Der Weg nach Bayreuth  07 ジークフリート

 

バイロイト4日目、8月10日(水曜日)

この日も肌寒い一日で、雨がぱらつくいやな天気でした。ここの気候は

前述したとおり夏の北海道に似ていますね。暑いときは暑いのですが、

天気が悪くなるとえらい寒くなるという特徴は一緒です。さて本日は

今回の旅行の音楽祭以外の目玉である「バイロイト温泉」に行ってま

いりました。ただし温泉と言っても温水プールです。施設名は「ロー

エングリンテルメ」といい、バイロイトらしい名前がついています。

 

 

 

わざわざ日本から海水パンツとゴーグルを持ってきました。駅前から

バスの303系統に乗って約15分ほどで到着します。入浴料は2時間

で€7.00です。館内の説明は英語で行ってくれましたので、海外から

の客も多いようです。こちらの温泉は温泉とはいっても実質温水プー

ルで日本の温泉に必ず貼ってある温泉成分表などはなく、実際のとこ

ろ泉質が何なのかは謎です。こちらはご存知の通り男女一緒で水着着

用です。なのでロッカールームも男女一緒。着替えるスペースだけ鍵

がかかるようになっていて個室で水着に着替えます。泉温はプールが

いくつもあって低いのだと30℃、高いのだと38℃となっています。

屋内と屋外があるのですが、さすがにこの天候だと屋外プールは寒かっ

たです。高い温度のプールはみなさん温泉みたいに静かに浸かっていま

したが、低い温度のプールはみんなガンガン泳いでいました。私も2時

間で2000mも泳いでしまいました。ここは歩くプールも別にあります

し、高齢者の方もたくさん来ていますので、音楽祭に来る皆さんにはお

奨めですね。劇場で座ってばかりいると運動不足にもなるでしょうから。

この日の昼は外食にしました。といっても泊まっているホテルの1階に

あるイタリアンレストランでパスタとサラダを食べました。久々に温か

いものを食べるとホッとしますね。昼寝の後はジークフリートです。

 

この日はバイロイトに来てからはじめて警官に持ち物検査を受けました。

日によって警備の厳しいときとそうでないときがあるようです。

 

 

(各幕の開演前15,10,5分前に行うファンファーレ)

 

さて、ジークフリートはカストロフの指環の中でもとりわけ評判が悪く

ブーイングの嵐だと聞いていましたが、本当にそうでした。まず巨大な

顔の彫刻。左からマルクス、レーニン、スターリン、毛沢東なんですが

この顔がまた動くんですね、脈絡もなく。あと1幕の最初にジークフリ

ートが連れてくる熊がおなじみの俳優さんで、無駄な動きを連発して

観客の神経を逆なでします。あとノートゥングの扱いがよくわからなく

てせっかく鍛え直したのに実際にファーフナーをやっつけるのはカラシ

ニコフ銃で、それを本当に舞台上でぶっ放して観客席まで火薬の臭いが

するという始末です。

 

 

あと、わからないのがビデオの映像。引き続き舞台上の物語との関連性が

不明で静止画像で手だけ上下に動いたりして、本当に邪魔。あとブリュン

ヒルデは火に囲まれて寝ているはずなのに、いきなりビニールシートに

包まれて出てきたり。あと脈絡なく登場するワニ。今年は予想通りワニは

4匹になっていました。2017年は5年目なので多分5匹になるのでは?

ステファンヴィンケとキャサリンフォスターの歌った最後の二重唱、すば

らしかったのですが、このワニのおかげで音楽に集中できませんでした。

本来ならここはブラボーの嵐なのでしょうが、逆にブーイングが出ました。

主役のお二人にはお気の毒というほかありません。他にはミーメとさすらい

人が秀逸。オーケストラも引き続き素晴らしかったです。ジークフリートが

吹く下手くそな草笛のコーラングレがナイスでした。あと森の小鳥の衣装が

小林幸子か宝塚歌劇か?というぐらいど派手でカーテンコールの際も出入り

が大変そうでした。

 

(バイロイト名物のワニの家族 正面はブリュンヒルデとジークフリート)

 

 

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