2005年2月の日記

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2月28日(月) 紅茶はいいな

 スーパーで紅茶のティーバッグを買ってきました。安いですねえ、50パックが¥500以下というのもあったんですが、バジェットキングねも艦長は100パック¥500以下のものを購入。いちおう有名ブランドN東紅茶ですよん。

 インスタント・コーヒーとならんで、最も経済的な飲み物ではないかしらん。コーヒーは飲みすぎると胃に悪いし、苦味ゆえの“飽き”もあります。緑茶も好きなんですが、経済的とはいえないからなあ・・・。(苦笑)

 というわけで今や、ご飯を食べるときも紅茶です。もちろんノン・シュガーですよ。一服したいときは牛乳を入れて飲みます。あ、牛乳無くなっちゃった・・・また買い物に行かねば。


2月27日(日) ¥100スピーカー補足説明

 欠点もありますので追記しておきます。
 @パソコンによっては小さな音しか出せない場合があります。アンプを内蔵しているかどうか、必ず確認してからご使用ください。

 A低音は出ません。やはりパソコン内蔵のアンプでは限界があります。どちらかといえば、2ウェイ・スピーカーのトゥイーター向き。

 B底面(接地面)がお粗末なのも低音再生にマイナス。コルク製のコースターを下に置くと良いかもしれません。私の音響的な勘です。

 @については旧いパソコン(Win98)向きともいえます。最新(XP)パソコンほど、鳴らない傾向が強い。機種にもよりますが。

 良い点はやはり省エネ&省スペース。電源アダプターが要らないし。小さな音でもはっきり聴こえる、ということ。何しろいまどき秋葉原のパーツ店を覗いても、¥100で買えるスピーカーユニットなどありません。


2月26日(土) ¥100スピーカー大活躍

 火曜日の日記に書いたのはアクティブ・スピーカーの故障。ワゴンセール¥500の品ですが保証書が付いていたので、購入店へ持って行きます。セールは継続中なので、交換してくれるかな?と思ったら、「購入して2週間以内なら初期不良として交換しますが、今回は無償修理となります」とのこと。

 2週間くらいかかるかなぁ?また秋葉原へ寄るついでに、取りに行かなきゃいけないのか。たかが¥500されど¥500・・・私の頭脳はすでに¥100スピーカーの実験へとフライトしていたのでした。しかし先日の“キャン・ドゥ”は在庫切れ・・・今日は“ダイソー”へと出掛けます。

   

 本当はバスレフ・タイプのものが欲しかったのですが、いつ入荷するかするか分からないので、とりあえず密閉型を購入。“キャン・ドゥ”の商品とそっくりですが、実は同じものです。金文字がプリントされているのは余計ですね。しっかり印刷されているためアルコールでは消せませんでした。

 仕様は55ミリフルレンジでセンターキャップはアルミニウム。インピーダンス32Ωという微妙な値です。BCLラジオのイヤホン端子やAVアンプのヘッドホン端子に繋いでもあまり大きな音が出ないのに、パソコンのLINE OUTに繋ぐとそこそこ鳴る、というのはそのせいでしょう。(パソコンの機種によって違います。)

 これをステレオで使用するため、2本購入。秋葉原で購入したステレオ・ミニプラグ(¥100)に取り付けます。コードは4mありますが長すぎるので2mに切断。お世辞にも上等なケーブルとはいえないので、切り詰めた方が音質にもよろしい。切断面を見るとがっかりしますよ。

 絹糸のように細い撚り線が2本、1本はハダカで、もう1本はエナメルで赤く着色絶縁されています。どっちが±なのか判然としませんが、絶縁された方(赤)を+としないとプラグの中でショートしてしまいますよね?昔のラジオキットにあったバーアンテナ線と同じ種類のものです。

 被覆はそのまま、高温で半田付けすることで表面が融け、導通します。半田ごてを熱くしておき、一瞬が勝負です。本当はケーブルごと交換したいところですが、スピーカーボックスがハメ殺しになっているので諦めましょう。スピーカーのタイプによってはネジで外せるものもあるようですが。

 ステレオ・ミニプラグから2本のビニール線が枝分かれしているわけです。どちらが右?左?、実際に音を出して確認すればよし。(笑)アンプを介していないので、ミニラジカセ程度の音量ですが、室内で普通に聴くならこれでもじゅうぶん。クリアーで朗々と鳴ります。

 アンプ内蔵のアクティブ・スピーカーならかなり大きな音が出せますが、ボリウムを絞るとモソモソした音質になってしまうのは欠点でした。今回はボリウムを絞ってもクリアーです。お休みインターネットラジオとして、寝る前に小さな音で鳴らすのにはちょうど良いのです。


2月25日(金) レジストリのスナップショット

 旧いパソコンのデータをすべて新パソコンに移し替え、今日は送受信メールまで整理しました。プログラムも極限までアンインストールしたはずなのに、HDDの空き容量はちっとも増えない???

