自作SSB/CWトランシーバに32年振りの通電(Dec 23, 2011〜)
写真は高校時代の1972年4月20日より運用を開始した自作のSSB/CWトランシーバ。SSB発生は国際電気のメカニカルフィルタMF-455-10CK(455KHz)を使用するフィルタタイプ。VFOは5MHz台そして2ndIFも5MHz台におき、逆ヘテロダインで目的バンドへ変換するダブルスーパー。VFO可は直線性を確保するため200KHz可変。このためバンド数は12バンド(3.5〜28MHz)に及ぶ。
もう電源投入など無いだろうと思っていたキカイなのだが、2011年11月にレタリングをリニューアルしたことも手伝いもう一度日の目を見せたくなった。
1979年頃までメイン・トランシーバとして活躍していたが、その後転勤や引越し等もあって全く火が入らなくなっていた。
さて果たせるかなこの思い。なき別れて天井裏へQSYしていた電源部を引っ張り出し本体と32年振りの対面。電源ケーブルとスピーカー、そしてアンテナをつなぎスイッチオン。
パイロットランプが点きダイアルを照らす。暫くすると真空管のヒータが灯る。思いを巡らす何とも言えない時間だ。32年も経てばタメモトが当たり前と思っていた。と、ところがスピーカーから心地良いザーノイズ。な、何と7MHzのSSBが受信できるではないか。こりゃスゴイ。
ところが調べると色々不具合が発覚する。これから復活(運用可能)までの道のりをまとめることにする。果たしてどうなるか・・・。(2011.12.23)

写真はAFとIF(455KHz)部分。右下に見える円筒が国際電気のメカニカルフィルタMF-455-10CK。中央上の裸球はAF出力管6BM8でヒーターの灯っている様子が分かる。参考にした回路はKWM-2やCQ出版の「SSBハンドブック」でJA1ALX田村OMが書かれた記事。しかし、最終的には当時のメーカー製トランシーバに付加されていた機能(RIT・セミブレークイン・1KHzリーダブル・増幅型AGC・外部VFOクロス運用・フォンパッチetc)を網羅した。

判明している不具合・・・
@Sメーター振れず。
Aメインダイアルに細かなバックラッシュ。
B送信系メーター(HV/IC/ALC/RF)振れ方NG。
CHV用ケミコン分圧抵抗(100KΩ)焼損で印加電圧上昇しケミコン液漏れ。
DRIT用電源抵抗発熱大。
Eシーメンスキーで送信に移れない(PTTはOK)。
FCWサイドトーン発振せず。
G終段で何故か6146とS2001がパラ。
HUSB水晶発振アクティブティやや低い。
I送信不良(B・E・F・G・その他を含む)。   (2011.12.24)

Sメーター(受信S)は送信時はリレーで切替り、HV(プレート高圧)、IC(カソード電流)、RF(高周波出力)、ALCをロータリーSWで選択している。
現象は受信時のSが振れず、送信時はHV振れるもののフラ付き、IC/RF/ALCは全く振れない。HVが不安定ながら振れるのでメーター自身はOKと思い勝ちになる。ところが高圧を数百μAオーダーで取り扱う電流計は、電荷レベルでも触れてしまう可能性があるので安心は出来ない。
写真は試みに別の電流計(200μA)を並列にSメータへつないだ様子。見事に振れている。
やっぱりか。Sメータ(100μA)自身が可笑しいようだ。取り外してテスターを当てると∞Ω。内部を診てみるが可動コイル断の模様。
ちなみに右に見える怪しい物体は本邦初公開の電源部。Toshibaの白黒TVのトランスやチョークコイル、そしてケミコンを流用している。見るからにジャンクの塊で、当時の生活状況が見えてくるようだ。
Toshibaのトランスは300Vx2の他に6.3Vや5Vの巻線がある。高圧は300Vx2=600Vをブリッジ整流しケミコンで平滑、低圧は300Vx2のセンタータップをチョークインプットで平滑。更にVFO用150Vは定電圧放電管VR-150で安定化している。マイナス電源は100V:115Vトランスを用意し半波整流。リレー電源はヒーター巻線を整流している。

