7F71R/RF Multi Band HPA Making(7F71Rの研究とHPA製作)

1973年夏に初めて手に取った7F71R。先輩の指導のもとメンテナンスで球交換を行った。ピカピカの金メッキで眩いくらいの同軸型電極。ずっしりと重いがやや冷たい真っ白なセラミックと梨地のプレート放熱フィン。
カラーTV受像機の水平出力管や3-500Z程度のガラス球しか知らなかった青年は驚きを隠し得なかった。「こんな球を家庭で使うなんて夢のまた夢だろう・・・」と久しく思っていた。
・・・33年が経った2006年、その夢が実現しそうな雲行きになってきた。果たしてどうなるだろうか・・・。
写真は7F71Rシリーズでも最後の7F71RF(NEC)でプレート下部にスカートがある・・・クリックすると拡大する。

参考・・・7F71Rは1971年、VHFカラーTV-TX専用の電力増幅用としてNECと東芝が共同開発した最後の7F送信管(主にGG用途)です。カラーTVでは伝送系のDG(DifferentialGain/微分利得)特性やDP(DifferentialPhase/微分位相)特性が重視されていましたので、その最終段を司る電力増幅器には良好な振幅及び位相特性が求められました。カラーTV信号は音声とは異なり、同期・映像・色の各信号を含む非常に複雑なエネルギー分布を持っていますから、これらを安定に増幅するには相応の特性を持つアンプが求められたのです。
この7F71Rはその後改良が加えられた7F71RA7F71RFが製造されましたが、東芝電子管デバイス(株)のサイトには現在も7F71Rがラインナップされています。
なおTV-TXでは出力電力を1KW(負変調同期先端・24時間仕様)で設計する場合が殆どでした。したがって、アマチュア用SSBリニアアンプとして法定電力内で取り扱う場合は最高の特性を期待できると思われます。
以下に7F71Rの標準スペックを示します。実運用では業務用はEp≦3KVと低く押さえEsg≦Ep-epを遵守した作りをしますが、アマチュアの場合はEp≧4KVでEsg=500V付近で使われる方が多い様です。但し、この場合の寿命は?です。
7F71Rの命名内訳は・・・7=プレート損失1KW以上〜5KW未満、F=Tetrode(4極管)、71=設計年度、R=強制空冷(誤りが分かる方御教示下さい)。



May 13. 2007 ケースの組み上げとシャシレイアウト

5月11〜12日所用で上京したため、秋葉原に立ち寄り部品の調達をする。ケースを物色したが適当なものが見当たらず結局毎度お世話になっているTAKACHI製に落ち着いた。以前もGU-84Bアンプで使用した実績のあるMSシリーズである。
しっかりとカタログも見ないでMS-225-43-45BSを東京ラジオデパート2FのSS無線で発注したが、EIA/6Uとばかり思いっていたら5Uと判明し慌てた。実は製品は5Uが最大だったのだ。まぁ若干余裕を見ているからと言いながらも組み上げて7F71Rを乗せるまでは内心ハラハラドキドキだった。
写真は本日到着した同ケースを組み上げ、中にソケットに乗った7F71Rとファン、そんにフィラメントトランスを配置してみた様子。高さは2cm以上クリアランスがある。それよりもシャシ上のレイアウトの方に課題がありそうだ。
これ以外には大した部品も乗らないので(多分)ギリギリにシールドボックス分の地所を確保したら、何とかマルチバンダーが組めるかも知れない。ファンの周辺は上下も左右も余りスペースは期待できないが、フィラメントトランスの上面やファンとの間に多少のスペースが有る。マルチバンドで1.8MHzを含むとなると・・・最悪ファンを外部にする必要があるかもしれない。またこれらはパネル面のレイアウトとも関係するので十分な戦略をもって臨まないといけない。色々とイメージングするだけで楽しくなってくる。

