リーケージトランスの漏洩ブロックを撤去する(2011.10.16)
マグネトロンを使う工業用高周波電源や電子レンジ等の電源トランスには、過負荷を制限するためにリーケージトランスを使う例を良くみる。
写真左は2KW出力と謳われたマグネトロン2.46GHz帯高周波電源に使われていたトランス。巻き数比1:10で、1次に200Vを供給すると2次に2000Vを得ることが出来、アマチュア用真空管HPAには格好だ。
ところが実際に使うと500W程度を出力したところで電圧が降下し出力が伸びてこない。両波倍電圧整流で0.6A/DCを取り出すと電圧は2KVを割ってしまう。図体ばかりでかくて用を成さない…などと苦言も聞こえて来そうだ。
無理もない、元々コアに磁束をショートカットしてコイルとの磁気結合を制限する漏洩コアが打ち込んであるのだ。それを打ち抜く事で所期の目的を達する事が出来る。
写真左は細めの石ノミとハンマーを使いコアを打ち抜いている様子。コアはニスで固められているが、一度動き出せば容易に取り外すことが出来る。下は打ち抜いたコアがトランスの反対側に顔を出した様子。