また、塩水の氷を作る場合、飽和の塩の水溶液では、−21.3度まで凍りません |
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氷に塩をかけると氷が溶けやすくなるのは、冬に道路や橋の上が凍って滑りやすくなったときに塩をまいて氷を溶かしているなど、実際に見ることができます。このように、塩をかけると氷が溶けやすくなるのは、凝固点降下という現象で、凝固点降下は、塩に限らずにすべての物質で起こる現象です。氷−水に他の物質を加えると凝固点(氷になる温度)が下がり、その結果として、水にとけやすくなるということです。凝固点降下は、分子の数多いほどより大きな効果が期待できます。分子の大きさでいうと、塩より砂糖の方が大きな分子になるので、同じ重さに含まれている分子の数は、塩の方が多く、次に砂糖と効果が弱まっていきます。その結果、氷の溶け方は塩の方が早いのです。 | |
■塩を入れた氷、海水氷 top | |
通常、水は0度で氷になりますが、塩の水溶液は0度では凍らずに、それ以下の温度になって凍るようになります。氷になる温度、これを氷点といいますが、この氷点が低下することを氷点降下といいます。塩の水溶液では、濃度が高くなるとともに氷点降下が大きくなり、飽和の塩の水溶液では、−21.3度まで凍りません。この塩の氷点降下を利用して、冬期の道路融氷雪剤として、また遠洋漁業での魚の冷凍に塩が使われています | |
■氷の特徴 (他の物質にはない水独特の性質) top | |
水が0度以下(1気圧下)になると、運動するための熱エネルギーがなくなり、水分子は動きをとめて互いに結合します。水分子は、曲がった形をしているために、分子同士はすきまが多い形でしか結合できません。 そのために、分子と分子の間にすきまができて距離があき、その分体積が増えることになります。水を凍らせるとかさが増えるのは、そのためなのです(増える量は、約10パーセント。液体の水の体積と比べて11分の1増える)。 普通の液体は固体になると密度があがり、体積は小さくなります。固体になると体積が増えるのは、他の物質にはない水独特の性質です。 |
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■0度になったとき、完全に凍るまでどうして0度が続くのでしょうか? top | |
質問=小学校の教科書に載っているグラフには、『0度でこおり始め、しばらく0度が続き、完全に凍ったとき、−1、−2・・・と下がっていく』ことが書かれています。そこで疑問があります。0度になったとき、温度計の周りの水は凍っているのに・・・完全に凍るまでどうして0度が続くのでしょうか? 回答=水と氷の状態変化が始まっているのです。水は氷になるとき80kcal/gの熱量を必要とします。容器の中の0℃になった水は80kcal/gの熱量をうばいながら 徐々に0℃の氷になっていきます。すでに氷になった部分の温度は0℃以下(例−1、−2℃)となっていきます |
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■冷凍室の中の氷の温度 top | |
水は温度が0℃以下になり凍り始めます。製氷工場では冷却温度を-12度くらいまで下げて氷を作ります。出来る氷は-12度です。それを小さく割って−20度の冷凍室に入れたとします、氷も−20度になります。その氷を外に出して溶かしてみると、次第に0度になり、氷が無くなるまで0度のままです。 ちなみみに氷の温度測定法は、氷に接触式温度計が埋め込まれている場合は接触式の方が精度よく測定できます。 氷表面を測定する場合は、接触式は姿勢誤差の影響で、放射温度計の方が精度良く測定できます。 |
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■氷に色がつけられるか top | |
氷の結晶に色を入れることあは出来ません。が、結晶と結晶の隙間に入った着色は可能です。 氷の結晶にはどんな物質も入り込めないという事です.。正確に言うと氷に結晶格子に入り込める不純物はほとんどないといって良い位です。水が氷になる時も、空気は氷から追い出されてしまいます。また氷に色を付けようと着色剤を入れても、色の物質は氷から追い出され、氷と氷の間に固まってしまうのです。 |
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■氷のかたさ top | |
製氷する温度や時間により原料水の中に含まれるミネラルや他不純物をより多く排出され方が氷の密度も高くなります。 ゆっくりそして0度以下の比較的高い温度で凍らせた方が不純物が少なく固い氷が出来ます。 ※砂糖水を凍らせるとザクザクの柔らかい氷となります |