Mar 14. 2007 200Vプラグとフィラメント用貫通端子

所用で上京したため空き時間に秋葉原を往復した。写真はゲットしてきた200V用20Aプラグとフィラメント用貫通端子部品。
200V/20Aプラグ(定格は250V/20A)は、静岡の有名ホームセンターに置いてなくこのチャンスを狙っていた。その店にはコンセント側は置いてあるのだが、プラグ側が無い理由は良く分からなかった・・・伝統的にそうらしい。このプラグの定格電流は20Aだから、200Vを利用する場合4KVAの負荷までと言う事になる。1KW出力のHPAなら十分な値だろうが、実験や開発的な要素を含む場合はやや心持たないかもしれない。その場合は2系統パラレルに使う手もある。価格は\400〜\450程度であるが、ネット販売などでAudio用と称して破格の値段で販売しているサイトがあるので気を付けたい。
貫通端子用は6mmボルトにナットとワッシャ群をネジの西川電子から購入してきた。絶縁用ステアタイトは既に川口電熱から購入してあった物。前項如き専用の貫通コンデンサを利用するよりは、取り付けスペースが小さくて済むのでこちらの方が工作し易いと思われる。ステアタイトはネジを締めすぎると割れるので、必ず平ワッシャとスプリングワッシャを挿入する。或いはファイバーワッシャを挿入しステアタイトの割れに注意を払う。
中々時間が取れない日々が続いているが、そろそろ7F71Rを乗せるサブシャシの製作に取り掛かろうと考えている。

Jan 23. 2007 フィラメント回路用貫通コンデンサ

「大電流対応の貫通コンデンサが若松通商にあるよ!」とJA1FGW/吉田OMからメールが届いた。早々に若松通商の通販サイトを覗くとあった。SCHAFFNER社の貫通型(フィードスルー)コンポーネントにリストされているFN7563-63/M6だった。 通過電流は63A、静電容量は0.47μF、耐圧は130V。本体の取り付けは約21mmΦの丸穴で端子は6mmのボルトにダブルナット締めとなっている。名前の末尾63/M6は63A/6mmΦボルトを意味する文字列と想像できる。6mmΦのボルトが63Aとする根拠が良く分からないが。
既に作業を始めているこの7F71Rアンプもフィラメント用貫通端子のボルトは6mmΦと決めているから、そっくりそのまま使えるのではないかと思っている。但し大きさがあるのと、HF〜50MHz程度のフィラメントRFCのバイパスなら、そんなに意気込む必要もないなぁとも思っている。とにかくデカイから真面目に使うのは144MHzあたりで使うときになるだろう。
・・・と直ぐ使う気も無いのに2個セットで購入したのが写真。モノは良く出来ているので入手できるうちに買っておくのが良いと思う。何しろ@\1.26Kと破格だから。本日(1月23日)現在で在庫が70個とあるが、皆が買い出したら一日で終わってしまうだろう。
ここでは部品の紹介と言うことで、製作は当初の予定通りセラミック碍子の貫通端子とパスコンで対応する

Dec 19. 2006 電源投入後のフィラメント電流の変化を見る

電源投入時のフィラメント電流の変化に興味あり5秒ステップで2分間のデータを取ってみた。左は取得データをグラフにしたものである。グラフの開始は、クランプメーター(KYORITSU_2017)に瞬時測定を期待するのは難しいため、電源投入5秒後からとしている。グラフで0秒としている投入直後は、フィラメントは冷え抵抗値はほぼ0Ωであるため、瞬時ではあるが規格どおり160Aに達するフィラメント電流が流れていると思われる。
この測定の目的は突入電流の確認の他に、フィラメントが安定領域に達するまでの時間把握である。突入電流値は前述のようにここでは測定できず推測の範囲だが、同じ電源テーブルタップから取得してる蛍光灯や、フィラメントトランスの唸りを確認すると全く変化が無い。したがってステップアップスタートやその他突入電流制御はフィラメント回路については不要と思われる(AC200V結線の場合は別途要確認)。
またToshibaの規格表によると7F71Rの最小予熱時間は15秒となっているが、フィラメント電流が安定するまでは更に時間を要している。但しこれらはフィラメント電源の能力や線材にも依存するので一概には言えない。それはフィラメント以外の経路の発熱も考えられるからである。
今回の測定では最終フィラメント電流=77.7A、フィラメント電圧(Socket)=3.99V、フィラメントトランス2次電圧=4.26Vであった。なおクランプメーターは電線の位置で表示値が微妙に変化するのであくまで傾向(参考)である。