 懸命に調べたところ、これだ!見つかった。ConfigSafeのスナップショット(レジストリ)合計が2GB以上もあるじゃないの。いわゆる“調子が悪くなったときに、日付を遡って元に戻すための記録”です。

 こまめに撮っておいたのが裏目に出てました。2002年からのレジストリが残っています。こんなのもう使えないだろう、ということで、最近のスナップショットだけをいくつか残して残りを削除。

 HDD残量が600MBしかなかった(末期的)のに、いっきょに3GBまで増えました。全部で6GBだから、約半分のスペースが空いたわけで、これで思いっきり録音やダウンロードが可能です。

 Windows98は怖いな!というか、普通に使用していてもHDD容量が無くなっていくし、ディスククリーンアップやデフラグでは削除できないのだ。購入6年目にしてようやく知った事実というか、参った。


2月24日(木) お店はどんどん悪くなる

 ¥100ショップ“キャン・ドゥ”へ“テレビ用耳元スピーカー”を買いに行きました。無い!もう置かないのかな?しかし無い、ということは売れた、という印でもあるはず。しかし少し前からこの店はおかしい。CDやDVDの空ケースはCD-Rと同じコーナーになく、プラスチックケースのコーナーに置いてありました。

 どんどん新しいアルバイトが入れ替わって、雨傘のコーナーでは女の子が嬉しそうに、色とりどりの傘をグラデーションにして陳列しているけれど、『そんなにたくさんの本数は要らない!』スペースの半分に何か別の商品を置いた方が良いのです。大きなお店ではないのだから。

 レトルト食品のコーナーには、箱入りの商品(ハウスなど)が置かれているが、袋入りの商品(SBなど)が見当たらない。変だな?と思ってよく見ると、離れたコーナーに袋入りの商品だけをフックに吊るして並べています。しかも、箸を引っ掛けて取り出す横っちょの穴に通して・・・斜めで見づらく、重みに耐えられず破れそう。

 カップ麺の売り場は、上蓋部分を手前に向けて陳列してあります。見やすいと考えたのかもしれないけれど、気をつけて手に取らないと『ドミノ倒しのように崩れ落ちるぞ!』。他にも、コーヒーカップは取っ手部分をフックにかけて陳列してあるし『落ちたら割れるだろーが!』、この店はあほの集団かと思ってしまいました。

 あまりにも腹が立ったので、近くにいた店員に注意をうながし(私のような者が言うことじゃないんですが)、何も買わずに店を出ました。駅ビルの中にあるこの店はもちろんキャパシティも最高なのですが、こんなことやってたら客が遠のいて行きますよ!良いお店かそうでないかは、一歩足を踏み入れれば分かります。


2月23日(水) 早稲田松竹2本立て

 韓国映画2本立て『スキャンダル』『悪い男』を観てきました。“韓流ブーム”という言葉が流行ですが、マスコミは“観てもいない”のにテキトーなことを言わんでください。私が考えるに、韓国映画と韓国テレビドラマはずいぶん違います。韓国映画は暴力シーンがかなり激しい。性描写も露骨ではないものの、かなりキワドイです。

 それに対してテレビドラマはソフトなもの。未成年の目に触れることを考慮してあります。ドラマの作りも2時間に凝縮される映画と違い、ゆったりしてますね。今回紹介する2本『スキャンダル』はR-18、『悪い男』はR-15に指定されていますのでご注意を。※保護者の同伴が必要、ということ。

 『スキャンダル』(UNTOLD SCANDAL)ペ・ヨンジュン、イ・ミスク、チョン・ドヨン主演、イ・ジェヨン脚本&監督(2003年韓国/2時間4分)
公式ホームページ

 ピエール・ショデルロ・ド・ラクロ原作『危険な関係』はこれまで何度も映画化されているけれど、舞台を18世紀の朝鮮に置き換え、絢爛豪華な絵巻物とした作品。『クルーエル・インテンションズ』(1999年アメリカ)と似てるかな?と思ったらそういうことでした。もっとも本作の方がはるかに完成度が高く、味わいも深いです。

 『冬のソナタ』のペ・ヨンジュンが180度キャラクターを変え、冷血好色な領主を演じています。映画初主演ということですが実に見事!頭のいい人なんやな、と改めて感じた次第。異国情緒たっぷりで面白いですよ、時代考証には奇抜なアイディアも溢れています。最初は伝記上の人物かと思ってしまったくらい・・・。