ダイアルのバックラッシュは、ベースとなっているアイデアルMD-101(20:1ダブルギアメカ)に埃やゴミが付着しているのが原因。アルコールで汚れを流し注油して復旧。滑らかさを取り戻した。
HV用ケミコンの分圧抵抗は同等品の100KΩ/2Wに交換。更に液漏れしたケミコンはFL-2100Zから取り外した200μF/500Vへ交換。ケミコンは液漏れしていない方も一緒に交換した。
RIT用電源用抵抗はVR-150で安定化された電源からバリキャップ制御用の電源を供給するもの。当初15KΩ/2WのL型を使用していたが、18KΩ/5Wの酸化金属皮膜型に変更した。を(2011.12.25)
100μA電流計を探すも地元静岡市内の部品店では入手が難しい。それで、秋月電子のSD-50と称するWENZHOU HONLY INSTRUMENT ELECTRICAL(China製)の電流計を発注。ちなみに取り外した物は1970年製のSメーター/MR-45(日置製)。Sユニットと0〜10(均等)の目盛りが振られてる。あわよくばこのSメーターの目盛り板をSD-50に移植できれば万々歳。 (2011.12.30)
100μA電流計の到着まで時間が有りそうなので12月30日〜1月3日まで連続通電を実施。異常無し。(1012.01.03)
秋月電子から100μAの電流計が届く。\600とは思えない作りだが、日置のSメータに比べると半分位に軽い。早々に実装する。SメータのゼロADJが未だなので電源を入れると大きくスケールアウト。ヒートアップ後シャシ内にあるゼロADJ-VRを調整。そしてRF-GAIN絞り切り(AGC管カットオフ)でフルスケールになるか見たが8割程度の振れ。これは直列に挿入しているRを微調する。目盛り板は日置のSメータからの移植を考えたが、よく見ると針の振れ角度が異なりNG。まぁ中心をS9にしてフルスケールが+60dB程度になれば良いかぁ。写真は両メータのツーショット。(2012.01.05)

メータの交換が終わりいよいよ送信系のチェックが始まる。HVは1000V、Icは200mAがフルスケール。RFとALCは単なる目安で特にスケールは無い。ヒートアップ後PTTで送信にするとHVが800V程度に振れる・・・良好だ。続いてIcに切替えると40mA程度振れている。電源部のBIAS調整で可変OK。次にALCにするとゼロADJがずれている、シャシ内の半固定VRを回しゼロADJ実施。RFは振れていれば良いから特に触らない。
この際シーメンスキーで送信へ移れない原因を探ると、単純にキーの接触不良。接点復活財で正常動作に復活させる。
またCWサイドトーン(1.5KHz)は正常に発振しており、送信系に注入されているが、音声モニターが不良と判明。
さてそれで送信動作を診る。IC-756をモニターにして7MHz/LSBで送信(ダミーロード)し出力の存在を確認すると見事SSBが受信できる。しかし歪っぽく、またIcを十分降らせる力がない。更にDRIV・PLATE・LOADの各VCの位置によりIcが勝手に振れたりする・・・自己発振が併発している模様。
写真はIF/AF部。中央上の銅シールド内が453.5/456.5KHzキャリア発振部、その右及び下方面が送信AF部と変調部にIF部、そしてVOX部。左側は受信IF部と復調部にAF部。それにしても良く詰め込んだものだと感心する。
また真空管式TVから取り外した部品が結構あって驚く。(2012.01.07)

写真はマイクロフォンをつないで一通りの形を作った様子。これに電鍵ががつながれば1972年当時そのままだ。上述の如く送信動作に不良が見られるが、それを解明するのも楽しい。オシロを当てれば何処で歪んでいるかは一目だろうし、自己発振はRFバイパスが可笑しいかドライブステージに掛けたRF-NFBの不良かと・・・想像するだけで楽しく少年時代が蘇る。
なおこのマイクロフォンはSANKENのインタビュー用マイクNM-2でオーナーと同じ1954年生まれ。今なお飾り気の無い音を拾い続ける姿は涙ものだ。
下はRF(6BA6/TR→6CL6/T)とMix(6BE6/T、6AU6/R)にLo(6U8/X-tal)。送信RF部は終段(6146)まで3段ストレート増幅を行っている。(2012.01.09)



