現状の電圧・電流値を把握
現状の電圧・電流値を測定したのが左表。商用AC電源の到着はトランスの1次側でAC201V。STBY(無負荷)時はEcg=-52.7VでEp=2400V/Ip=0mAで572Bはカットオフ。OPRE(送信)で無入力時には、Ecg=-2.7VでEp=2300V/Ip=90mAとなった。Ep/IpはFL-2100Zのメーター指示を読み、他はテスターで測定。
572Bのバイアス(Ecg)には興味を持っていたが-2.7Vだった。そしてこの時、電源側ではバイアス調整R4(30ΩVR)により約7Ωのブリーディングがリレー(RL2)で行なわれている。専用電源を設けなくても、陰極側(フィラメントトランスCT)にツェナーダイオードを挿入し、陰極リターン抵抗による自己バイアスで球をカットオフしても良いと思ったりするが早合点だろうか。こkれは八重洲無線さんのポリシーなのか・・・。
機構系の改修
不要部品の撤去、GU-74B実装のための環境作り(球方向の決定・ソケットの実装・冷却ファンの実装・流用部品の移動)。
追加回路(Esg・Ecg・ヒーター電源等)のスペース確保。
GU-74Bの配置は色々と悩む。大きくオードソックスに縦置きか、或いは意表をついた横置きか・・・。どちらにせよRF(電気)的な問題に併せ、冷却(機構)を考慮して総合的に決めなければいけない。入れ物が既にFL-2100Zと決まっているから制限が多い。またなるべく簡単に済ませようとする目論見もある。
@縦置き方式a
シャシ底から直に吹き上げる方法。高さ制限があるのでファン高・穴・ソケット台・チムニィ等の吟味が必須。ちなみに110CFMのDCファンSanAce92"9G0912G102"(92x92x38)が手元にある。この高さだとシャシ下にぎりぎり組み込める。シャシ上にソケット台(配線スペース)を持ってくるとプレートとシールド蓋とのクリアランスが保てなくなる。ファン高を25mmにすればシャシにソケット直付けでもシャシ内に配線スペースを確保出来る。
A縦置き方式b
内側のファン穴にGU-74Bを取り付ける。外側のファン穴下から上方向に送風し、特製ダクトでGU-74Bのプレートを底からあおる。シャシ底のスペースを有効利用できる。ソケットの取り付けは容易だが周辺のエア漏れ対策、RFCや補助C等の移動が必要。
B縦置き方式c
内側ファン穴にソケットをシャシ内に下ろしてGU-74Bを縦置き。外側ファン穴上から下方へ風を送り込む。シャシ内は特製ダクトでGU-74Bをソケットから噴き上げる。ファンは60mm角x76mm高の筒型SunAce60"9CR0612S00"を使うと、穴サイズは65mmなので取り付けも容易だ。ソケットがシャシ下にあると配線も飛躍的にやり易い。ファンの容積があるので問題はRFCと補助Cとの輻輳。
C横置き方式
入力バンドSW内側の572Bソケット穴(30mmΦ)を拡大(70〜80mm)しGU-74Bのソケットを取り付ける。これは相当な作業になり入力タンク回路などへの影響などリスクを伴う。送風は背面パネル外のファンでGU-74Bのソケット側からプレート方向へ横方向に排出する。プレート側で排気を上方向にガイドする必要があるが困難に近い。入力シールド箱のエア漏れ対策はかなりの面積になる。入力回路は最短で配線が行えるがプレートタンク回路への経路が延びると共にRFリターンルートも現状の機構は怪しい。プレートRFCの移動は伴うが補助C類の移動は不要。
・・・という事で、今現在は前者の「縦置き方式a」になる方向で作業が進んでいる。写真上は内側のファンを外し、プレートチョークを外側へ移動し、GU-74Bをソケット付きで外したファン位置に置いた状態。外側のPS&プレートキャップや572B固定金具も外している。プレートキャップは残念ながらGU-74Bにはやや小さく挿入困難、ホースクランプ等を流用する予定。(2010.12.01)
写真下は外側のファンとバイアス可変抵抗を取り外し、前述のDCファンSunAce92(38mm高・110CFM)とEsg用トランス(100V:250V)を置いてみた様子。