 『悪い男』(BUD GUY)チョ・ジェヒョン、ソ・ウォン主演、キム・ギドク脚本&監督。(2001年韓国/1時間43分)
公式ホームページ

 清純な女子大生ソナに魅了された、ヤクザ者ハンギ。だが、彼女に激しく拒絶された(当たり前)男は、卑劣な罠を仕組んで彼女を娼婦へと転落させます。(これはもう『ナニワ金融道』の世界ですな)身を売って稼ぐソナと、マジックミラー越しにそれを見守るハンギ。ヤクザ(ヒモ)と娼婦、そのなりわいを幻想的に描いています。男と女は深い。

 不言実行、この悪い男は多くを語らない・・・理由は最後まで分からないのだけれど、究極の悪でありながら人間的な優しさを持っている?ヤクザに愛などあるのか?つくりものではない凄みがあります。一瞬でも“いい人”、なんて思ったらボコスコに殴られますのでご注意を。痛いです名作。


2月22日(火) アクティブ・スピーカー故障

 年末に購入したアクティブ・スピーカー(アンプ内蔵)が壊れてしまいました。パソコン用のやつです。ワゴンセール¥500(税込み)で買ったとはいえ、2ヶ月で壊れるかあ?(何てセコイんだ)左チャンネルの音が出なくなりました。ヘッドホン端子は問題ないので、100%接触不良でしょう。

 自分で直せるでしょう?いいえ、キャビネットがハメ殺しなので、壊さないと(割らないと)開けられないのです。実際に見ると分かるでしょうが、ゼッタイに開かないですよコレは。「直すために壊さなければならない」・・・ジレンマに陥ります。

 何と保証書が出てきました。日付がスタンプされています。プライスシールを貼った紙箱もありました。でも普通、ワゴンセール商品は返品・交換お断りじゃなかったっけ?ダメモトで明日、持って行くこととしましょう。

 実はこのアクティブ・スピーカー、パソコンに繋ぐとオーバーレベルで音が割れてしまうのです。仕方なくパソコン側で出力を絞っては見るものの使いずらい。ウォークマンには合っているんでしょうね。ここでひとつの発見!

 パソコンの音声出力は、機種によってマチマチです。@アンプで増幅してやらないとスピーカーを鳴らせないもの。Aアンプで増幅しなくとも小音量でスピーカーを鳴らせるもの。Bパソコン本体にアンプを内蔵していて、スピーカーを繋ぐだけで大音量で鳴らせるもの。この3種類があるみたいです。

 試しに¥100ショップ“キャン・ドゥ”で購入した“テレビ用耳元スピーカー”を繋いだら、大音量ではないけれど、かなり大きな音が鳴らせました。モノラルではありますが、これでもイケてしまうのか?とびっくり!

 それなら2個用意して、ステレオにしてしまえばいいじゃない?ムラムラと実験意欲が湧いてきます。¥210+ステレオプラグで事足りてしまう。なお、先に述べたようにパソコン出力との相性がありますので、必ず1度確認のこと。それに防磁型ではありません。ブラウン管モニターの場合は離してご使用ください。

 ※実験結果はまた後ほど、ご紹介させていただきます。


2月21日(月) 私、パソコン詳しくないんですけど

 以前、短期でアルバイトした会社の社長さんからお電話。3週間くらい前だったかな、パソコンがウィルスにやられたと話をしていたのは。要は、後にノートンをインストールしたけれど、駆除も隔離もできないウィルスがあって、シロウトではレジストリをいじれないということ。もちろん私だってシロウトですが。

 リカバリーしてしまうのが手っ取り早いんですが、そのディスクが届いたからやってくれないかな?というので出掛けます。「できなかったら、ごめんなさいよ!」と最初からお断りしての話です。しかし、ディスクはリカバリーCDではなく、XP上書きインストール用のCDでした。

 途中省略しますが、結局、通常の方法でインストール不可。サポセンに電話して、指示通りBIOSの操作を行うもやはりダメ。明日、出張修理の連絡待ちとなりました。役立たず・・・やるだけのことはやりましたよっ!その後は恒例の飲み会・・・どっちかというとこちらがメインなんですが。(笑)

 もっぱら私の役割は酒を酌み交わしながら、社長さんにクラシック音楽の教授を行うことでして、以前はお薦めCDを持参していたのですが、すっかりご無沙汰しておりました。今回のメインはもちろんIPラジオです。ISDN接続ではありますが、パソコンに必要な設定を組み込んでいきます。

 インターネットで音楽が聴けるなんて!と、社長さんは大喜び・・・ウケました。「中国の音楽とか聴きたいぞ〜」とか、一昔前だと短波放送でしか聴けなかった世界の放送が、こんなにハッキリ聴こえるのか、と。パソコンは直せなかったけれど、交通費とご寸志を頂いてしまいました。いいのか、オレ?


