2000年10月      〜テントに泊まろう〜   赤岳鉱泉から硫黄岳山頂(南八ヶ岳) by.junko

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東京でも肌寒くなって来た10月中旬、テントを担いで山に行こうと急に思いついた。
前回は、9月下旬であったが 今年はそれよりも2週も遅い。
「寒いから嫌だよ〜」と言うユウコを納得させようと、予定しているキャンプ地(赤岳鉱泉)の山荘に電話を掛けた。
しかし、私の期待も空しく 山荘の人は「そ〜ですねぇ、明け方は氷点下になりますねぇ。」とあっさり。 
「・・・・・・・。」 やっぱり、寒いらしい。
ユウコにこの事実を伝えた方か親切ってものか?  悩んだ私はユウコに言った。「大丈夫みたいだよー」と。
そして私の思惑通りに山行きは決行された。

行程

1日目: 美濃戸口〜赤岳鉱泉  (前年のページを参照)

2日目: 赤岳鉱泉〜硫黄岳〜赤岳鉱泉〜美濃戸口


天気予報では、前日まで関東地方に雨を降らせていた雲は午前中まで残る筈だった。
なのに嬉しい事に当日は雲ひとつ無いPカン晴れ。 風は冷たいが、お日様ポカポカで気分が良い。
しかも、諏訪南インターを降りた途端 紅葉で真っ赤(正確には黄色)に染まった山々が広がった。
すご〜い! 来て良かったぁ〜。

実際、美濃戸口から2時間位の登り道は紅葉が最も綺麗だった。  「わーぁ」 「うおぉぉぉ」とか言いながら歩く。
去年この道は、足元は砂利だし変わり映えのしない風景で飽き飽きしちゃう登りだったのに。 今年は良いじゃーん!

                     
       あ〜きの夕〜日〜に〜♪                        照る〜山〜も〜み〜じ〜♪

景色に夢中になっていると、途中で川が流れる音が聞こえて来た。
去年はこんなに良い場所があるとも知らず、犬が途中で飲む為と暑くなった時に体に掛けてあげれるように
3リッターも水を背負って歩いたっけ。 泣く泣く水を捨てた苦い思いでを思い出した。
今回は当然飲み水しか持たなかったので、ジェスパはここのせせらぎで体を充分に冷やし
私達も一休み入れた。

ここまで来るとやっと中間地点と言う感じ。 後半は少々キツイ登りになって行く。

ジェスパは、今年も赤いマウンテンスミスのドッグバックを背負って歩いていた為
「中身はなーに?」 「えらいわねぇ」等と声を掛けられ、通りすがる登山者に大好評だった。
中身は?と言うと、ジェスパのタオル、餌、水、人間の非常食、ロープ、ビッケの洋服とレインコート。

今年もいっぱい荷物を持たされたのに、ジェスパは岩の段差も、丸太橋も、ハシゴも元気良く駆け登っていた。
さすがスタミナがあるなぁ・・・。

それにビッケ。
8歳になったビッケは去年より凄い。 美濃戸口からずーーーーっと高い段差と丸太とハシゴ以外は抱っこ無し。
これこそ、スタミナハンディーカム犬じゃ。

それなのに、それなのに・・・・。
私ときたら、去年よりも一回り成長した(横に)為、非常に体が重い。 息が切れる。 汗だく。 前に進まない・・・。
しかも休んでいると、ジェスパのみならずビッケさえも立ち止まり、私を振りかえる。 そして心配そうに迎えに来る。
ムムムムム・・・。 ビッケの奴。 中年だと思って甘く見ていれば・・。 畜生!覚えてろよー。
(なぜかビッケに対抗する低レベルの飼い主。)

ビッケと最後尾を争っている間に(決まって私だったが)、赤岳鉱泉に到着。  この日の行程は3時間。 疲れたぁ。
テント場を見て歩くと、平坦で、雨が降っても水が流れてこなそうで、トイレと水場の中間に位置し
最高の場所を確保する事が出来た。  本当にラッキー! o(^-^)o

しかし、ザックを降ろしテントを設営しようとした途端に・・。
「その犬は、雌? 雄? 何て言う犬ですかぁ?」 「あれあれあれ〜っ、テントは買ったばっかりでしょう?」
「ダメダメダメ〜、素人さんはこれだから全くぅ」と、機関銃のように喋り捲るおっさんが。  ( ̄□ ̄;)!!
もしかして・・・。  この場所、ちょっぴりアンラッキー???

おじさんの機関銃トークに圧倒されながらも、ちゃっかり設営を手伝ってもらい寝床が完成した。
去年使っていた2・3人用のテントを人に譲って、今年は3・4人用のおニューのテント♪  広くって気持ち良い♪ 
まぁ、今年もこのテントが使いたくて山に来たようなものだもんなぁ。
最高の気分だった。  その後、機関銃トークに1時間以上 付き合わされた以外は。

           
        赤岳をバックに。 もうかなり寒い。                  今年、おニューのテント。

寝床が出来たら、今度は食事の仕度。  5時をまわった辺りで、薄暗くなり 外はかなり冷え込んできたので
テントの中での夕食づくりになった。 前回はチーズフォンデュを作って、翌日鍋が使い物にならなくなった経験から
今回はレトルトハンバーグ。 これなら鍋は洗わなくってもいいし楽チン。 ご飯を炊いて、スープとなぜか納豆。
そこにワイン。 今、冷静に考えると変な組み合せだが、その時はとても美味しかった。

夕飯を終える頃には、もう満点の星がそらに広がっていた。  
体が冷えたので、赤岳山荘の温泉に入り シュラフに潜り込む。  足元にアツアツの湯タンポを入れたので
寒さ知らずの快適さ。  これなら朝までグッスリ寝れそう。  ZZZ・・。
ところが ウトウト・・・・とした所で、急に女性の「やっだぁ〜! ホントですかぁ〜!」 「アハハハハハハ」と言う
甲高い声にビクッとして飛び起きた。  なんと、となりのテントで酔っ払った女性が大フィーバー。
その大声は、山々にコダマして永遠と夜更け(23時ごろ=山の夜は早い)まで続き 私達は全く寝付けなかった。

やっぱり・・・・。  この場所・・・。  アンラッキーじゃん!!                     

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