ゲルマニウム直線検波器の試作(Mar 22. 2010)

AMラジオのAF出力をFFTアナライザで周波数スペクトラム表示していると、ラジオの音って結構個性が強い事が分かってくる。そしてそれは主にラジオのIF帯域特性に起因している。IF回路が無く目的周波数を直接検波するストレートラジオは非常に帯域が広い。
そこで放送波がどの程度の変調周波数特性なのかを見るために、ゲルマニュームダイオードによる直線検波器を試作した。
ちょっと大げさに表現したが何てことは無い、ゲルマニュームラジオに毛が生えた程度のモノだ。  


@JOFG・・・大相撲中継(2010年3月22日17時33〜48分)

BJOPR・・・ディスクジョッキー(同17時15〜30分)


AJOFG・・・ディスクジョッキー(同18時10〜25分)

CJOFC・・・トークとテーマ音楽(2010年3月27日21時26〜41分)


ゲルマニウムダイオードによる検波器は、オーバーロードになると直ぐに検波波形の負側のスイングが伸びなくなり歪む。
したがってダイオードから見た負荷Zを無視できる程に高く設定するか、コイルのタップダウンを施し信号源Zを可能な限り低くする必要がある。
これらの措置はレベル不足を招く場合があるので、PCのサウンドカードの入力Zは高く設定し、またMic入力利得も吟味する。
ここではコイルタップをフルにしても無視できるだろう620KΩを経由させ、前後に10数PFのCを抱かせLPF処理させている。
ダイオードに直列に入れている0.01μは、サウンドカードからMic Bias電源がダイオードへ加わるのをカットするためのものである。
680KΩがあるから大丈夫だろうと考えて0.01μを取り外すとダイオードにバイアスが加わり検波出力が低下する。
アンテナの現状は、1.8MHzバンドに整合された40m長のウィンドムアンテナを同軸ケーブルで接続している。
46回巻かれたLのタップはコールドエンドから1回に満たない所に利得最大点があり驚く。同調回路の負荷Qは相当高い値を示していると思われる。チューニングノブを回した感触はスーパーラジオのそれに近い。
図は福井地区の3放送局(JOFG/JOPR/JOFC)の受信状況で3つのプログラムを15分間FFT蓄積サンプルした(JOFG:大相撲中継/ディスクジョッキー、JOPR:ディスクジョッキー、JOFC:トーク&テーマ音楽)もの。
放送局によりf特に特徴があり面白いが、プログラムが異なるので安易な比較は出来ないが、各局ともに高域は意識的なLPF処理がなされているようだ。また放送時間帯により隣接周波数からの混信も想定される。以上、あくまで参考である。
・・・しかし、一般のスーパーヘテロダインラジオでは得られないHi-Fi音である。