2月20日(日) ひたすら寝ます

 昨日から寝腐ってます。それでも雨が止んだようなので、新宿のタワーレコードでレコード芸術を購入。夕方は友人に会いに出掛けました。お久しぶりでございます。

 池袋で軽く飲み、帰りはそば屋でカツカレー、美味しゅうござんす。よく考えたら、朝からほとんど何も食べていなかったのでした。まだ扁桃腺が腫れているので、帰ったら寝ます。


2月19日(土) 扁桃腺腫れた

 うー、風邪ではないと思うのですが、扁桃腺腫れました。喉だけ痛い、唾飲み込むと引っかかりますねえ。肩凝りの後はコレか・・・疲れが溜まってしまったようです。

 夜は吉岡美穂さんのラジオを楽しみました。ヤングパーク延長戦、面白いなあ・・・。出演者全員が童心に返って、ワイワイやっている感じです。小雨の中で聴きました。BCLラジオ万歳!


2月18日(金) 『カンフー・ハッスル』

 お正月に貰った割引券で『カンフー・ハッスル』を観ました。使える映画館が限られているので、そういう選択になった・・・たぶんそうでもなければ、おバカ映画(誉め言葉)を避けて通ったかもしれません。上映最終日でした。

 『カンフー・ハッスル』(KUNG FU HUSTLE)チャウ・シンチー脚本・監督・主演、チャン・クォックワン、ホアン・シェンイー、ユン・ワー、ユン・チウ、ブルース・リャン出演。(2004年中国&アメリカ/1時間39分)
公式ホームページ

 『少林サッカー』も笑えたけれど、こちらの方が完成度は高い。大笑いの大満足。“笑いのカンフー”なんだけど、そば職人や洗濯屋、人足で働くおじさんたちが実はカンフーの達人で、皆が困ってるときに頑張ってくれる、というのは夢があっていいじゃない?そのすばやい動きにホレボレするよ。

 お伽噺になってしまうけれど、達人の前には常に挑戦者が現れる。そこで彼らは一般市民に紛れ、カンフーを使わず静かに暮らしていたのです。SFXもすごいけれど、役者さん全員がすご腕の持ち主なのだ。妙技に酔いしれましょう。こういうダサかっこいいの好きです。


2月17日(木) 肩凝り

 ここしばらく某所でアルバイトをしていたのですが、そこのデスクトップ・パソコンが故障しているため、やむなく旧いノート・パソコンを使用しておりました。しかし、作業場は散らかっているのですよ。足の踏み場も無いくらい。

 机の上は山積みにされた本と書類。荷物を掻き分けてパソコンのスペースを作り、書き物はノート・パソコンを閉じ、その上で行うような有様。机の下にはカラー・プリンターが置いてあって、足が延ばせません。

 縮こまるような姿勢を続けたために、背中と肩がパンパンに張ってしまいました。う〜辛いなあ・・・。明日は休みだ、羽根を伸ばしましょう。お風呂で身体を揉み解します。


2月16日(水) ぬこ

 とある画像投稿掲示板を見ていたら、“ぬこ特集”が組んでありました。“ぬこ”=ねこ のことですね。ミスタイプの語感が面白かったので、そのまま罷り通ってしまったというわけ。インターネット掲示板にはときどきこうした未知の生物が誕生します。

 その投稿数たるやものすごい数でした。う〜む〜、イヌだったらここまではいかないな。ネコは何を考えているのかよく分からない・・・そこが面白いのです。あと、見事に期待を裏切ってくれたりすることも。デスノバさんの“ネコマンガ”も楽しいですよね。

 期間限定公開、
猫の部屋をご覧ください。何年かに1度しか開きませんよ〜!
 ※編集後記 “ぬこ”は東北訛りで、ねこのことを指すのだそうです。


2月15日(火) 地震

 深夜にグラグラッときましたね。東京中心に震度3〜4くらいか、もう少し強ければ棚から物が落ちていたかもしれません。ちょうどその時間に起きていたのです。テレビの上にCDケースが積み上げてあったので、手で押さえていました。何?そんな物を積んでおくからいけないのか。

 CDケース、ただでさえ崩れやすいですもんね。そういえば、テレビで見た吉岡美穂さんのお部屋も、ミニコンポの上にうず高くCDケースが積み上げてありましたっけ・・・大丈夫かなあ?皆さんのお家はどうですか?このホームページを見ている方々ならやはり同じように・・・?


2月14日(月) トムとジェリー『魔法の指輪』

 ハンナ=バーベラのコンビが手がけた最後の“トムとジェリー”作品ということで観てみます。2002年のOVA?ジェームズ・T・ウォーカー監督、62分の長編です。“トムとジェリー”フリークの私としては、MGM以後の作品は没にしてしまいたいくらいなのですが、パッケージを見る限りキャラクターは忠実に再現されているかな?

