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いわなの本



女は男のどこを見ているか(2002)
岩月謙司著 / ちくま新書 364

 タイトルは恋愛のハウツー本のよう、実は厳しくもやさしい人生指南の書。男性は知恵と勇気を持って女性を愛さねばならない、そのためには「英雄体験」が必要と説く。毎日が退屈と思っている人は必読。


伝わる英語表現法(2001)
長部 三郎著 / 岩波新書 765

 英語で表現しようとすると、どうしても単語の置き換えに走りがちだが、「水戸黄門の印籠」など、直訳では通じない。「訳す」のではなく「意味を伝えよ」という作者の提言には、胸のすく思いがする。英語表現を磨きたい人に、お勧めの一冊。

ことばとフェミニズム(1998)
中村 桃子 著 / 剄草書房

 言語とはもともと差別的なのか、ことばの中の性差別について解明、解説。こう書くと辛らつな思想啓蒙書のようだが、読後感は、ほのぼのしている。著者が自分のジレンマを正直に語っているため。「女の涙」についての解説には、ついニンマリ。

丁寧な英語・失礼な英語(1995)
東 昭二 著 / 研究社出版

 副題が「英語のポライトネス・ストラテジー」。英語には日本語のような敬語体系は無いが、丁寧表現法(ポライトネス・ストラテジー)はある。自分の英語はブッキラボーだったかも、と反省させられる。


教養としての言語学
(2001)
鈴木 孝夫 著 / 岩波新書

 
英語では「ええっと・・・」と自分が言い淀むのに、なぜ”Let’s see・・・”と let’s(〜しましょう)という、相手を巻き込んだ勧誘表現を使うのか、人称を巡る諸問題等々。わかり易く、刺激的に、言語学の面白さを教えられる。「あいさつ」についての考察もよい。

Mobile English 英語でねこ!
(2001)
 イーオン語学教育研究所+たまき美蛍 / 増進会出版社

 英日対訳なので、気軽に英語と日本語を見比べながら、ねこに関する語彙や知識のおさらいができる。易しい英語を使ってあるが、「ねこ友達」はcat friendではなく、cat-owning friendとするなど参考になる。

朝2時起きで、なんでもできる ! (2002)
枝廣淳子著 / サンマーク出版

 作者曰く「普通の主婦」が、同時通訳者になるまでの体験談を綴ったもの。仕事が来ないなら、自分から売り込めとか、ストレスゼロにするには、ストレス源に近づくなとか、著者のパワーに励まされる。私も明日から2時に起きる!(?)

ビッグ・ファット・キャットの世界一簡単な英語の本(2002)
向山淳子+向山貴彦 著 / 幻冬社

 「世界一簡単な英語の本」というよりは、正直に英語学習の難しさを語った本。「時間がかかりますよ」「楽ではないですよ」というメッセージがよく伝わる。

知って役立つキリスト教大研究(2001)
八木谷涼子著 / 新潮OH!文庫

 キリスト教愛好家によるキリスト教解説書。キリスト教に対する素朴な疑問を、とことん調べ、研究し尽くしたいう感じで、これは英語学習者必携の書かも。こういう本が文庫で手に入るのはうれしい。

脱・「英語人間」(2001)
遠山 顕著 / NHK出版 生活人新書

 NHKラジオ「英会話入門」の講師としてもお馴染み。英語に苦悩する「英語人間」を応援したいという遠山顕は、英語学習者の心強い味方。遠山顕を応援したい。

Apes, Language, and the Human Mind(1998)
(類人猿、言語、人間の心)
Sue Savage-Rumbaugh & Stuart G. Shanker&Talbot J. Taylor著 / OXFORD UNIVERSITY PRESS

 人間と動物を分ける基準が言語習得能力だとしたら、カンジー君のような類人猿の存在をどう受けとめればよいのか、言語学学界での評価はまだ定まっていない。それにしても、カンジー君の英語理解・運用能力は高い。

If the world were a village of 100 people(2001)
(世界がもし100人の村だったら)