送信系の動作がどんなものか様子を見る。出力へダミーロードをつなぎ、別のRx(IC-756)でモニターしてみる。
これは実は当初から行っているテストで、明らかに目的周波数で出力している事を確認できる。SSBでやると鳥が鳴くようにしてゼロビートが取れる。
本機では終段の6146x2には中和調整やその他テスト用にSGカットオフSWを設けている。これで6146x2を送信時もカットオフにして、ドライバー出力(RCA)をオシロスコープで見る。
まずマイクでがなって見ると見事にSSB波形を観測できた。暫く音声に連動したRFエンベロープの変化を楽しむ。そしてツートンを放り込んでみる。マイクコネクタが昔の4Pinで、DTMFマイクがつながらないのでIC-756経由でツートンを外部変調入力(RCA)へ放り込んだ。外部変調入力はDCカットコンデンサ経由で直接リング変調器に接続してある。
左の写真がその様子。IC-756側と本機との間の電位差やノイズがあるため波形にジッタや飛び込みがあるが、まぁまぁそれなりのSSBが出ている様だ。
(2012.01.15)

TwoToneでの出力波形がまずまずだったし、MICにするとモニターRxでウグイスが鳴いていた。これでてっきり平衡変調器はOKと思っていた。ところがMICに向かい喋るとどうも妙な音。歪んでいるのだがSSBをAM受信機で聞くような感じの音がしてとても聞けたもんじゃない・・・可笑しい。オシロで平衡変調入力(3極管カソードフォロア出力)をあたると、マイナススイングが早めに飽和するが、運用レベルからみたらはるかに先だ。最終出力、1stIF(5MHz)、2ndIF(455KHz)をIC-756で直接モニターするが傾向は皆同じだった。(2012.01.18)
写真は、所用で上京した折り、秋葉ラジオストアの東邦無線で購入したRFC群と東洋計測で購入したOkusawaの100μA電流計。長いRFCは6146x2プレートRFCがくたびれていたので交換。と言うより、30数年前にRFが乗り破断したRFCの代替が実装されていたのが、ようやく正規品に戻った。随分と期の長い話だ。
ちなみに現在、秋葉でこの種のRFCを購入できるショップは殆ど無くなってしまった。10数年前より東邦無線さんを訪ねる事にしている。ご主人はもう買い手はないモノと思って居られた模様だ。今でも製造メーカーは健在と伺った。(2012.01.19)

状況から判断するとやはり平衡変調器か。平衡変調器はいわゆるリング変調器でGeダイオードを4本同じ方向に4本つなぎ対角でLoとAFを放り込むもの。
念のためループにならない様にダイオードの片側を外しテスターで道通状態を見た。
すると4本のうち1本が何と完全にオープン。読みは的中だ。これだとLoのスイングによりスイッチングされるGeダイオードが半周期分スイッチされない。したがってLoの半周期に出力が出ないことになる。
取り急ぎ部品ケースから1N60相当のGeダイオードを取り出し交換。変調器は見事に復活した。
写真は取り外したGeダイオードのクローズアップ。恐らく1N60だと思う。よく見ると内部リードの一部が白っぽい。双方向でオープン状態だった。特に電圧の掛かる場所じゃないので、内部リードかGe接合面の経年変化・・・いやTwoToneのオーバードライブか。
それにしても色々と楽しませてくれる。これで後日またTwoTone波形を観測する予定。
これにより変調器出力レベルが上がり、Icメータが心地良く振れる様になった。さぁこれで自己発振が解決すれば大きな課題は解決だ。(2012.01.20)