 ワーナー・ブラザーズなのですね。MGMは昔の話。ベテランのアニメーターが描いているらしく、キャラクターは忠実なのですが、動きがイマイチ。CGで描かれた背景は立体感に乏しく、昔日の丹念に描かれた背景と比べたら情けないし、エキストラのいない無人の街は生活感がまるでない。

 いちおうキャラクターの動きにシンクロさせた音楽も、スコット・ブラッドリー(作曲家)のようなアイディアがなく物足りない。つまり、50年代の作品を意識してはいるけれど、到底およばないといったところか。製作スタッフのタイトルロールを見ると、動画はソウル(韓国)の下請け会社に作らせているようで。

 ドルーピー、スパイク、ブルおじさん親子、ごきげんなイトコ、ニブルス君も登場するけど、黒猫ブッチは似ても似つかないキャラクターでした。お願いです!売れるから、といって“トムとジェリー”の続編を作るのはやめましょう!ファンの目は肥えています。80年代に製作されたテレビシリーズなどは酷かった。

 特典としてチャック・ジョーンズ(ワーナー・ブラザーズ、バッグズ・バニーの製作で有名な)監督による『魔術師ネズミ』を収録。後者は日本公開時の最初のテレビシリーズに漏れたMGM作品。後にテレビ特番『おかしなおかしなトムとジェリー』のシリーズで公開されましたが、ハンナ=バーベラの『新トムとジェリー』シリーズとは別物。

 もうひとつの特典は名作『空飛ぶほうき』。残念ながらサウンドトラックの劣化が著しいなあ。トランス・グローバルがセリフなしの音楽に、八代駿、藤田淑子、谷幹一の声で吹き込んだ日本語版サウンドトラックの方が鮮度がいい。これはDVDの日本語音声とは異なるので、テレビ放送でしか聴けません。

 まだ家庭用VTRのなかった頃、私は毎日、テレビからカセットへと音声だけを録音していたのです。そのためにテレビチューナーまで購入しました。(パソコンに付けるアレとは違うよ!)その音楽のすばらしさは、今でもそらで口ずさめるほどです。DVD化の際、もっと音質に気を配ってくれればよかったのに。

 今でもときどき夢に出てくるんだよねえ・・・。テレビをぱっと点けたら“トムとジェリー”が放送されていて、しかも今まで観たことのない50年代MGMお蔵入りのエピソード。音楽はもちろんスコット・ブラッドリー。しかし夢の中だからVTRがない!記憶に焼き付けようとテレビにかじり付いていたりして・・・。


2月13日(日) キル・ビル2を観る

 昨日の続編です。『キル・ビル』ユマ・サーマン主演、デヴィッド・キャラダイン、ダリル・ハンナ、マイケル・マドセン、ゴードン・リュー出演、クエンティン・タランティーノ監督(2004年アメリカ)

 ユマ・サーマンが花嫁衣裳で日本刀を手にしたポスター。食い付きはいいのかもしれないけれど、「ラブストーリー」というサブタイトルも、うまく映画を表現しているとはいい難い。前作の舞台は主に日本だが、今回は西部劇。途中でカンフー映画が挿入されています。かなり怪しいけれどそこがまた面白い。

 前作の流血騒ぎに狂喜した人は、2作目のしみじみとした味わいに物足りなさを感じたそうで。だったらプロレスを最前列で観たらどう?“自分の期待したモノが得られなければ、ミソクソに腐す”という人は映画を鑑賞しないほうがよろしい。脳細胞がお子様なのです。私なら同じモノを続けて観たいとは思わないけど。

 役者が揃っています。ユマ・サーマンの刀捌きも完璧ですが、昔どこかで観た名画の風景がちりばめられている。前作では声しか聴けなかった悪玉ビル(デヴィッド・キャラダイン)も飄々と登場。物静かな老人・・・のようでありながら、ものすごい殺気を放っている。いつ爆発するか分からない、すごい演技ですわ〜。

 かつて殺し屋の一員、ビルの弟バド(マイケル・マドセン)の演技もすばらしい。心優しき男であると同時に、非常さを兼ね備えている。お腹ポッテリの中年男です。アメリカ映画の裾野の広さを思い知らされました。最後に!実は生きていたというブライドの娘B.B.、思わず抱きしめたくなる愛らしさ。


2月12日(土) キル・ビルを観る

 レンタルDVDで借りてきました。『キル・ビル』ユマ・サーマン主演、ルーシー・リュー、ダリル・ハンナ、ソニー千葉(千葉真一)、ジュリー・ドレフュス、栗山千明出演、クエンティン・タランティーノ監督(2003年アメリカ)
公式ホームページ

 劇場公開時、これを観なかったのは失敗でした。というのは、賛否両論に分かれてしまったから。この映画、日本での公開予定はかなり遅れた?先行情報はかなり前から出ていたのに、流血シーンの多さと、ストーリー自体が長大なためVOL.1、VOL.2と2作に分けなければならなかったのも要因か?