トランス高(44mm)はほぼシャシ高を満たしている。ファン高は38mmでも約3mmのクリアランスがある。
ソケットはシャシ上に配し、配線用スペースもシャシ上で確保する必要がありそうだ。ソケットフランジ〜端子間は約12mmあり、配線クリアランスを前述の3mmとシャシ厚1.5mmで考慮すると、プレート側のクリアランスは3mm程度しか確保できない。ウーンこりゃ辛い、少なくとも10mmは欲しい。あとは風量を50CFM程度で我慢して25mm高ファンを使い、ソケットはシャシ直付け、そしてファン位置を下げれば問題は解決するが・・・悩ましい。(2010.12.02)
・・・色々と検討したがFL-2100Zの高さ制限(シャシ上=102mm、シャシ下=42.5mm)が、改修の自由度を奪っている。その中で過去の経験を元に以下の形でGU-74Bを組み込む事とした。
@GU-74Bは「縦置き方式a」とする。
Aソケットはシャシ上へ直付けとする。
Bファンは25mm高で75CFM級(SunAce92/80)を使う。
Cファンはケースギリギリまで下げ、配線スペースを確保する。
D穴は90mmΦで開けソケット支持部を4角に残す。
写真左はメインイベント、GU-74B用ソケットの穴開け(90mmΦ)。ソケット支持部分は残し、小穴(3mm)を数多く開けて打ち抜く。
鉄1.5mm厚はさすがにハンドドリルでは辛く電気ドリルを使った。周辺には電子回路が存在するので作業には細心の注意を払う。
ドリル歯は焼け易く金属屑も飛ぶので、CRC等を塗布しながらそれを抑える。仕上げはヤスリだ。これも鉄だとホトホト疲れる。まるで鋸の目立屋だ。
写真右は前述の用件にて作業を行ったFL-2100Z。もうオリジナルへ復旧させることはできない。
GU-74Bにネオプレンゴムのチムニーを被せてみた。RFCを1本分右へ、シャシ上面のロード補助Cは右側面へ移動。プレート回路に保護用R(セメント)とパスコン(青)を追加。バンドSWシャフトはポリロッドに変更。
写真左はGU-74Bとその周辺のクローズアップ。
RFCがオフセンターとなりプレートVCからの銅板が届かなくなるため、金属板をRFCとブロッキングC間にあてがった。
側面の右上のCはシャシ上から移動したもの。その左下2個とパラレルなのに、これだけどうしてシャシ上に取り付けたのか理解できない。
プレートキャップは572Bのモノを無理やり押し込んだが、友人のJA1IIV窪寺氏がこの騒ぎを嗅ぎつけ、お手持ちのキャップを送ってくれる事になった。
PSはオリジナルの一つをそのまま流用。GU-74Bの寄生発振は経験的にUHF帯に及ぶ事が多いので、L値の修正が必要かも知れない。発振が継続すると間違いなくバンドSWの接点を溶かす。Cg側にもPSを入れておくのが無難かも知れない。
GU-74Bをシャシ中央に配置したので、出力タンク回路からのリターンルートは自然になりイメージし易くなったと思う。
写真下は一部配線処理を行ったシャシ内部。高圧線のブッシングがファンと輻輳するので外側に穴を開け移動している。(2010.12.04)
JA1IIV窪寺氏からGU-74Bのプレートキャップが届いた。
Svetlanaの純正で型名AC-2。
写真左はそれを実装した様子。
オリジナルでは572Bのプレートキャップを銅製のリベット(3mm)で平編み導線(末端処理)を固定している。リベットを3mmのハンドドリルでえぐり取る。この様な細工をする場合ハンドドリルは本当に有効だ。
そして3mmのビスとナット(及びワッシャ&スプリングワッシャ)で締め付ける。
これで出力側の細工は取り合えず完了と思われる・・・多分、最近忘れ物が多いので。
ただ未だファンの固定穴を開けていないので、鉄のパンチ板の取り付けはそれ以降になる。(2010.12.06)
窪寺氏から引き続き皿ビスが届く。4mmで頭の小さなタイプで1.5mm厚でも皿部が突起しないとコメント。もとよりシャシ内高の関係1mmでも惜しくSK-1はシャシ上に乗せていたがドキッ!。実はチムニィと競合するから余りやりたく無かったが、チムニィに軟材を使えばまぁ良いか程度に考えていた。