Dec 11. 2006 フィラメントの1時間通電と冷却テスト

フィラメントへ一定時間通電しソケットも含めた球の様子を観察した。この際消費電力は定格で312Wに達するため相応の冷却が必要になる。この作業の目的は温度上昇によりソケットと球の接触に変化が無いか確認するためのものである。
写真は7F71R(Toshiba)の点灯に併せ近傍から日本サーボのシロッコファン12S55-2LKP(AC100V/135W)で送風を行なっている様子。このファンは昨年の秋葉原ツアーで鈴商から購入したものだが、当時は使う当ても無く「とりあえず」の購入だった。但し同社のサイトを覗いても、現在はこの12S55-2LKPは製品リストには無い。
写真中央下に見えるのは外付けの12μF/220Vの進相コンデンサ。さすがに強烈なエアを噴出してくれ、球は殆ど温まらないるが、音の大きさには苦笑する。実際に使う場合はコンソールに収めるか室外に置く等の工夫が必要だろう。
勘合のやや緩いToshiba管で確認したが、フィンガーストックが真ちゅうむく材削り出しのため、リン青銅の様なバネ圧力が期待できない。したがって一時的にホースクランプをフィンガーストックに巻き付け全体を締め付けサイズ調整をする等の工夫が必要と思われる。ただToshiba製が心地よくなったら逆にNEC製はきつくなる事が予想される。

Dec 10. 2006 東芝7F71Rのセラミックの輝き


昨日ようやくフィラメントの火入れを行い気を良くしていたが、NEC製の白セラミックのオレンジの輝きを見ているとToshibaのピンクセラミックの輝きも見たくなった。遠い昔の記憶だと室内照明の関係もあってかピンクについては余り強い印象が無かった。それで部屋をやや暗くして点灯すると見事にピンクで光りだした。
写真左は天井からの蛍光灯照明を20Wにし、手前に白紙によるリフレクタを配置して撮影したもの。その状態から蛍光灯を消すとピンクが強調された写真右の映像になる。
NEC製の白セラミックの輝きとは全く違う世界が広がるようで楽しくなる・・・勿論電気的動作には無関係だが。
一連のフィラメント点灯テストで7F71Rの抜き差しを幾度か行なったが、球とソケットとの勘合状況はToshiba製はやや緩く、NEC製は程々に固かった。それなりの製造誤差が予想されるので、ソケットのフィンガーストックへの期待が高まってくる。

Dec 9. 2006 フィラメントに火を入れてみた

フィラメントトランスもフィラメントRFCもあるのに中々7F71Rへ通電出来ないでいたがようやく作業が進んだ。 ラグ端子処理したフィラメントRFCの端をソケットへボルト締め、反対側もフィラメントトランスの2次側(4V)にボルト締めし、トランスの1次側を100V結線し早々にAC100Vを投入した。
写真はその様子。部屋は曇天だが外光が差し明るいので、カーテンを引きやや遮光した状態で撮影した。セラミック部分がオレンジ色に光りフィラメントの点灯を確認出来る。この状態で放置するとあっという間にプレートフィンが触れなくなる程の温度になる。フィラメント電力が定格で312Wもあり当然の話だが、底部のソケット端子よりプレートの方が早く熱くなるのが面白い。
なおこの時の各電圧を測ると・・・
@トランス1次電圧:103.4V
Aトランス2次電圧:4.27V
Bソケット電圧:3.99V
Cフィラメント端子電圧:3.85V
Dトランス2次無負荷電圧4:64V
・・・となった。
それにしても白のセラミック球はフィラメントから漏れる光が見易いのでちょっと不気味でもある。なおRFC他の発熱などは無く動作良好であった。

Nov 28. 2006 フィラメント用貫通碍子

7F71Rのソケットは何らかの箱に乗せる。その際フィラメントチョークの電源側を直出しにするのはRFのバイパス上も好ましくなく保守性や見た目も良くない。80Aも流せる貫通コンデンサがあればベストだが入手は難しいだろうし、有ったとしても大きく使い辛いことが予想される。そこで貫通端子を構成しコンデンサによるバイパスを試みる。貫通端子は少なくともソケットの締め付けに使用した6mmΦボルトは使用したい。
この目的を果たすために坂口電熱のステアタイト部品のBB20を使ってみる事にした。オス・メス一対で構成されて価格も安い。写真は坂口電熱から購入したBB206組。同僚が東京出張する際に拝み倒して回り道をして買って来て貰った。これに6mmの真ちゅうボルトを貫通させ、ワッシャとスプリングワッシャを挿入し、配線用ラグ端子をダブルナットで締め付ける。ダブルナットにしてステアタイトに加わる力を軽減しないと割れてしまうので注意。
RFバイパスコンも併せて共締めして接地する事で簡易な貫通コンとなる。なおバイパスコの設置は対角上に配置する事で接地経路のバランスを維持する事が出来る。
地方ではこうした部品の入手は殆ど困難なので、上京の折は立ち寄って購入しておくと良い。坂口電熱にはこれ以外にアンプの高圧・光熱部分に使えそうな部品が一杯あり見ているだけで製作意欲がわいて来る。