 結局、面白かった!と答えた人は内容をうまく説明できないし、舞台が日本、しかも任侠モノのハリウッド版ということで違和感を覚えた人は拒絶反応。女子高生の殺し屋として、栗山千明を起用したことも、映画を知らないマスコミの話題となりました。他人の評価に捉われてはいけなかったのです。

 『キル・ビル』にはさまざまな映画のエッセンスが盛り込まれています。
@香港カンフー・アクションA日本ヤクザ・任侠映画B日本サムライ・チャンバラ映画C日本のアニメ(ジャパニメーション)D西部劇(マカロニ・ウェスタン)その他、いろんな映画の名場面を彷彿とさせるパクリも満載。

 ルーシー・リューのカタコト日本語や、千葉真一演ずる刀鍛冶の役名が“服部半蔵”(忍者ハットリくん?)だったりするのは笑えますが、タランティーノ監督はそんなこと何とも思っていません。アニメを実写で撮っているようなもの!だからです。映画ファンは泣いて喜ぶけれど、初心者にとっては???の連続。


2月11日(金) ラブアンドロイド・チェリー

 この日の深夜映画はフジテレビで『リベラ・メ』(2000年韓国)を放送。いやー、まるで生き物のように燃えさかる炎といい、放火魔チャ・スンウォン狂気の演技といい、実に観応えあるものでした。

 そしてほぼ同時刻にテレビ東京で放映していたのは『ラブアンドロイド・チェリー』(CHERRY2000)デヴィッド・アンドリュース、メラニー・グリフィス、ベン・ジョンソン、パメラ・ギドリー主演、スティーヴ・ジャーナット監督(1986?年アメリカ)

 タイトルからしてピンク?なので、エロスを描いたのかというとそうでもなく、テーマは“純愛”なのであります。舞台は近未来、真面目な会社員サムは家政婦兼セックス・アンドロイドのチェリーと幸せに暮らしておりました。チェリーには優しい感情や、セリフもインプットされており、まさに理想の女性だったのです。

 この時代の恋愛はもはや殺伐としたもので、カップル喫茶で自分のICカードを登録し、気の合った男女だけが契約書を交わして一夜だけの関係を結ぶ、というものでした。そんな男女関係には目もくれず、アンドロイドのチェリーにぞっこんだったサムですが、ある夜、恐れていたことが起きてしまったのです。チェリーが故障!

 時は2017年、2000タイプのチェリーはもはや製造されておらず、ボディーの入手もままならない。(電機製品だと思えば当たり前ですが)しかし彼女を愛するサムはどうしても他のアンドロイドでは嫌なのです。無法地帯と化した砂漠の工場跡地、そこへ行って代わりのボディーを回収し、人格を記憶したチップを入れればチェリーは甦る・・・。

 サムは命がけの冒険へと旅立つのでした。闇ルートで無法地帯へ出入りする女回収屋のジョンソンがパートナー。ちょっとセクシーだが男勝りなジョンソンは、仕事とはいえアンドロイドに固執するサムに戸惑いを覚えます。カースタントに銃撃戦、さまざまな危機を乗り越えて2人は工場跡地へと辿り着きますが・・・。

 と、こう書くと観たくなるでしょう?日本未公開なので、こうした深夜の映画枠でしか観られません。DVDも出てないだろうな。脚本はマイケル・アルメレイダで、今は監督としても活躍していますが、こうした白昼夢を見ているような不思議な感覚は、CGバリバリでなく低予算のジャンキーなシチュエーションにこそ生きるのです。


2月10日(木) 大メンテナンス

 IPラジオの部屋にリンク切れが多数発生。どうも今年に入ってから、アメリカの大手ストリーミング代行業者“Stream Audio社”との契約を、新たに別の業者に移行した放送局が多くあったようです。“Stream Audio社”はhtml画像をいくつも積み重ねた“重たい”ポップアッププレーヤーを使用していましたからね。URLを読み取りにくくするための工夫なんでしょうけど。

 業務移管した多くの放送局はもちろんURLが変更になります。接続速度は平均20kbpsから36kbpsへと音質がアップしました。で、従来の“Stream Audio社”のURLも約半数がURLを変更しております。そして、これらとはまた関係なく多くの放送局が、音質向上のためにストリーミングの方式を変更したりしております。

 ま、しかしこれを追いかけて修正していくのは一苦労でありました。疲れたよ〜!livedoorは間もなく“インターネットラジ録”というソフトを発売するようですが、もともとフリーソフトの集合体みたいな内容だし、インターネットラジオのデータをどれだけ丹念に更新していけるか?という点ではなはだ疑問。


2月9日(水) 世界のカブトムシ

 本日の『トリビアの種』はすばらしい。“世界中のカブトムシを戦わせたら、どれがいちばん強いのか”というわけで、実際に戦わせてみたのです。裏番組ではサッカーをやってたようですが、私はむしろこちらの方に興味があります。何といっても世界初の試みじゃないですか?