昨夜の平衡変調器の復活で6146を心地良くドライブできるようになった。
1月22日朝8時59分、はやる気持ちを抑えきれずアンテナをつなぎ栃木のJR1SQH局をコールすると一発でつながった。
59/59のリポートを交換するが、こちらの電波は自己発振の傾向があるためか、回り込んでいる感じで聞こえているらしい。
しかしそれより32年振りの復活QSOが嬉しくて興奮の朝だった。
写真はQSO時のスナップ。マイクはTRIOのMC-50を使った。(2012.01.22)
その後1月23日22時39分、3.550KHzで広島のお馴染みJA4EOF局と交信。
59/59のリポートを交換するが、昨日同様に回り込みを感じるらしい。
その原因と思われる自己発振については、かつて実験していたRF-NFBの帰還回路のバイパスCを戻していないのでそれが原因かも知れない。
ちなみに自己発振はドライブVCや出力VCにより発振レベルと周波数が変る。運用は自己発振出力が上がらない位置にチューニングをずらし、目的周波数を生かすような形で行った。
また発生しているのは今のところ3.5MHzと7MHzバンドのみ。このような現象は製作段階から記憶がないので、ひょっとしたら別の理由かも知れないが・・・。(1012.01.23)

参考にさせて頂いたSSBハンドブックが引越し荷物に入ったままで直ぐ出てこない。
それで急きょネット上を探し1969年12月発行の初版を入手。
以下は同書からコピーさせて頂いたJA1ALX田村OM執筆記事の回路図。実際には手が入っている。電源部の電源オンオフは、本体のAF-GAINのスイッチでACリレーを制御する様今回改修した(後述)。
これで現物を確認しながらおぼろげだった回路がはっきりと見えるようになった。ところが実際には相当数のオリジナル回路が組み込まれており、やはり現物を追うしかない部分が多い。
何処かに回路図を始め克明に記録した製作ノートが有る筈なのに見当たらない。回路図はクリックすると拡大表示できます。(2012.01.28)




自己発振の原因を探る。当然だが、ドライバの6CL6や終段の6146x2のSG電圧をSWでカットすると発振はなくなる。
ひょっとしたら中和の大幅ずれ?と考え、発振中に6146x2の中和TCを金属ドライバでショートして発振周波数の変化を見ようとした。
オリジナル回路は中和TCをプレートCHから取り出しているので高圧が掛かりこの芸当は出来ないが、拙作品はプレートのDCブロッキングCの後ろから取っているので大丈夫。
しかしその瞬間パチッと僅かな火花・・・ブロッキングCのチャージ?・・・そうか手を抜いてDC接地用のRFCをケチっていたのを思い出した。
しかしその後の様子が変、自己発振しなくなっているではないか。ただIcの流れ方が少ない・・・これは自己発振の陰で見えなかっただけかも知れない。やや状況が変わってきたぞ。(2012.01.31)
ところで6146は、Ep=800V程度のAB1動作の場合Ipが如何程だったか・・・忘れてしまった。2本で60mA程度にBIASをセット。VFOのRIT制御がリレー接点が悪いのか数百Hz飛ぶ現象がある。面倒なのでUSB-DDSを取り出して外部VFOに仕立てる。
これで3.571MHzでオンエア。JA1DWM、JN4UCA、JA2BNVとQSO。今回は自己発振は無いのでそれぞれから良好なリポートを貰う。(2012.02.02)
出力が延びない件で調査。ドライブ同調回路のコールドエンドを接地するC/500PF(オリジナル回路C50)が容量抜けして50PF程度しかない。元々中和回路を構成するCだが、同調回路のコールドエンドをRF的にしっかり接地しないと6146x2を十分にドライブできない。
この処理によりCWで120W程度まで伸びるようになり、本件は落着だ。
日が変った深夜、JA2LWOと40分程のラグチュウ・・・話が手前味噌の自慢話になって行く。
ところで本日、ドライバー6CL6のカソードに付加していた昔のNFB実験回路やスタンドオフ端子等の不用品を撤去。NFB実験ではRkを300Ωへ変更していたがオリジナルの150Ωに戻した。
この作業の最中に切り落とした150Ωのリード線が1stRF(6BZ6)のプレートを地落させ、プレートRFCを飛ばしてしまった。これにより受信不良と送信ドライブ不良に陥る。当初何が起こったか全く分らずトホホ状態だったが、6BZ6のプレートへ電圧が掛かっていない事で原因が判明。
気を付けて作業しないと余計な仕事を作ってしまう典型だった。写真は送信の2ndMixとドライバー、受信のRFアンプと1stMix、そして送受共用のXtal-OSC。このバンドSWを作るのに苦労した事を懐かしく思い出す。(2012.02.04)
朝テスト中急にIcが流れなくなった・・・何だろう?。オシロであたるとドライバ(6CL6)が増幅していない。Ep(235V)やEsg(68V)そしてEcg(Ek自己バイアス1.5V)は掛かっていている。色々と楽しませてくれるコイツは・・・。
それから3.5MHzあった自己発振は無くなっていたが、7MHzへバンドを変えると見事に発振する事が発覚。14MHzでもその傾向がある。RF管やドライバ管を外せば発振は止まる。これは別に基本的な所に問題が有りそうだ。 (2012.02.11)
ドライバ(6CL6)が増幅していない状況を解決させる。
だいたい電圧が掛かっていて増幅しないなんて可笑しい。それで本日深夜再び電圧を確認するととんでもない間違いをしていた。
Epは6CL6のプレートではなく、プレートRFCの電源側を測っていた。これじゃプレートRFCが飛んでいたらプレートに電圧が掛からない。これだと思い狭いところにある6CL6のプレートにテスター棒を当てると電圧が無い。やっぱり!と納得。プレートRFCが断線だった。
運用テスト中にこの現象に陥ったので、その原因は特定できない。以前あったRF増幅RFC断は、金属屑がRF増幅管のプレートを接地してしまったものだったが、今回はそのような状況に無い。
RFCを交換して無事復旧。
ところでEsgが68Vって低いよなぁと実は思っていたが、RFCの復活でプレートにEpが掛かるとEsg=142Vまで上昇した。
写真はRF増幅(6BA6)とドライバー(6CL6)前後の様子。一番右のRFCが6CL6のプレートRFC。
真夜中に復活させ3.5MHzをワッチするとUA局がCQ_TESTと連打。呼んでやろうと思ったらコンテストナンバーが分らないので断念。しかし・・−−‥とやると・・−−‥と帰って来るので届いている。(2012.02.19)

