Der Weg nach Bayreuth  01 はじめに

 

最初にお断りしておきますが、私は熱狂的なワグネリアンでもありませんし、

オペラファンでもありません。高校時代からオーケストラでコントラバスを

弾いているクラシック音楽を愛するごく普通の音楽愛好者です。

今回「伊福部昭」、「マーラー」に引き続き「バイロイト」のページを開設し

ましたのは、普通のクラシック音楽愛好家の皆様にとってバイロイト音楽祭

がけっして敷居の高いものではなく、普通に手が届くものであることを知って

頂きたいためです。私自身も2010年に初めて音楽祭事務局に申し込みを

行ない、今回2016年に念願かなって現地に行ったわけですが、体系的に

バイロイト音楽祭のことについて紹介している本やサイトがないことから、

何もかもが手探りの状態で行いました。ここでは、旅行社や日本ワーグナー

協会、バイロイト友の会などを経由した申し込みでない、私なりの方法での

申し込み方法についてご紹介致します。なので、もしかしたらもっと効率の

いい申し込み方法があるかもしれませんし、毎年行く方法もあるかもしれま

せん。そこのところをご了承いただければと思います。どなたかがブログで

仰っていましたが、バイロイト音楽祭に関しては「チケットの入手が超困難」

という先入観が先に立ってしまい実際に申し込みもしないでチケットが取れ

ないと思い込んでいる方が大多数なのでは?という感じがします。ぜひそんな

みなさんの背中を押す助けになれば幸いです。

 

さて、かくいう私も若い20代のころからバイロイトに行きたいなあと漠然

と思っていたわけで、指環のLPを揃えたり、スコアを揃えたりしていたの

ですが、具体的に行動を起こしたのは2010年です。実はその年はじめて

バイロイトから生中継で「ワルキューレ」をNHKが放送しました。この時の

演奏は指揮がティーレマン、演出がドルストでフリッカを日本の藤村実穂子

が歌っていました。ドルストの演出はこの年が最終年でしたが非常に質の高

い舞台であったと記憶しています。この生中継を徹夜で観た方も多いと思う

のですが、私はこれがきっかけで「よし、何年か先に必ずバイロイトに行く

ぞ!」と決意しました。当時バイロイト音楽祭は申し込んでからチケットが

入手できるまで8年待ちと言われていました。その当時私が47歳だったの

で、順当に行くと55歳で行けることになります。私は金融機関に勤めてい

るのですが、55歳というと第一線の現場を離れてちょうど一息つく年齢で

す。じゃあ一生懸命働いたご褒美にちょうどいいかと考えて8年後を目指し

て申し込みをすることにしました。ただ肝心の申込方法が全く分かりません。

なので拙いドイツ語で祝祭劇場の事務局に手紙を出すことにしました。

 

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