池田香代子 再話 / C.ダグラス・ラミス対訳 / マガジンハウス

 アメリカ、N.Y.のテロ爆破事件が起きた頃から、インターネット上を巡り廻ったメールがある。いわなのHPでもいただいたメールの欄で紹介した。いわなに届いた時、発信元は「屋久島の中学の先生による学級通信」となっていた。今、この本で真相が明らかにされた。

だから、あなたも生きぬいて(2001)
大平光代著 / 講談社

 作者が受けた数々の「いじめ」に圧倒される。とてもリアルでわかりやすく書かれている。作者はよく耐えた。このような「いじめ」は、決して例外ではない。今も「いじめ」に耐えている人は多い。どうすればよいのだろう。

英語は英語で勉強するな(2001)
新井佐よ子著 / 主婦の友社

 作者は同時通訳者。ネイティブとのマンツーマン授業や英英辞典は非能率的。和英辞典と日本語をもとに、素早く英語に移し変える練習をせよ(これが同時通訳的回路を作るということ)と言う。大人には大人の学習方法があると言う主張には、大いに励まされる。(※但し、英文には多少ミスあり。詳しくはいただいたメール参照。)

歴史を変えた誤訳(2001)
鳥飼玖美子著 / 新潮OH!文庫

 テレビの画面で見るイメージとは違って、鳥飼玖美子の文章は厳しい。はっきりしている。あいまいさがない。「言葉によって生じる摩擦」が鳥飼玖美子のテーマのよう。英語と日本語の間に、これほどの溝があるとは・・・。
 
IGY TANULOK NYELVEKET (私の外国語学習法)(2001)
ロンブ・カトー著 / 米原万里訳 / ちくま文芸文庫

 ロンブ・カトーはハンガリー生まれ。独自の学習法によって25年間に16ヶ国語(日本語、中国語を含む)を身につけた。こう書くと眉唾ものに聞こえるが、読んでみて納得。5ヶ国語の同時通訳者というのも信じられる。学習によって外国語を身につける秘訣は「多読と熟読」とか。

英語力を身につける
(2001)
高橋祥友著 / 講談社現代新書

 NHKラジオ講座「やさしいビジネス英語」を徹底活用。英語の映画を年間に100本視聴。多読と英文採集、英会話学校の戦略的利用・・・エトセトラ。英語学習の創意工夫がいっぱい。

In Other Words (外国語はなぜなかなか身につかないのか)(2000)
エレン・ビアリストク&ケンジ・ハクタ著 / 重野 純訳 / 新曜社

 あるバイリンガルの日系アメリカ人は英日の言語モードを切り替えるとき、頭の中で「カチッ」とスイッチ音が聞こえると言う。私にはスイッチ音は聞こえない。なぜ私はバイリンガルになれないのか。外国語学習には謎が一杯。あきらめるのはまだ早い。

Living in Two Countries (もう一つの母国、日本)(1999)
ドナルド・キーン著 / 塩谷 鉱訳  / 講談社バイリンガル・ブックス

 キーンは日本人の「生き恥じ」(living shame) や「不面目」(disgraceful)という感覚に心惹かれるという。私はそういうドナルド・キーンに心惹かれる。コロンビア大学で実際に彼の授業を受けてみたい。

英語研究者のために ( ? )
田中菊雄著 / 講談社学術文庫

 英語を愛する人に共通するのは、楽観主義者であることと、ユーモアのセンスがあること。田中菊雄もその例外ではない。大変な努力と独学の人、でも徹底してenjoy studying English. の人。元気と勇気がもらえる。残念なのはもう絶版になっていること。あちこちの図書館を探し回ってやっと見つけた。

ありがとうございません(2001)
壇 ふみ著 / 幻冬舎文庫

 壇ふみといえば女優だが、エッセイもいい。笑いながら読み、読みながら笑う。うまい。推敲に推敲を重ねているに違いない。

未来への記憶-自伝の試み-(上)(下)(2001)
河合隼雄著 / 岩波新書

 河合隼雄は「こころ」を研究する。「人間の深層」を探る。こう書くとわけのわからない人のようだが、とんでもない。河合隼雄は偉大なる常識人だ。家族のこと、心理学のこと、今の河合隼雄に至るまでを河合隼雄自らが語る。

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