CWモニターの不良を復旧させる。CWの発生はKWM-2と同様に1.5KHzのAFトーンをキーイングしリング変調器へ放り込んでいる。キーイングは、MICアンプ12AU7の2段増幅後段のグリッドを、RF部と同一バイアスで行っている。12AU7後段の出力はカソードフォロア経由でリング変調器へ本線として導かれる一方、12AU7プレートから抵抗結合で受信AFアンプ(6BM8)初段のプレートへモニターとして導かれる。SSB時は抵抗結合を遮断(接地)し回路を殺している。またモニター音量を調整できる様に途中にVRを挿入している。
状況は・・・VOX(BKin)動作は正常なので1.5KHzトーンは正常にキーイングされている。オシロスコープで12AU7マイクアンプの後段を当たると正常。ところが6BM8側を当たると信号が来ていない。VRも同様だ。1MΩの抵抗を用意してワニ口リードで結合抵抗へ並列につなぐとOK。これかぁ。抵抗結合の2MΩがオープンだ。かなり密集した実装のため、2MΩに並列に半田付けして難を逃れた。ちなみに抵抗値はモニター音量の関係で390KΩとした。写真中央にその状況が見える。それにしても密集している。スタンドオフ端子を多用に配線の苦労が伺える。
昨日朝JF1GHJとラグチュウ。本プロジェクトをご存知で自作やツートン談議に華が咲いた。本日はJA1OWPと久々のQSO。自作トランシーバによるオンエアは楽しい。(2012.02.26)

先日JA1OWPと交信した際、Humを感じるとリポートがあった。マイクレベルで誘導を拾っているものと考えていたが出力波形を見てビックリ。こりゃ電源リップルだ。写真はその様子でCW出力を見ている。MIC-GAINでAFキャリア(1.5KHz)を増減し様子をみる。当然出力レベルが変るが、あるレベル以上になるとリップルが激減する。可笑しい・・・MIC-GAINアップにより何処かが飽和領域に達し、リップルが表現できなくなっているのではと推測。調べるとなんてことはない、BIAS電源のケミコンが破裂し容量不足になっていた。電源HumがグリッドBIASを揺すっていたのだ。実は何時からか忘れたが、6146BのBIAS電流が絞れ切れない(2本で最小60mA程度)状態が続いていた。その原因を探るまでもなく、今回のHum騒ぎでそれが判明。
またJF1GHJとのQSOで話題になったツートーンをこの状態で撮影したのが下。ややHumを感じるがまぁまぁの波形ではなかろうか。






