<TOSSポータルサイト>  <TOSSまちづくり教育サイト>
(C)Two-Way/総合/小学校5年/国語/海雀



海雀(北原白秋


高山佳己(TOSS静岡/浜松ジャルダン/西部模擬授業サークル)
メールはこちら トップHP 

不確定要素をできるだけ排除し,大自然と人間の対比で詩の鑑賞を深める授業。
2004年8月14日の第3回伴一孝講座での伴一孝先生との同一教材模擬授業対決で行った模擬授業の発問・指示・説明を公開。


1 音読

  海雀   北原白秋

海雀、海雀、
銀の点点、海雀、  
波ゆりくればゆりあげて、
波ひきゆけばかげ失する、
海雀、海雀、
銀の点点、海雀。

指示1 「海雀」プリントを出しなさい。座って1回。次に立って1回読みます。読み終わったら座りなさい。 

2 「海雀、海雀、銀の点点、海雀、」の検討 

発問1 この詩の中で一番たくさん出てくる言葉は何ですか。 

・海雀です。

説明1 これが海雀。 

発問2 「銀の点点」とは何のことですか。 

・海雀のことです。

発問3 海雀は1羽だけですか。それとも複数いるのですか。 

・複数います。

発問4 どうしてそれが分かるのですか。 

・「点点」と書いてあるからです。

発問5 海雀は,話者の近くにいますか。遠くにいますか。 

・遠くです。

発問6 どうしてそれが分かるのですか。 

・「点点」と書いてあるからです。

3 「波ゆりくればゆりあげて、波ひきゆけばかげ失する、」の説明

説明2 漢字に直してみます。

波揺り来れば揺り上げて、
     波引き行けば影失する、

主語などを補ってみます。

波が揺り来れば海雀を揺り上げて、
     波が引き行けば海雀の影が失する、 

説明3 「波ゆりくればゆりあげて」
     上下する波のうねりに合わせて,海雀は波の頂上を上る。
    「波ひきゆけばかげ失する、」
     次の瞬間,波がぐっと下がり,波の向こう側に姿を消す。 

4 対比

指示2 海雀と対比されるのは波。海雀と波の対比のイメージをノートに書きなさい。 1つ書けたらもってらっしゃい。 

海雀
小さい
もてあそばれる

弱い
大きい
もてあそぶ

強い

「海雀のイメージをざっと読みます。」 ……
「波のイメージをざっと読みます。」 ……

発問7 海雀を人間とします。そうすると波は何を表していますか。 

※指名
・人生
・運命
・社会の荒波
・逆境

説明 北原白秋。海雀を書く3年前に白秋は恋愛事件を起こします。そして次のように書いています。
「私は独りになり,私の前後四方は真っ暗になった。私は幾度か海を渡って旅をした。
苦しかった。今思えば涙が垂れる。」
 
その後,神奈川県の三崎に住み,心をいやし,そこでつくった詩が「海雀」です。 

【参考文献】
o「日本の詩歌」(北原白秋 中央公論新社)
o「少年少女のための日本名詩選集 10 北原白秋」(萩原昌好編 あすなろ書房)
o「鳥630図鑑」(日本鳥類保護連盟)
o「教育トークライン no54・55」向山洋一
【参考HP】
1115171 「海雀」で辞書を引く 梶野 修次郎
1115155 海雀(全ての語の辞書引きによる) 脇規洋
1115169 海雀(1時間目)の指導 小野章子
115049 分析批評による海雀の授業、<発問・指示> 北村 善重
1115048 分析批評による海雀の授業 北村 善重
1115094 「海雀」を話者に見えるものから授業する 中谷康博
1115026 5年詩「海雀」 山川 亨

Copyright (C) 2004 TOSS All Rights Reserved.
TOSS(登録商標第4324345号)、インターネットランド(登録商標4468327号)
このサイト及びすべての登録コンテンツは著作権フリーではありません