(1) With 8 million followers on Instagram, 30-year-old Watanabe is Japan's
most popular star on social media. She's also one of its most fearless,
expertly using her platforms as a comedian and fashion designer to challenge
long-held stereotypes about Japanese women.
With 8 million followers on Instagram, 「800万人のインスタグラムのフォロワーを従えて」。
30-year-old Watanabe is Japan's most popular star on social media in social
media. 「渡辺さん(30歳)はソーシャルメディア上で日本最大のスターです」。
She's also one of its most fearless, 「彼女はその最も怖れを知らない者のひとりでもあり」。この fearless「怖れを知らない」という単語は、ニューヨークの金融街ウォール・ストリートに設置された
"Fearless Girl" (怖れを知らぬ少女)の銅像を連想させます。
ウォール・ストリートの象徴とされる雄牛の銅像を前にして、手に腰を当て、挑むような表情で立っている姿がとても印象的です。金融業界における女性の不平等を訴えるために設置されたものだそうです。渡辺さんにもそのイメージが重ねられたのでしょうか。それなら「雄牛に挑む果敢な少女のように」という説明文を入れたいところですが、確認できないのでやめました。
its most fearless の its とは何か考えました。前文からの文脈で言うと「ソーシャルメディア界の」、つまり「ソーシャルメディア界の最も怖れを知らない者のひとり」ということ。
よって、「その怖れ知らずの姿勢はソーシャル・メディア界でも突き抜けていて」と表現を変えました。
expertly using her platforms as a comedian and fashion designer to challenge
long-held stereotypes about Japanese women. 「お笑い芸人でありファッション・デザイナーでもある自分の立ち位置を巧みに利用して、長年抱かれてきた日本人女性に対する固定観念を打ち破りました」。
この platform ということばも迷いました。辞書には「演壇」「教壇」「駅のプラットフォーム」という意味が載っています。つまり「立つための台」のこと。自分の「プラットフォーム」とは「自分が立つための台」、つまり「立場」「立ち位置」と考えました。
(2) Watanabe catapulted to fame 10 years ago after her over-the-top impersonations
of Beyoncé and Lady Gaga went viral―becoming known as the "Beyoncé
of Japan." Her endearing personality and brash sense of humor have
since helped her land gigs as a judge on X Factor Japan and a cast member
of the country's versin of Saturday Night Live.
Watanabe catapulted to fame 10 years ago after her over-the-top impersonations
of
Beyoncé and Lady Gaga went viral 「10年前、渡辺さんはビヨンセやレディーガガの派手な物まね芸で知られて一躍人気者になり」。
over-the-top impersonations の箇所、千田さんは「ディフォルメしたものまね」とわかりやすく訳されています。
becoming known as the "
Beyoncé of Japan".「和製ビヨンセとして知られるようになりました」。
Her endearing personality and brash sense of humor have since helped her
land gigs as a judge on X Factor Japan and a cast member of the country's
version of Saturday Night Live. 「以来、その親しみやすい人柄とあくの強いユーモアセンスを売りに、歌手オーディション番組であるXファクターJAPANの審査員を務めたり、バラエティ番組、サタデー・ナイト・ライブ日本版に出演しました」。
brash sense of humor 「あくの強いユーモアセンス」は「あくの強いお笑いの芸風」と説明を付け加えました。brash は「けばけばしい」「ぶしつけの」などの意味があります。ここでは「あくの強い」「どぎつい」「ど派手な」などを思いつきました。
(3) She's also making waves in fashion, getting an endorsement deal with
Gap and seats at recent Fendi and Gucci runway shows; in 2014, she released
her own clothing line, Punyus, which carries sizes up to a U.S. 16.
She's also making waves in fashion, 「ファッション業界でも旋風を起こし」。
getting an endorsement deal with Gap 「ギャップと商品を宣伝する契約を交わし」。
Gap はファッションブランドとして有名ですが、知らない人もいるので、「アメリカのカジュアルブランド」を補足しました。
endorsement は「認可」「推薦」という意味があり、ここでは、有名人がテレビなどで商品の宣伝、推薦をすること」を意味します。
and seats at recent Fendi and Gucci runway shows 「最近ではフェンディやグッチのファッションショーにも出演しました」。フェンディ、グッチは知名度が高いですが、念のため、「イタリア高級ブランド」を補足しました。
in 2014, she released her own clothing line, Punyus, 「2014年には自身のファッションブランド「プニュズ」を立ち上げた」。
clothing line を千田さんは「アパレルライン」とされており、わかりやすいです。
which carried sizes up to a U.S. 16.「アメリカサイズ16までを取り揃えました」。アメリカサイズ16には「ふくよかサイズ」ということばを補足しました。
(4) "I want to tell people to love themselves as they are, "
Watanabe tells TIME. "I want them to treasure what they have―That's
how I gained confidence." It's all part of Watanabe's appeal both
on- and offline: a commitment to being herself.
I want to tell people to love themselves as they are 「みんなにありのままの自分を愛してと言いたいです」。
Watanabe tell TIME. 「渡辺さんはタイム誌に語ります」。
"I want them to treasure what they have 「自分の持ち味を大切にして欲しいです」。
That's how I gained confidence 「そうやって私は自信をつけてきました」。
It's all part of Watanabe's appear both on and offline 「ネット上でもネットを離れても、それが渡辺さんの魅力の全てです」。
「それが渡辺さんの魅力の全てです」は「そのことばに、渡辺さんの魅力の全てが現れてれています」としました。
a commitment to being herself. 「ありのままの自分であることへの約束」が直訳。commitment は訳しにくい単語のひとつ。辞書には「約束」「責任」「方針」などの訳語が出ています。直訳だとわかりづらいので、ここでは「常のありのままの自分であり続ける」としました。
この渡辺さんのせりふの部分、千田さんは自然な日本語に訳されています。
■ 千田良一さんの訳
インスタグラムで800万人のフォロワーを持つ30歳の渡辺さんは、ソーシャルメディア上で、日本の最も人気のあるスターです。彼女はまた、有数の大胆不敵な人物の一人で、その活躍の舞台をコメディアンやファッションデザイナーとして巧みに使い、日本女性がこれまで抱いてきた固定観念に挑戦しています。
渡辺さんはビヨンセとレディーガガをディフォルメしたものまねでネット拡散し、「日本のビヨンセ」として10年前に名声を博することとなりました。彼女のかわいらしい性格と大胆なユーモアのセンスが、それ以来、Xファクター・ジャパンの審査員として、また、日本版のサタデー・ナイト・ライブのキャストなど、仕事の獲得に役立ってきました。
彼女はまた、ファッション界で大きな話題となっています。ギャップ社とスポンサー契約をして、最近行われてたフェンディやグッチのファッションショーでの地位を得ています。2014年には、自らのアパレルライン(衣料取扱品目)であるプニュズを立ち上げ、米国サイズ16までを取り揃えています。
渡辺さんはTIME誌に語っています。「今の自分を愛してと皆さんに伝えたいの。今、皆さんが持っているものを大切にして欲しい。私はそうすることで自信を持てたから。」これは渡辺さんがインスタグラム上に限らず常に訴えていること、彼女自身であることへの固い誓いなのです。
[千田さんのコメント]
上記掲載。 |