 男の子なら誰でも一度はカブトムシやクワガタを飼ったことがあると思いますが、今ではそんなでもないのかな?フォルムからして自然の創り上げた芸術品だと思います。図鑑でしか見たことのない3本角や5本角、図体もでかい世界のカブトムシ8匹が集合しました。

 日本の昆虫の中でも、カブトムシは大きい方だと思いますが、外国のカブトムシに比べたら小さい小さい。切り株の上に置かれた好物のゼリー。(ペットショップで売られている。今じゃ常識みたいなんだけど。)それを奪い合いカブトムシは戦う。闘争本能が強いのだ。

 最初はとてもかなわないと思われたのに、日本のカブトムシはその敏捷性とタイミングの良さで、外国の大きなカブトムシを投げ飛ばす。テレビを観ていた人たちは思わず、「がんばれっ!」と叫んでいたはず。決勝戦では惜しくも背中を着いてしまったけれど、日本のカブトムシは第2位を獲得しました。

 タモリさんもこれには大満足で、“満開”の花を咲かせてくれました。「気持ちのいい戦いだよね。殺し合いじゃなくて、相手をはねのけたらそれでおしまい。」たしかに弱肉強食の自然界といえど、樹液を求める昆虫たちには潔いルールというものがあったのです。


2月8日(火) 歯医者さんへ

 ようやく行ってきました。奥歯の詰め物が取れたのはだいぶ前ですが、風邪を引いていたため完治するのを待っていたのです。とりあえずインターネット検索して、百人町の医院まで行ってきました。歩いて15分くらいかな?

 午前中は予約がいっぱいだったので、夕方5時に出直すことに。初めて行く医院だから仕方ない。まだ若い院長でしたがとても親切で、簡単な検査の後、持参した金属を接着剤で貼ってくれました。

 以前より、歯槽膿漏の進行があるのでまた来週、歯肉の清掃を予約して帰宅。地元(実家近く)の医院だったら、こんなに簡単には帰してくれなかったろうな。まず、作り直しを言い渡されたことでしょう。


2月7日(月) マイナスターズ『心配性』

 吉岡美穂さんがパーソナリティをつとめている土曜日のCBCラジオ
『ハイパーナイト ドミホ』。今週、1曲目にかかったファンキーな曲は、マイナスターズの『心配性』ですが、これは面白い!ツボにハマってしまいました。サイトから無料視聴できるので、ぜひ聴いてみてください。しかもフルコーラス。

 お笑いコンビ“さまぁ〜ず”の2人が中心となってやっている“冗談バンド”のようなモノですが、グループ名の“マイナスターズ”はムード歌謡で有名な往年の“和田弘とマヒナスターズ”(1957年結成)のモジり。

 かつてたけしが大事故からカムバックしたとき、「もし障害が残ってしまったら“顔面マヒナスターズ”ってのを結成しますから・・・心配しないで」とカマしてくれたのは鮮烈でした。その後、以前にもまして活躍しているたけしのエナジーはすごいものですが・・・。おっと脱線してしまいました。

 “和田弘とマヒナスターズ”メンバーには、山田競生さんという方がおられて、その息子が俳優の広岡瞬さんです。親子だけあって鼻の大きなトコがよく似ています。さまぁ〜ずの大竹一樹さんが“ヘロ岡シュン”と偽名を使って(もとい名乗って)いるのもそのため。知ってました?


2月6日(日) 『Mの悲劇』って?

 稲垣吾郎、長谷川京子主演のTBS『Mの悲劇』。脇役ですが吉岡美穂さんが出演しているので毎週観ております。さてこのドラマ、何かの映画に似ていませんか?そう韓国映画『オールドボーイ』ですよ。

 ストーリーはまったく別物ですが、平凡な男が理由も分からないまま復讐の餌食になる。本人は覚えていないけれど、知らぬ間に人を深く傷付けてしまっていた・・・というアイディアは同じです。今回(第4回)では、見覚えのある演出が使われていて、少し笑ってしまいました。

 『Mの悲劇』はテレビドラマなので大人しいです。『オールドボーイ』は映画館でもR指定がかかっていますから、いやR指定云々の前にドギツイ映画です。観た人は口を揃えて、すげー!を連発しますもんね。まだDVDも出ていないけど、興味のある人は観てみてください。