Oct 30. 2006 ソケットにラグ端子締め付け用タップを立てる

作業スピードが遅くアクビが出るような今日この頃。 深夜に帰宅して思い付いた様にソケットに罫書きを行い5mmの穴を2ヶ所に開け、フィラメント用6mmボルトのタップを立てた。
ソケットは札幌のFDT LABOR(小池さん)から以前購入したものだが、正規品とは異なり大分小型に出来ている。北海道の有志が作られた物だとは小池さんの弁。小型はあり難いのだが、真ちゅう材の削り出しのため、フィンガーストック部が固く接触がやや気になる。クッションや遊びが殆ど無いので、電極を固定しているボルトを緩めて球を差し込み、再固定するなどの合わせが必要と思われる。また球側の電極が歪んでいるとその影響が出そうな気がする。写真は待ちきれず平編み銅線を差し込んだだけの「未圧着ラグ」を6mmのボルトとスプリングワッシャで仮締めした様子。平編み銅線が剥き出しになっているが絶縁チューブが根元まで被さる事になる。
奥側のタップは、表面のフィラメント電極円盤に通風用の穴が多数開いていたため、これを利用し2番目のフィラメント円盤にタップを立てた。なおSgやCgのDC用、それにRF接地用のラグも取り付ける必要があるため、後日分解して3mm程度のタップを其々の円盤に立てる予定。それにしてもDCや商用ACは良いが、RFは何処に給電するのがベストか?と考えてしまうのは私だけだろうか。ちなみにソケットの筐体は4角にある6mmボルトで接地される。

Oct 22. 2006 圧着ラグ端子・取り付けボルトの選定

フィラメントチョークの末端を端子化するための圧着ラグ端子とその取り付けボルト&ナットを購入してきた。近くのホームセンターに出かけた折、電工部品コーナーを覗いたらあった。
写真の右にあるのが圧着端子で、付属シートには「丸型端子(R型)、R14-6、単線:3.65〜4.63mm、撚線:10.52〜16.78mmsq、接続穴径:6.5mm」と記されている。
それで、フィラメントチョークに使用した平編み銅線の断面積は14mmsqなので、この圧着ラグ端子はベストマッチするはず。
一方ボルトは後日紹介するがソケットの部材厚(しんちゅう製3mm)の関係もあり余り太く出来ないため6mmとした。実は手持ちの7F71Rソケットには何も処理がされていないので、6mmタップを立てて写真の如きボルト(ステンレス製)で締め付ける・・・ナットは使わない。
電源側も同じラグ端子で圧着処理し、ステアタイトの貫通ボルトにパスコンと合せて締め付ける予定。ステアタイトは強くは締め付けが出来ないので、ラグ端子はダブルナットに挟み込む事になる。
なおこれに合せてソケットにネジを切るために6mmΦ/1mmピッチのタップを購入した。電気工作の殆どが5mmのタップまでで事足りていたが、今回の7F71Rアンプは別格である。

Oct 3. 2006 フィラメントチョークの試作

フェライトトロイダルコアによるフィラメントチョーク(RFC)を試作した。
既に掲示しているようにFT240-43を3個重ね14sqの平編み銅線を6回巻きつけた。平編み銅線は10mmΦのスミチューブ(1m)に通した物を2本まとめて6回巻きつけている。この状態で生き返りをまとめてインダクタンスを測ると153μHを示した。ちなみに5回巻くと100μHを示す。また行き返り合成インダクタンスは1μH以下(殆どリードインダクタンスと思われる)であった。
@線材・・・14sq平編み銅線(0.00163Ω/1m)
A絶縁材・・・10mmΦスミチューブ
B巻き数・・・6回(バイファイラ巻き)
Cインダクタンス・・・153μH
D誘導性リアクタンス・・・1.8MHzで約1.7KΩ(=2πfL=2x3.14x1.8MHzx153μH)
スミチューブに14sq平編み銅線を通すのには意外と苦労する。メッセンジャーを通してから引っ張り込むのも手かも知れない。押し込むだけだと30cm程度でめげてしまうので、チューブを縮ませて平編み銅線の先端を小刻みに引っ張って行く方法で作業を進めた。最終的に形が決まれば熱風を浴びせてチューブを縮ませる。また5回巻きでも約1.1KΩの誘導性リアクタンスが得られているので、問題が無ければ巻き数を減らしたい。

