ヤンバル&久米島旅行記1                   ヤンバル女1人&犬いっぴき旅

なんとなく恒例のようになってきた(?)が、今年も全力と全財産をつぎ込みジェスパと沖縄に行ってきた。
毎回、「今度が最後だな・・・」と言いつつ、すでに5回を数える沖縄旅行記を“懲りないバカ”“そろそろ金を貯めろよ”と自分をナジリながら書いているあたりが、楽しみの全てが終了したウルトラ・ド貧乏人っぽくて悲しかったりする。 
終いにはジェスパに向かって「お前が我々の金霊だぁーっ!」と言い放ち、悪霊退散踊りをしながらグルグルとジェスパの周りをまわるのだった。                                                                

3月6日(1日目)

沖縄の春をなめていた・・・。 タンクトップに短パンも持ってきたのに・・。
那覇についたら小雨が降っていて、しかも強風で、とにかくムチャクチャ寒かった。 地元のお兄ちゃんが、ありったけの服を着込んだアリに「先週まで海に入れるくらい暑かったんですけど、どうしちゃったんですかねぇ」と追い討ちをかけてくれたので、悔し泣きをしながら国頭村のホテルに直行することにした。

「なんでだよぉ〜!」と文句を言ったけど、前半の4日間はアリとジェスパの二人旅なので空しい独り言となった。 ところが国頭村の近くに来たら、雨が止んで薄っすらと太陽が出てきた。 ラッキー! 時間もまだ早かったので、ホテルへの途中にある比地大滝に寄る事にした。

比地大滝は沖縄本島で一番大きい滝で、駐車場から片道40分程で「やんばるの森」を気軽にハイキングできるように木道が整備された歩きやすい良いコースだ。普通ならヒーリング効果絶大の森なのに・・・。 平日の昼下がり、曇ときどき小雨の天候に加え観光客にも出くわさず、さらには強風が森全体をユサユサと揺らしてオドロオドロした雰囲気さえかもし出している。 想像力豊富な小心者のアリは色々と怖い話を想像しては益々怖くなって、突然後ろを振りかえって見たり、鼻歌などを歌いながら歩いた。 

 
つり橋を渡って比地大滝に向かう

暫く行くと滝の音が聞こえてきた。 もう少しかな? 滝の近くに来たら2組の観光客とすれ違ってなんだかホッとした。
が、やっぱり滝に着いたら私達だけだった。 滝の近くの岩に暫く腰掛けてボンヤリしていたが、アリはユウコから「ブライスinやんばるの写真を撮って来い」と指令を受けていたので、リュックからブライス(頭のデカイ人形)を取り出して、誰も居ない滝で変人と化して撮影していた。 「さぁ、もう帰ろう。」 木道に戻って振り返るとそこは滝が良く見渡せる絶好のポイントだった。 「ジェスパ、ちょっと待ってぇ」またしてもカバンからカメラとブライスを取り出し、手すりにブライスを座らせてソロソロと後ずさりをした。 落とした最悪だよなぁ〜と思った瞬間・・・。

「あっっ!」  最悪の事態発生。(人形落下) しかも木道から数メーター下で上からはとても取れないし、地面からも数メーター上のシダの生えてる岩場だし・・誰も居なくて気味が悪いから早く帰りたいし・・。 「さようなら。ブライス」と一度は手を振ったものの、やっぱりお気の毒なので救出を試みる事にした。 再び滝に引き返し、川沿いの砂利道から捜索した結果、数メーター上の岩に倒れている人形を発見! ジェスパに救助を頼んだが犬では到底登れそうにない場所なので、仕方無く私がシダを分けて木や岩に掴まりながら人(形)命救助にあたった。 →  その様子はBlythe in 沖縄


だ〜れもいない比地大滝。ちょっと怖かった・・。

見事人形を手にして見下ろすとジェスパが大きく尻尾を振りながら「さすが親分、お見逸れいたしました。ハハァ〜」と言っているのが見えた。 すっかり気を良くしたアリは大声で「どうだ見たか!やっぱり犬より猿の方が偉いのだぁ!アッハッハッハッ」とアホ面している犬にむかって大威張りしていたら、ちょうど頭上の木道をカップルが通っていた。慌てて誤魔化したが、きっと相当なアホ面をした猿だったに違いない。 うぅ・・恥ずかしいぃぃっ。  

そんなこんなでホテルに到着したのは夕方5時過ぎだった。 チェックインをすると従業員の女性が「ワンちゃんをお連れのお客様ですか?」と聞いてきた。 予約を取る際に、犬連れで旅行をするので出来れば一緒に泊めてもらえないかと、支配人にダメモトで交渉していたからだ。 もちろん断られたが「ワンちゃんもご家族ですからねぇ」と少し申し訳なさそうに言ってくれていた。 で、女性は支配人の指示でロビーの荷物置き場に案内してくれ「こちらでも宜しければワンちゃんをお泊め出来ます」と言ってくれたのだった。 

しかしジェスパがロビーで吠えたのでは堪らんと思い、ご親切を丁重にお断りした。 ジェスパは部屋では吠えないという自信があったアリはホテル側の優しさにつけ込み「持参したゲージからは出しませんので」と再度部屋への持ち込み希望をチラリと見せてみた。 「支配人と相談します。」と女性は言ってくれたが、それはまず無理だと分かっていたのでジェスパと近くの集落まで散歩に出かけた。

ところが帰ってくるとロビーの女性がニコニコしながら「他のお客さまもみんなワンちゃんがお好きでしたので、夕食後であればワンちゃんもお部屋へどうぞ」と信じられない事を言ってくれた。しかもシーズンオフでお客さんが数組みしかいないからと、すべてのお客さんにジェスパを泊めても良いかと確認をとってくれたらしい。 本当に申し訳ないくらい親切にしてもらいとても嬉しかった。


ちゃっかりホテルに泊まるジェスパ

そして沖縄の第1日目の夜、一緒に綺麗な部屋に泊めてもらった幸せな飼い主とその犬は「フンガーーーッ」と高いびきをかいて爆睡したのだった。

つづく

BACK              NEXT