テフロンシートで作る円筒チムニー(Apr 1. 2011)
セラミック管アンプ製作で一番厄介なのは、ひょっとしたらチムニーの製作かも知れない。専用チムニーがベストだろうが、想像以上に高価でまた入手ルートも限られる。 ここでは安価に購入できるテフロンシートを利用した円筒型チムニーを紹介する。
テフロンシートは村上電業で1mm厚のモノを100mmx1000mmで切り売りしている。1mm厚以下もあるようだが、強度と加工性の両面を考えると1mm厚がベストと思われる。
これを半分の幅50mmに切り出し、ファン径である89mm(92mmx92mmスケールファンの場合)で丸める。テフロンシートは暫く丸め込んでおくと丸型に馴染み組み上げ易くなる。ホッチキス幅程度ののりしろを考慮した長さで切断し、接合面をステンレス製ホッチキスで留める。
円筒型の特徴は加工に特殊な道具やノウハウを必要としないところだろう。 チムニーは、ファンの構造や大きさ、そして風量・風圧により送風条件が変わり一体どのような構造がベストなのか迷う。
上記はファン穴サイズをそのままストレートに延長する構造を前提にしている。シロッコファン等で一定の圧力を掛けた空気をプレートフィンに導く構造とは一味違い、風洞の中にプレートフィンをかざす。スケールファンとチムニーで自然な上昇気流を作りそこにプレートフィンを置くイメージだ。

上は製作したチムニーのクローズアップ。チムニー上部にスプリングが掛り端に90度に折り曲げた卵ラグが付いている。右はGU-74Bを組み込み改修したFL-2100Bへ実装した様子。
GU-74Bのプレート径は71mm程度あるので、チムニーとプレートとのクリアランスは8mm程でやや広い。
固定は、上部4方に開けた1mm穴にスプリングを掛け、反対側は卵ラグでシャシ(ファン取り付けネジ)へ引っ張り込んだ。
チムニーは効果を高めるために排出穴ま延長したい。しかしテフロン材サイズや実プレート損失等を総合的に検討した結果、この高さで試している。
どうしても円錐筒型チムニーでなきゃとする向きには、円カッターにより切り出たテフロンで対応できる。この場合の固定はプレートに鉢巻きにしたガーター・スプリングで行うと便利。
数100Wのプレート損失を発生させ肌で出力箱排出口の温度を伺うと、円錐筒型は熱風が収束されて排出される感が強く「冷却効果の高さ」を感じさせる。しかし、実のところはプレート温度を測定してみないと分からない。



 関連情報・・・Yaesu FL-2100Z/Bのテストと改修