(1) Hillary Clinton said Donald Trump's pacing, hovering demeanor onstage
during an October 2016 presidential debate made her so uncomfortable, "My
skin crawled." She has written in her upcoming book that Trump shadowed
her so closely that she had to resist shouting out, "Back up you creep,
get away from me."
Hillary Clinton said Donald Trump's pacing, hovering demeanor onstage during
an October 2016 presidential debate made her so uncomfortable, "My
skin crawled." 「ヒラリー・クリントン氏は、2016年10月の大統領選討論会中、ドナルド・トランプ氏の上から見下ろすように歩く態度に不愉快極まりなく『身の毛がよだった』と語った」。
まず、敬称について。英語ニュースでは、Hillary Clinton, Donald Trump と敬称なしで報道しますが、日本語のニュースでは通常「〜氏」「〜さん」をつけています。そこで両方とも「〜氏」をつけました。
She has written in her upcoming book that Trump shadowed her so closely
that she had to resist shouting out, "Back up you creep, get away
from me." 「クリントン氏は新著の中で、トランプ氏が間近に接近してきたので、『下がれ、気色悪い、あっちへ行け』と叫び声たいのを必死でこらえたと書いている」。
(2) The Democratic nominee recounts her struggle to keep composed during that pivotal Oct. 9 faceoff in St. Louis less than a month before the election. Two days earlier, their bitter campaign was rocked by the release of recordings in which Trump bragged aggressively about groping women.
The Democratic nominee recounts her struggle to keep composed during that
pivotal Oct. 9 faceoff in St. Louis less than a month before the election.
「民主党の大統領候補だったクリントン氏は、選挙まで一ヶ月を切っていた10月9日、セントルイスで行われた討論会での対決中ずっと、冷静さを保とうと必死で努力したことを事細か語っている」。
「冷静さを保とうと必死で努力した」だと直訳調なので「落ち着け、落ち着けと自分に言い聞かせた」と臨場感溢れる表現に変えました。
Two days earlier, their bitter campaign was rocked by the release of recordings
in which Trump bragged aggressively about groping women. 「その2日前、トランプ氏が女性の身体をなでまわすことを強気で自慢する録画が流出し、選挙戦は大混乱となっていた」。
grope women を直訳すると「女性をなでまわす」。他にも「女性の体をまさぐる」「女性の体に触る」「女性の体を触りまくる」も思いつきました。千田さんは「女性に対する痴漢行為」とすっきりと訳出されています。
aggressively の訳も迷いました。「積極的」「攻撃的に」と直訳では変です。「強気で」「どんなもんだと言わんばかりに」「勝ち誇ったように」「やりたい放題で自慢する」など。
(3) During the townhall style debate, the 6-foot-3(192 centimeter) Trump
repeatedly hovered over Clinton, who's closer to 5-foot-5(167 cm), as she
responded to questions.
During the townhall style debate, the 6-foot-3(192centimeter) Trump repeatedly hovered over Clinton, 「タウンホール形式の討論会の間中、6フィート3インチ(192p)のトランプ氏は、5フィート5インチ(167p)のクリントン氏が質問に答えるのを見下ろしながら、しつこくつきまとっていた」。
as she responded to questions. 「彼女が質問に答える時」。これだと直訳調なので「クリントン氏が質問に答えるのを」と変えました。
(4) "This is not OK, I thought, " Clinton said in her audio narration of "What Happened", set for release Sept. 12. "It was the second presidential debate, and Donald Trump was looming behind me. Two days before, the world heard him brag about groping women. Now we were on a small stage and no matter where I walked, he followed me closely, staring at me, making faces... he was literally breathing down my neck. My skin crawled.
"This is not OK, I thought," Clinton said in her audio narration
of "What Happened", set for release Sept. 12. 「こんなこと許されないと思った」とクリントン氏は、9月12日発売の『What
Happened』(何が起きたか)の音声朗読版で語った。
This is not OK, はいろんな訳ができそう。「こんなこと、許されないわ」、千田さんは「これは我慢できない」とされています。他にも「これはまずい」「これは困った」「これはだめだ」「これはだめでしょう」。大阪弁なら「こりゃあかん」。もっと強く「こんなこと、されてたまるか」。意訳ですが「ちょっと、何すんのよ」もパンチがあっていいかも。
It was the second presidential debate, and Donald Trump was looming behind
me. 「2回目の大統領選討論会で、ドナルド・トランプ氏は私の背後に忍び寄っていた」。
Two days before, the world heard him brag about groping women. 「その2日前には、彼が女性の身体を触りまくって自慢する声が世界中に流れた」。
Now we were on a small stage and no matter where I walked, he followed me closely, staring at me, making faces... 「その時ふたりは小さな舞台に立っていて、私がどこを歩こうが、彼は私の背後にぴったりとつき、私をじろじろ見つめ、変顔を作り…」。
stare at〜は「凝視する」「じっと見つめる」「じろじろ見る」「まじまじと見る」など。「ガン見する」というぴったりの訳語がありますが、カジュアル過ぎるのでやめました。
he was literally breathing down my neck. 「実際、私の首に息を吹きかけた」。
literally はもともと「文字通り」という意味ですが、「本当に」「真剣な話」「マジで」というような意味で、日常生活でよく使われます。ここでは「マジで」がぴったりきますが、あまりにもくだけすぎていて却下。無難なところで「本当の話」にしました。
My skin crawled. 「身の毛がよだった」「虫酸が走った」「ぞっとした」「鳥肌が立った」など。「ゲェッと思った」も思いつきましたが、くだけすぎていて却下。
■ 千田良一さんの訳
ヒラリー・クリントンが語ったことですが、2016年10月の大統領選挙討論会の舞台上で、ドナルド・トランプが彼女に歩みを合わせ、覆いかぶさるような態度に「身の毛がよだつ」ほど、とても不快な思いをしたと述べています。もうすぐ出版される本の中で、彼女が書き記したのは、トランプがつきまとうように忍び寄ってきたので、「下がって、気持ち悪い、私から離れて。」と叫びたい気持ちだったが、それを我慢しなければならなかったこのことです。
民主党のノミネート候補者であったクリントンが、大統領選まで一か月を切った10月9日に行われた、セントルイスでの運命の対決の最中、冷静さを保つために、ずっと葛藤していた自身の姿を詳しく語っています。その二日前、激戦の選挙が揺れ動いたのは、トランプが女性に対する痴漢行為を積極的に自慢した音声記録が公開された、その時でした。
市民との対話集会形式の討論会を通じて、6フィート3インチ(192センチメートル)のトランプは、質問に応じている5フィート5インチ(167cm)弱のクリントンの頭上に繰り返し覆いかぶさってきたのでした。
「これは我慢できない、と思いました。」と、9月12日に出版予定の「What Happened(起きた出来事)」の談話の中で、クリントンは述べています。「それは、二回目の大統領討論会でした。ドナルド・トランプは、私の背後に迫って来ました。二日前に、彼が女性に対する痴漢行為を積極的に自慢する音声が報道されました。その時、私たちは、小さなステージ上にいて、たとえ私がどこに動こうとも、彼は顔を作って、私をじっと見つめ、すぐ後ろからついてきました・・・ 実際、私の首に息も吹きかけました。鳥肌が立ちました。」
[千田さんのコメント]
見直して、編集する時間がありませんでした。よろしくお願いいたします。 |