IC-PW1のInput2でエキサイタ・バンド情報に連動させる方法(Feb 10. 2009)
IcomのIC-PW1には2系統のInput切替(Input1⇔Input2)をIcom製エキサイタのバンド情報に連動させる機能がある。
オーナーの様に50MHzのリニアアンプをIC-PW1と外部アンプとに切替えて運用する場合に有効である(左図)。
例えば、エキサイタ(IC-756)のバンド情報(DATA出力)により、HF選択時はInput1(エキサイタANT1)を、50MHz選択時はInput2(エキサイタANT2)をIC-PW1で自動的に選択させる事が出来る。
ところが、初期設定(工場出荷時)はInput1のみエキサイタのバンド情報に連動するが、Input2は連動しない。Input2でも連動させたい場合はIC-PW1側の設定を変更する必要がある。
設定はIC-PW1のマニュアルにあるが、実はかなり分かり難いと思われるので以下にまとめてみた。
この機能を使うと、IC-PW1はInput1/2の状態に関係なくエキサイタのバンド情報に連動し、切替ミスが回避され安全運用につながる。
HF-50MHzシャック内系統の実例
図はオーナー(JH2CLV)のシャック内系統図。変更検査時に総通局に示したもので、高周波系・制御系・アース系の各系統を同一の図に書き出している。
赤色のラインが高周波系統、それ以外のラインは黒で使途を書き込んである。IC-PW1(50MHz)とGU-84B(50MHz)の切替は、前後に設けられた連動同軸SWで行う。IC-PW1のHFはInput1、50MHzはInput2で使用し、SendやALCは別々にエキサイタへ返しエキサイタ内部の混合回路に依存している。GU-84BのALCは自作のパワーコントローラで得たALC電圧をIC-PW1の2系のALC電圧とミックスしてエキサイタへ返している。ALCによるパワー調整はIC-PW1の1系がHF、同2系が50MHz、GU-84Bは50MHzとなり各系統で1KWにアジャストしている。
GND BARは各装置のアース端子を取りまとめ大地アース(経路約2m)に接続されている。BARは銅平角棒で当シャックの標準アース電位を保っている。PCやスチール机もここに接地している。CMFはTVIチェックで効果の無かった部分には入れていない。また電源(200V)周りではIC-PW1付属の大型フェライトビーズを2個挿入、余長はエンビパイプにソレノイド状に丸め込みCMFとしている。GU-84Bは内部にノーマル&コモン・ラインフィルタを実装、エキサイタはDC電源入力にCFMを挿入している。
制御系の配線はブラつかせないで最短にするか、巻き込むなどの対策を行い相互に不要結合が発生しないようにしている。
IC-PW1のInput1/2切替自動設定方法について補足
@IC-PW1のInput釦を押しながらPOWER釦を押し電源ON・・・Input1(LED)が点滅する(エキサイタは電源ONのままで良い)。
A任意バンドでエキサイタ・メインダイアルを回し、@のInput1(LED)を点滅から点灯させる。
B再びInput釦を押す・・・Input1(LED)は点灯したままInput2(LED)が点滅する。
C任意バンドでエキサイタ・メインダイアルを回し、BのInput2(LED)を点滅から点灯させる・・・この状態でInput1/2(LED)が両方点灯。
DIC-PW1の電源を再起動させる・・・Input2側でもエキサイタのバンド切替に連動する。
EIC-PW1背面のEXCITERスイッチは1&2とする・・・1のままだとエキサイタ(IC-756/ACC1運用)で送信から受信に戻れない現象が発生する。
以上により誤操作のリスクを軽減出来る。Icom製品のDATA出力からバンド情報を取得するとANT切替も連動出来、更に安全なシステムが実現する。
参考資料:1KW Application・・・1KW変更申請について