そこで皿ビス好きに火が着く。SK-1のビスを外し知恵の輪の如く、配線したままシャシ上からシャシ下へ移す。高さが微妙に不足したが、ファンを乗せる金属スペーサー(後述)のスプリングワッシャー厚で解決。
これで綺麗に収まるかと思ったらファンサイズの問題が発覚。80mm角だとSK-1の金具にぶつかる。ここであっさりと92mm角と決まり、早々にSK-1の外側4ヵ所に3mmタップを立てた。写真は15mm金属スペーサーをねじ込み、そこへ92mm角ファン(PAPST3412)を仮止めした様子。
ファン右下にある入力リレー(2回路2接点)の1回路は配線ポストに使われていたが、これを開放し1回路を使えるようにした。この1回路はスタンバイ用に使う事になる。ファン左は入力π回路箱から移動したグリッド回路のRFC/R/Cとラグ板。
黒同軸はカソード駆動するが、π回路側はRCA処理し回路を分断出来る様にした。EsgトランスとバイアスVRは入力π回路箱、Esg基板・ファン電源はファン上…オンディレイRyは?…色々イメージしている。(2010.10.08)
浜松のバネ専門会社サミニ(株)から取り寄せたガーター・スプリングTG0602(詳細はCOFFEE BREAK6)をGU-74Bにかけチムニィを抑えた。この目的に過去ホースクランプを多用していたが、この方法は最も適した手法だと思っている。
TG0602はスプリング径が3mmありチムニィを押さえ込むのに好都合。写真は取り付けた様子。
なおSUNON社のACファンMA1092-HVLも届き実装。オフディレイ動作には200Vラインを使うので、直列に1.8μF/250V程度のノンポラコンデンサを入れ動作電圧を115V前後に調整する。下は実装したMA1902-HVL。(2011.01.10)
電気系の改修
GU-74Bの動作点決定(Ep≒2200V〜300V間スイング)。
入出力Z変換比の適正確認…とりあえず入力π回路をそのまま使用。π回路のC比率から見て1:2程度、出力π回路もそのまま使用。
不用部品の撤去、Ecg電源・Esg電源・ヒーター電源・スタンバイ回路の追加。
Esg(スクリーングリッド)電源・Reg・・・100V:240Vトランス(PT2/ノグチトランス2PMAT-15K)出力をブリッジ整流後、左図の様にPower-MOS-FETとツェナーダイオードによる安定化と過負荷(短絡)制御を行う。
そして出力にPhoto-SSRを挿入しスタンバイコントロール(出力ON/OFF)する。
Ecg≒-50VでGU-74Bをカットオフ出来るEcg値は要調査だが、0Vまで落とす必要は無いと思われる。R4を挿入しSSRに掛る電圧を調整することにする。(2010.11.19)
ヒーター電源・・・PT1の巻き線電圧は572B用の6.5Vしかない(電流容量は4Ax2=8A・・・50.4W以上思われる)。これからGU-74B用の12.6Vを生成する必要がある。
インバータ等が考えられるが、最も簡単に両波倍電圧整流でこれを問題をしのぐことにする。傍熱管なのにバイファイラ巻きのフィラメントチョークをそのまま流用するが、プレート電流分が片側に多めに流れる。このためフィラメントチョークのコア材がDC的に磁化され美しくないが無視する。
なお整流出力は12.6Vを超えると思われ、直列抵抗の挿入による電圧調整が必要になると思われる。(2010.11.19)
ところがここで方針変更。基本に返ると余り余計な回路は追加したくない。試しにリレー&バイアス電源用13V巻き線から40cm長のワニ口リードでGU-74Bのヒーターを灯してみた。
この系統の主な負荷は、電源パイロットランプ(常時)、OPERパイロットランプ(送信時)、リレー3個(送信時)、バイアスVR(送信時)である。
送信時にどれ位にヒーター到着電圧が低下するのか測定すると、12.74V→12.61Vであった。
ちなみに13V巻き線のDC抵抗は0.4Ω。ヒーターを灯した事による銅損は12.61Vx3.6A(定格値)=3.5W。まぁこれならヒーター巻き線とし使用しても問題はなさそうと判断。