Sep 29. 2006 フィラメントチョークの検討2

トロイダルコアへの巻き込みが一番簡単なのは撚り線。しかもなるべく自由な作業が出来ると言う事で、平編み銅線を使ってみる事にした。インターネット上で100m単位で販売しているサイトに尋ねると、1〜2m程度のお客はお断りと簡単にあしらわれてしまい、代わりに小売店である秋葉原のオヤイデ電気を紹介された。幾つか種類があり、78Aも流すのにはどの程度の抵抗値が適当か考察してみた。いかに大雑把に使えそうな線種をリストする。左から断面積、1m辺りの抵抗値、78A時の電圧降下、78A時の消費電力(20℃)。
@22sq・・・0.00106Ω/1m、0.083V/78A、6.5W/78A・・・断面積が多く巻き難い
A14sq・・・0.00163Ω/1m、0.13V/78A、10W/78A・・・現状ではベターか
B8sq・・・0.00290Ω/1m、0.23V/78A、18W/78A・・・消費電力多く温度上昇難
と言う事でA(TBC-14)を選択した。但し実長は配線を考慮しこの1.5倍程度になる。写真はネット注文の翌日に送られてきた平編み銅線。
さてこれをどう料理するか。当初は平らな状態で巻けるかと思ったが幅が有り難があるため、薄手の丸断面の伸縮チューブに通して絶縁し巻き込む予定。フェライトコアに直に巻き込めるから作業が簡単になるだろう。
トランスの電圧はロスを考慮しているので余り心配はしていないが、#43材の温度特性がやや気になるが強烈なエアを送るからまぁ問題は無いかとやや楽観視。コアは3個にするか、それとも2個・・・この選択も楽しい。

Sep 17. 2006 フィラメントチョークの検討

難題と思われたフィラメントチョークもハイμsのフェライトを使用したトロイダルコアの流用で、低巻き数で高インダクタンスを得られる見通した立って来た。
トロイダルコアはFair-Rites社FT240-43を2個又は3個スタックにして80A相当を流せるケーブルを巻き込む。写真は一体どの程度のインダクタンスが得られるものか測定している様子。FT240-43を2個スタックにしてビニール被覆伝電線を6回巻いたもので96μHを示している。測定はDELICA(三田無線研究所)のミニブリッジD1Sで行った。安物のデジタルのLCメーターはどうも信用が出来ない。たった6回巻いただけで100μH近い値を示し、正直なところ驚きモノである。
ちなみに同じ電線でコアを3個スタックにすると5回巻けるが、このときのインダクタンスは102μHを示す。
ではこの100μHが1.8MHzで示すインダクタンスXlを計算すると・・・
Xl=2πfL=2x3.14x1.8x100=1130Ω
・・・なおバイファイラに巻いたとしたら、同相系のXlはその半分の565Ωとなり線路Z=50Ωの11倍ある・・・いや同一コアだから変化はないか?。 何れにせよこの数字を見る限りマルチバンド用フィラメントRFCとして使用可能と思われる。2個スタックなら6回、3個スタックなら5回が目安となりそうである。

Sep 5. 2006 フィラメントトランス届く

7F71R級の真空管の悩みの種は何と言ってもフィラメントトランスとフィラメントチョークだろう。フィラメントチョークはGGにするかGKにするかでその有無が変わってくるが、フィラメントトランスは必須である。何しろ4Vで78A流れるから、消費電力は両者の積で312Wもある。それでフィラメントトランスを入手すれば何とか方向性も見えて来るだろうと安直な気持ちで伊勢の西崎電機に発注した。メールでお願いして送金を何でやろうかと一日二日考えているうちに物が届いてしまった。過去の依頼実績と言うのは恐ろしいと言うか有難いもので、西崎さんも一通のメールで大体の事が分かってしまう様だ。
写真は届いたトランスを7F71Rを入れ込み撮影したもの。1次は100Vx2の複巻き、2次は4V/80A(連続)でCT(CenterTap)付きとした。80Aとなると普通の電線では容量不足の模様で、2mmx8mmの平角銅板を2本重ねて巻いてあった。また4Vは負荷時の給電線やチョークのロスを考慮しているので開放では大分高目。
次に「回路は?」と言う問題に突き当たる。目標はマルチバンダーだから、前述の如くGGだとワイドバンドで大電流仕様のチョークが必要になる。GKなら省略できるが・・・本来のGGの良さを引き出せないので悩ましい。 写真をクリックするとVHF_TV-TXでの使用例をNECさんの資料から伺う事が出来る・・・この周波数でのチョークは楽なんだが。