余談…このトランシーバを製作した時の測定器環境を思い出した。よくこんな物でと我ながら感心する。
手元にあった測定器と言えば日置のテスター(THL-33D)。これは高校の実習で製作したKit。
そしてTRIOのグリッドディップメータ(DM-6)。これはアルバイトして稼いだお金で岩崎ラジオで買ったもの。ニュービスタ6CW4による真空管式。
そして自作のダブルスーパー受信機。
オシロスコープやSGなどあるはずが無く、これらは受信機やディップメーターが代替になっていた。
この不便さが、物作りの過程で多くの評価方法や測定方法など「工夫」をもたらしてくれる要因になっていた。
現在の様にPCやソフトプログラムを中心の時代に生まれていたら、こんな物作りはしていなかっただろうと苦笑する。(2012.03.04)

3.5MHzでQSO数が着実に増加している。今朝はJA1JRKと自作談議、夜はJE4KXAとアンプ談議。そしてお馴染みのJA2BNV・JA2LWOとラウンドQSO。低域がもう少し欲しいとかマイクを変えたらとかと、色々リクエストが多い。
そろそろ5T31/450THアンプをつないでやろうと取り出してきたのが写真。AC200Vコンセントが届かないため、本日のテストは見送りとなった。延長ケーブルがあれば直ぐにでもオンエアテストできるのだが・・・。(2012.03.11)
5T31/450THアンプをセットアップ。真夜中にオール自作によるKWテスト運用が実現。JA2BNV・JA1TWPとQSO。VFOはPC制御のDDSを使用している。Ep=4KVのため伸びがグッドだとはJA1TWP・・・本当だろうか。(2012.03.15)
その後JA2LWO・JN4UCA・JA9FS・JF1GHJと交信。下はその様子。アンプはトランシーバと高さを合わせるために無理やり工具箱の上に置いた。スピーカーはLuxKitのA704。(2012.03.16)



電源開閉をリレーのリモート方式に変更。なおこれは、復活ではなく改修。
電源SWは本体のAF-VR付属のSWで直接行っている。即ちVR絞り切で電源がオフする。
しかしオン時は大電流が電源と本体間のケーブルを往復する。そしてこのルートから発生する電磁界による悪影響も否定できない。
そこで主電源の開閉はAC100Vパワーリレーを電源に組み込んで行い、リレーのオンオフ制御を今までのAF-VRで行う事にした。
写真はパワーリレーを組み込んだ電源部シャシ内部。リレーは専用アダプタプレートを絶縁スペーサーで浮かせ、側面にビス止めしている。の左側のトランスはBias電源用(100V:115V)。基板はブリッジ整流回路。
この電源もTVジャンクの利用が目立つ。(2012.03.18)


背面パネルにレタリングを施す。写真は電源コネクタ周辺の様子。中々のルックスと自己満足・・・写真左。
24時過ぎにJA1UHYとラグチュウ。その際キャリア漏れがある旨のリポートを頂戴。当初リング変調器の4つのダイオードの内の1つが断のため交換し復旧させたが、キャリアバランス調整用TCの位置が一番入っても不足だった。Ipが振れる程のレベルではなかったので「まぁ良いか」としていたが流石である。再びシャシをひっくり返し最良点を求めた。TCへ60PF程度のスチコンを並列につなぎ好結果を得た。中央の縦型が追加したスチコン・・・写真下。(2012.03.19)