空いた6.5V巻き線を13V巻き線に加算させ、Ecg電源の電圧を上げカットオフ電圧を稼ぐ手もある。しかしそうするとリレー用電源電圧も連動して上昇するのでここでは控える(後で気が変わるかも知れないが・・・)。回路図を修正。(2010.12.05)
Ecg(コントロールグリッド)電源・・・PT1の13V巻き線の負3倍圧整流をLM317HVでRegして≒50Vを得る。これはPB1903基板上で行う。
本来なら-100V以上あって、球のカットオフバイアスも兼ねられるのがベストなのだが、現状のバイアス電源環境環境を流用するには電圧が乏しい。
ちなみにEp=2.5KVでEsg=300Vの条件でカットオフのためのEcgを探ると、-90V以下までダラダラ伸びている事が分かる。
ま、待てよ。使い慣れたLM317HVはプラス電源専用で、出力のプラス側を接地してマイナス電源を得るには、入力ソース側の接地から浮いている必要があるがそうならない。マイナス電源RegのLM337HV使う必要が出てきた。(2010.11.19)
572B用バイアス電源整流平滑用の56Ω2本(R301/R302)と330μF/10WV(C305)をPB-1903ボードから撤去。この状態でバイアス電源出力は無負荷で-54V程度を示し、送信状態で-45Vを得ようとするとBIAS-VRを含む負荷は2.5K程度となった。これは一定量の負荷なのに中々良い数字。ひょっとしたら手を抜いてReg無しでも行けるかも知れないと、危ない期待を持ちだしている。
事のついでに、6.5Vの巻き線を遊ばせておくのは勿体ないので13V巻き線に加算したらと、試しにワニ口リード線でつなぎボードに13+6.5=19.5Vを放り込んでみた。すると負荷オープンで-83Vが出てきた。ひょっとしたらGU-74Bをカットオフに出来るかも知れない。それが可能ならEsgのスタンバイ回路は不要になる。ただ12Vリレー(RL1/RL2)には実測すると17〜18Vが印加、長時間使用はちと辛い。5Vリレー(RL301)もこの数字から換算すると7.5V程度が印加されている模様。電源ケミコンもWVオーバーだ。ただリレー電源は直列抵抗値の増加で解決する。ケミコンは63WVなので要交換だ。パイロットランプは13V巻き線そのままなので問題ない。さてどうなるか…。
なおGNDネジをシャシ背面右端へ移動(5mm穴開け)。GNDネジ穴を拡大(9mm)しVR(10K/B)を設置し一部配線を実施。(2010.12.12)
後述の10.12.19に記した通り、非安定Egc電源でも一定の動作を示している。ただドライブ電力によりEcg-Bias電圧が微妙に変動し、50Wまで増加するとその途中に最低となるポイントがある。もとよりEcg電源にはZがあるので当然と言えば当然だが、これはIcgの流れ方に起因していると思われる。
さて非安定でも問題はないし、能動素子が無い分むしろ信頼性は高いかもしれない。しかし余り芸がないので負電圧の3端子Regを組み込むと共に、外部から出力電圧制御を行い安定化と新しい形のスタンバイ制御に挑戦してみる。
左図は書きなおしたEcg電源。LM337HVを使いたいところだが手持ちにはLM337Tしかなかった。この違いで入出力間の許容電圧が47Vから37Vになってしまうが、80V程度の入力を50V程度で使うので「まぁ良いか」としている。出力電圧はR1とR2の比率と係数で決まる…Vo≒-1.25(1+R2/R1)。R2は入力を最大限出力する値にしておき、送信時はR2にR3+VRを並列にしBiasを決定する。Rはアブソーバとして数10Ωを入れておくと良い。RL301(RL3)はPB-1903ボード上に乗っている。LM337とR1/R2も同ボード上の空きスペースに組み込む。ダイオードはLM337の保護用。このやり方は中々気が利いていると思うがどうだろう…自己満足か?。総合回路図は変更済み。(2010.12.21)