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■氷の膨張 top | |
冷凍室に入れた水を入れた瓶が割れる。これは水が氷になることによって体積が膨張することが原因です。水が氷になると体積が約9%増えます。瓶の中の水が凍ると氷は他に逃げ場がないから、無理やり瓶を押し広げるしか方法が無いので、その圧力に耐え切れずに破裂してしまうのです。冷凍庫に入れたビール瓶が割れるのも同じ原理で、液体よりも固体の方が体積が大きいからです。大きな石が割れたりするのは、石の割れ目に入っていた雨水が夜中に冷えて凍ることによって氷が割れ目を押し広げるためです。 | |
■氷によって異なる氷のつや、なめらかさ | |
氷を作る工程において、製氷する温度や時間により原料水の中に含まれるミネラルや他不純物の排出され方が異なり氷の密度も異なります。 ゆっくりそして0度以下の比較的高い温度で凍らせた場合、溶かした表面は艶のある氷が出来ます。しかし、逆に極低温で凍らせた場合には艶のない氷となります。 |
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■冷凍庫に入れっぱなしの氷に霜がつく top | |
冷凍庫を開け閉めする時に外の暖かい空気が入り、氷の表面が溶けて再び氷るために霧が発注します。その霜が氷表面に再度白く付着します。 | |
■冷凍室に入れた氷が小さくなる top | |
昇華現象で氷(固体)から水蒸気(気体)になって氷がやせていきます。冷蔵庫の製氷室は速く氷を作るため、冷気を吹き付けています。この風が昇華を促進します。精製水も同じですが密度が高い(ゆっくり氷らせて空気が入っていない)分、減り方は遅いといえます。さらに袋詰氷なら目減りはごく微量です。 | |
■氷を触ると手にくっつくのはどうして top | |
冷凍室に入れておいた氷を素手で触れたとき、氷が手にくっついてしまいます。手は汗などの目に見えない水分を含んでいます。この水分を、氷が一瞬にして凍らせてしまったためです。くっついてしまった時は、水に手を浸すと溶けて離れます。 | |
■氷が薄緑に見えるわけ top | |
氷は本来、透明です。ところが製氷工場などで並んだ氷を見ると薄青や薄緑に見えます。光はその波長によって色が変わり、波長の短い光は青く、波長の長い光は赤く見えます。水には赤色付近の波長の光を吸収する性質があるので、水や氷が大量に集まると、残った青い光が水中のごく小さなゴミなどのつぶに当たって散乱して、青く見えるのです。 | |
■氷の結晶を見る top | |
文具用計算機の表示板の2枚の板を取り外し、極薄く削った氷をそのフィルムの間に入れてみると氷の結晶が見られます | |
■冷凍庫で作った氷を水の中に入れるとどうしてパチッと音がするのか? top | |
冷凍庫で作った氷を水に入れると、氷と水の温度差のため表面付近が急に温度が上がって膨張するが、内部はそれほど変わらないので、氷の内部に大きな力がかかりひびが入る。そのひびによる音の大きさは小さい。音の原因は氷の中に閉じ込められた空気にある。空気の泡は、氷ができるときの体積膨張により圧迫され、大きな圧力を受けているが、ひびが入ることで爆発的に解放されパチッと音がする | |
■過冷却 top | |
ふつう,水は0℃以下になると凍ります。ところが,水を静かにゆっくりと冷やすと,マイナス12℃ぐらいまで凍らずに液体のままの状態を保つことがあります。このように,物質が液体から固体に変化する温度(凝固点)以下の温度でも液体のままの状態でいることを過冷却といいます。過冷却の水は,凍るきっかけを得られずに水のままでいるようなもの。そこへ小さな氷のかけらのような凍る「きっかけ」となる物を入れたり,衝撃を与えたりすると,「固体」つまり氷へと一瞬に変化するのです。 |
氷の利用から
■氷の賞味期限 top | |
氷に賞味期限はありません。氷のように品質の変化が少ないものについては賞味期限を省略しています。 | |
■美味しいかき氷の作り方 top | |
冷凍庫から取り出し、表面が溶けるまで待って、硬すぎない氷を、良く切れる刃で削ると綿菓子のような口中でとろけるよう、美味しく食べられます | |
■氷を食べると頭がキーンとするのはどうして top | |
冷たいものを一気に食べると、のどにある「咽頭神経」が他の神経も刺激してしまいます。この神経の勘違いがキーンとなる原因です。「関連痛」とも呼ばれます。 | |
「氷の質問」コーナーについて この「質問コーナー」はこれまでにイマセキ氷技術研究室への質問を解説させて頂きました また、多くの方のご意見、氷に関するホームページを参考にさせて頂きました。 |
お願い : 当サイトの記事原稿写真の転用される場合には必ずイマセキ氷技術研究室までご連絡の上掲載して下さい |