One Tube 3A5/50MHz Transceiver Remake(Jun 15〜 . 2019)
3A5単球トランシーバの総括と今後の方向
送受自励発振による3A5トランシーバの現状が如何程のモノかを確認した。当初より分かっていたとは言え、やはり現在の無線機に比べると幼稚としか言い様がないのが正直なところだ。これをアマチュア無線設備として登録し 運用するなど、現在では無理・無謀な相談と言わざるを得ない。古き良き時代の思い出として仕舞っておけば良いのだろうが、何とかモノにしてみたいとする願望(アマチュアスピリッツ)がくすぶって止まない。
以下OneTubeComp2019で製作した実機を評価して得た問題点をリストしてみた。

@ボディエフェクトによる周波数変動・・・アンテナに人体や金属・非金属を問わず物体が近付くと発振周波数や超再生受信状態が大きく変動する。
AAM変調なのにFM変調・・・AM変調しているつもりでも、実は同時にFM変調が行われ妙な電波となっている。
B超再生受信時の不要電波輻射・・・受信時も関わらずアンテナから相応レベルの不要輻射がある。
C送受信周波数のズレ・・・スペアナとSGで確認すると、##MHz/**dBmを受信していて送信に移ると、送信周波数が凡そKHz高目になる。
D超再生受信のクリチカルさ・・・超再生の再生レベルがスプリアス発射レベルに連動し、またそうしないと受信感度が上がらないもどかしさ。
Dバンド内に複数の搬送波・・・IC-7300(2km先のリモートシャック)のバンドスコープによると、5波程度確認できる。
Eクエンチング周波数のスプリアス・・・同IC-7300のバンドスコープによると120KHz間隔で確認出来る。
F電源インバータのノイズ・・・フィラメントの1.5Vでもノイズがあると3A5の一次電子を変調するので、細心の注意が必要。程良いLCフィルタの実装が必要。

こうした負の要件の取り扱いが過去の出版物では薄く、誤解を招く向きがあったのは否めない。かく言う自分もそうであった。
写真は無線部屋で腹這いにしてテストしている様子。後から気が付いたが、このセッティングも中々面白い・・・と自己満足。乗っているのはRS-BA1のリモートRCU-28。
下図は、上記を考慮して修正した回路図。受信は超再生としながら、送信は完全に独立させ水晶制御とした。超再生受信と送信終段に3A5を使い切ってOneTubeトランシーバの面目を保つため、変調・受信増幅は汎用ICのLM386等で行っている。 (2019.06.15)