実際の作業はPB-1903基板のパターンカットが3ヶ所必要。R1は120ΩをLM337Tに巻きつけ、R2は取り外した220kを流用する。それらを撤去した1倍負電圧関係部品(C/R/D)跡を利用して取り付け、プリント面に配線を追加する。
写真はLM337を実装したPB1093基板。120Ωを巻きつけたLM337が左下に見える。(2010.12.26)
オフディレイ電源・・・ファンを電源SWを切った後もGU-74B周辺が一定の温度に下がるまで回し続けるための回路が要る。
当初はACラインからサーモSW(GU-74B上部箱天板取り付け)経由でファンを回そうと思っていたが、良く考えたら球が温まってもファンで吹き上げてあげないと熱が伝わらない。自然の上昇気流だけでは動き出すまで時間が掛かり過ぎダメなのだ。
電源SWは2回路は並列にしているので、分離して1回路をファン用にしてサーモSWと並列にしてやれば良い。
電源が200Vなら電流が100Vの半分だからそれが可能。しかしオリジナルを突きたくない気持ちがあり、その電源SWの代わりを考える。
商用AC回路を開閉するので片側接地のDC回路とは電気的に絶縁されている必要がある。そこで登場するのがフォトトライアックを使ったSSR(SolidStateRelay)。
ここでは過去に使用実績のある秋月電子のSSR-Kit(100V用)を利用した。そして制御のための電源はRL1に印加されているリレー電源を使う。
写真は終段ボックスのパンチ鉄天板内側に取り付けたサーモスイッチ。40℃以上オン型だが、制御温度を表す数字の4がパンチ穴から顔を出している。鉄パンチ板もGU-74BもサーモSWも良い金属色をしている。(2010.12.23)
秋月のSSRを実装した。場所は撤去したRL2の跡地。固定用のセルフタップに3mmのタップを立てる。そして5mm高の金属スペーサーをねじ込み、そこへSSR基板をビス留めする。
上述の様にSSRを使わないで電源SWの1回路を分離して使う方法もある。ただSWの電流容量が半分になるので200V受電専用となる。100V受電へ変更する場合は配線変更が必要になり面倒。冗長系の残るSSRよりシンプルな電源SWの1回路を使用する方法をお勧めしたいが、運用性を考慮するとSSRに分がありそうだ。
SSRなど面倒だとする向きには電源ONを検知するリレーでOKで、AC検知でもDC検知でもかまわない。てことは何もSSRなど使わずに最初からリレーでイイジャンとなり苦笑する。結論はお好きな様に!となる。
実はこの行を書いていると、最初からあったRL2をファン制御に使っても良かったかなぁと弱気になってきた。
写真は追加したSSR・Esg電源基板・ACファン(暫定)・Bias調整VR、そしてオリジナルのRL1との位置関係を示している。
オリジナルの配線に比べ非常にすっきりしている・・・とは自己満足か?。(2010.12.26)
リレーの使途を今後の改修方向も含めて整理してみた。ミソはRL2の廃止。元々RF入力切替えに1回路使い、もう1回路は配線ポストになっていた。前者は1回路開いているRL1へ移し、後者は別途配線処理する。入出力を同じリレーで行う事への議論(発振など)がありそうだが、利得10数dBの低Z回路であり、50MHzでの経験もあり問題ないと見ている。RL3はGU-74Bのカットオフ制御(Ecg又はEsg制御)。(2010.12.14)
13V巻き線に6.5V巻き線を加算して整流平滑すると、Ecg電源として-83Vを得られたことを上述した。
この電圧で、Ep=2.4KVかつEsg=300Vの時、果たしてGU-74Bをカットオフ出来るかどうか調べた。
ロシアのWebサイトTubes.ruの資料にはEp(Va)=2KVでEsg=300V/250Vのグラフデータがある。Esg=250Vでは-55V、300Vの場合は-60V程度でカットオフに至っている様に読み取れる。Esg=300VでFL-2100Zの無負荷Ep=2.4KVに上昇した場合、Esgに変動がなければ-83Vあれば十分カットオフ出来るだろうと考えている。