久し振りに3.5MHzでJA2BNV/JA2LWO/JN4UCAとラグチュウ。(2012.04.20)
電源部を八重洲無線SP-901へ収める。製作当時から剥き出し電源を何とかしようと思っていたがずっとそのままだった。当時はSP-101がカッコイイと思っていた。ネット上でSP-101を探しても単品では中々出て来ない。
富山のTMTさんへ問い合わせたがレストア済みの物しかなかった。逆にレストア前のSP-400を案内されたが、ちょっと趣味じゃなためお断りした。
それではとSP-901を探すとこれが意外とヒット。金沢の中古無線機本舗さんで適当な物を見つけゲット。
本日到着し、早々に電源部を放り込んでみた。写真の如くおあつらえ向きでスッポリ収まった。未だビス止めはしてないが、ケースの底にあるバカ穴を使って固定する予定だ。
写真は自作トランシーバの上で、撮影用に後ろ向きに置かれた電源部内蔵のSP-901。Toshibaの白黒TV用トランスTBW-913Bが印象的だ。
40年振りに願いが叶ったと言う訳で、今夜はささやかに祝杯だ。
話は違うがこのSP-901、GU-74Bを組み込んだFL-2100Zの外部電源ケースに使える。この中にFL-2100Zのトランスを2個放り込み、本体のトランスと3パラ駆動すれば安定な1KWアンプになるぞ。(2012.04.24)

横に並べるスペースが無いので、トランシーバの上に電源部の入ったSP-901を乗せてみた。
高さは160mmで、トランシーバの165mmに比べやや低い。
そのうち屋根裏シャックで横に並べて、少年時代に思いを馳せる予定だ。
右奥に懐かしいOSCAR BLOCKのSWR-200。その前にUSB-DDS用のロータリーエンコーダが見える。
背後にKWM-2が見えるがここではお呼びじゃない感強しだ。(2012.04.25)
電源部ACコードとゴムブッシングを交換する。ACコードは1970年頃倒産した東海無線から流れてきたJUNKのACプラグ付コードだった。既に40年余を経過し革質化を感じ汚れもあるため、思い切ってキャプタイアのACプラグ付コードに交換。
またゴムブッシングの劣化も著しいため併せて交換。キャプタイアコードになったためサイズが大きくなり、シャシ穴もリーマで拡大。(2012.04.29)

出力タンクコイルをステアタイトの物(FT-101Z用、ネットオークションで福岡ハムセンターより購入)に交換。今まではエアダックスコイル(301016)を3.5〜28MHzで使っていたが、3.5MHz〜21MHzをステアタイト、28MHzを空芯の2本立てとなった。
プレート負荷ZはFT-101Zが6146Bx2なのでベリーグッドだった。3.5MHzと7MHzで同調点の確認を行った。301016の線材は1mmだったが、実装したコイルはどう見ても0.8mm程度。初期の100W級トランシーバ(TS-510やFT-400)では見られなかった細さに驚いているが動作は問題ない。ローコストを狙ったのか、オーバースペックを是正したのか・・・多分後者か。
作業は気分転換に庭先で店開きして行った。明るくて作業がしやすい。愛犬Hanaが遠くでけげんそうな顔をしてこちらを見ている。PCはネット上のFT-101Z情報取得用。(12.04.29)



屋根裏シャックからのオンエアを果たす。 屋根裏シャックへトランシーバ・電源部・5T31/450THリニアアンプ・PC類を持ち込む。親父が婿入りの時に持ってきた机に並べる。昭和45年頃のシャックの再現だ。メインのシャックからは同軸SWの切替で屋根裏までアンテナが届く様に8D-2Vと5D-2Vをつないぐ。ただ昔と違うのはPCやロータリーエンコーダなどの情報機器。夜になり22時13分、JF1GHJとベアフットで交信に成功。自己満足のささやかな興奮に浸っている。
写真はそのラインナップ。トランシーバの上の四角い箱は自作AMストレートラジオ。電源部をSP-910に入れたのは正解だった。ノートPCはHamLogとUSB-DDSで、ダイアルノブがUSBでつながっている。(2005.05.01)

今年の8月25日、ハムフェアで上京した折、秋葉原へ赴きDC100V(OMRON/MY-4)リレーを2個購入。
中々交換する機会が無かったが本日スタンバイ用リレーのDC100Vの物2個を交換。
RIT回路の接触が改善され、復活当初確認されていた周波数飛びが改善される。
JN4UCAとJA2LWOと深夜3.5MHzで交信。
写真は交換して取り外したDC100V(MATSUSHITA製)リレー2個。この時代のリレーは筐体金属をソケットへ導く回路が構成されているが、新規投入品にはそれが無かった。(2012.11.24)