スタンバイ方法については紆余曲折の感があるが、このデータを眺めているとその方向(C案)へ進みそうな雰囲気だ。(2010.12.15)
2010年12月16日朝のシャシ内スナップ。上述のC案で作業が進行中。
PT1をまたぐ水色線は6.5V巻き線を13V巻き線に加算するルート。パイロットランプは13Vから取るので整流平滑基板の入口で加算。
整流平滑基板上のケミコンの一部WVが不足するが、目をつむって破裂するまで我慢する・・・冗談、多分大丈夫だと思う。
右の黄色線はT2のEsg巻き線出力で整流平滑基板の完成待ち。中央下に取り付けた10KB-VRが見える。ファンは電源不要のAC200Vファン(IKURA製N3951)を暫定的に取り付けたが、オフディレイ用サーモSWは未実装。
RL2の配線は、この段階でRFin切り替えのみ。配線ポストに使っていたもう1回路の配線は外して別処理したが、Ecg不足時に備えEsg用にスタンバイ。
EcgとEsgはとりあえず非安定回路で試してみる事にする。
オリジナリティを尊重して作業量を減らす努力をしてきたが随分と雰囲気が出てきた。これでEsg回路を組み込めば恐らく動作する…はず。
信号源(GU-74B)のアース点が明確になり安定な動作が望めるかも。ただプレートVCの接地が2ルート(フロントパネルシャシ、箱側面)で行われているので、統合して球近傍に接地する方が好ましい。ロード補助Cは同軸でロードVCから伸ばして箱側面接地のため同様。シャシ上に多くの異種電位を生んでいる様で気になって仕方ない。(2010.12.16)
簡易Esg電源を、AC250Vのブリッジ整流にC(22μx2)R(820)の平滑回路とブリーダーR(20K)で製作し、RL2経由でEsgを供給。これで電源投入しBIAS-VR(10KB)で適正な調整が出来るか様子確認した。VR-GND間のRは2.5Kだと最大で100mA程度だったので1Kに変更した。これでEsg=280VでIp=0〜200mAの調整が可能であることを確認した。またBIAS=100mA時はEcg=-48V程度となった。これはほぼ予想通りの数字だ。
またこの夜のEcg電源は無負荷で-78Vあったが、これでEsg印加状態でGU-74Bをカットオフできるか確認する。スタンバイ(受信)状態で恐る恐るEsg制御のRL2をワニ口でパスするとIp=0mAの状態には変化なし。カットオフしていると見て良さそうだ。
これらに気を良くしているとRFで駆動してみたくなった。信号源やダミーロードを用意し、7MHz/CWで15W程度放り込むと400Wを出力。全て予定通りと言ってしまえばそれまでだが、極めて良好に動作している。
写真は真夜中のテスト風景。仰向けで通電しているのが気になるが、短時間と言うことでご容赦願いたい。未だオンディレイやオフディレイ回路は実装していない。Birdパワー計の上に見えるのは平ラグに組んだEsg電源仮整流平滑、PT2(ノグチトランス2PMAT-15K)は入力箱に押し込んであるのが入力コネクタの後ろに見える。テスターEcgとEsgは常時監視。(2010.12.17)
Esg(300V)電源ボードを製作・実装した。手持ち部品に合わせて前述を定数変更している。パワーMOS-FET/2SK2847と300Vツェナー(1ZB300)、そして5Vツェナー(型名不明)で構成し、300V安定化出力と出力短絡時のカットオフを行う。この回路は良く出来ていて恐る恐る出力を短絡すると瞬時にカットオフしてFETを守る。
写真はファンの横に実装した様子。下は最終的な回路図。なおRsg(アブソーバ)=33Ωもこのボードに乗せている。
なお、これら作業に併せてRL2を撤去しRFin系統をRL1へ移設した。これによりファン周辺が随分とすっきりした。
この後の作業・・・高圧投入とEXTスタンバイ制御をタイマーリレーでオンディレイさせる。Ecg電源でタイマーリレーを駆動することにした。すなわちEcg電圧が確立しない限り高圧投入や外部スタンバイ制御が出来ない様にする。(2010.12.18)
動作確認から動作試験へ・・・はやる気持ちを抑えながら取り敢えず試運転