2月5日(土) ごはん

 昨夜のCBCテレビ『心呼吸』では吉岡美穂さんが登場。私は東京なので観れませんが、
ホームページで写真を見ることができました。といっても、1分ほどの短い番組だったそうなのですが。

 さかなとごはんと味噌汁・・・これが似合う女優など、吉岡美穂さんをおいて他にはないでしょう。お酒の後でも美味しいですよね。美穂さんの作った味噌汁食べたい・・・赤だしでなくてもいいですから。


2月4日(金) アルバイト

 某所から依頼がありまして、出稼ぎに行ってまいりました。まだ風邪は全快していないんですけど。しかし散らかり放題の家だな〜、これでも会社と言えるのか?まあ、昼飯に定食を食わせてもらったのでよしとしましょう。

 家ではいつもバランス・チェアに腰掛けているので、フツーの机と椅子だと疲れてしまいます。出来上がった原稿はバイク便が取りに来ることとなり、五反田まで配達しなくて済んだのはラッキーでした。新宿からだと往復2時間くらいかかります。

 ところがバイク便の兄ちゃん、玄関先に伝票と財布の入ったバッグを置き忘れていきました。連絡をもらったのでとりあえず保管。帰りに取りに伺います、とのことだったのですが、運悪くそれまで(午後8時)まで留守番を仰せつかることに・・・。


2月3日(木) 吉岡美穂さんお誕生日

 今年は握手会イベントもなくちょっぴり淋しい感じでしたが、午前8時からの『情報ツウ』(日本テレビ)にナマ出演。明るく元気な姿を見せてくれました。ホンワカしていて性格美人ですよね。そういえば彼女のお薦め映画『10日間で男を上手にフル方法』をまだ観てなかった。さっそくレンタルDVDを借りてきましたよ。

 『10日間で男を上手にフル方法』ケイト・ハドソン、マシュー・マコノヒー主演、ドナルド・ペトリ監督作品(2003年アメリカ/1時間56分)
公式ホームページ

 タイトルを見て想像がつくと思いますが、お互いのシゴトの駆け引きで付き合うこととなった2人。女性誌の「How to・・・」記事を執筆するため、何とかして10日以内に男をフラなくてはならないアンディ。ダイヤモンド販売会社の契約を取るため、10日後のパーティーに愛する彼女を連れて出席すると社長に約束したベン。

 常識外れのワガママ言い放題。ベンを困らせるアンディですが、男というものは優しく忍耐強い動物なのです。最初は高慢ちきで嫌みな男女と思っていたけれど、やがて可愛いカップルに変貌していくのですね。結末はお約束どおりですが、やはり「なるほどねー」と考えさせられる部分も大きい。

 フツーのカップルだと最初はお互いの美点しか見ていないが、やがて現実を知って醒めていく・・・というパターン。だからこのシミュレーションはむしろ逆なんです。最初は嫌なヤツ、と思っていても、目的を達成するためにお互い我慢しています。それがやがて、何だ、けっこう可愛いとこあるじゃないか?と変化していく。

 しかもこの2人、バスケットボール観戦が大好きという共通点がある。何となくテレビを観ていても、同じところで一緒に笑える人がいいですよ。最初から波長の合う2人だったのです。

 映画の中で、ラブコメ映画の傑作『めぐり逢えたら』(メグ・ライアン、トム・ハンクス主演)が出てきます。このカップルの映画には他にも『ジョー、満月の島へ行く』『ユー・ガット・メール』があります。ベテランの俳優さんがカップルで登場、というのは昔からのお約束ですが、最近ではサンドラ・ブロック、ヒューグラントあたりが人気。

 そう考えると、まだ知名度も高くない2人でこれだけのモノが作れたというのはちょっとした奇蹟。ケイト・ハドソンの今後には要注目ですぞ!ありきたりの可愛い女優さんではなく、まだまだ好奇心いっぱいでキラキラ輝いている感じです。


2月2日(水) くたばれ音楽評論家

 厳しいタイトル付けてしまいました。月の出ていない夜は背後に注意。私は某レコード情報誌を毎月購読しているけれど、発売情報を確認するためだけに購入しているので、月評(評論)はほとんど読みません。「くだらないもの」とみなしているからであります。ではなぜ?くだらないかというと・・・。

 
・・・決して能弁な演奏ではないし、オーケストラの技術において、今日の水準に達していない点もあるが・・・
 どういった意味で能弁とそうでないものを判断するのか?今日の水準とはいかなるものか?古い録音ならすべてそうなのか?少なくとも私はこのオーケストラをなかなか上手いと思いました。

 
・・・基本的には明快なアーティキュレーションをいかした客観的なアプローチが際立っており、オーケストラの響きには多少地味なところもあるが、着実なスタイルをいかし、アンサンブルにも整えられたものをみせている・・・
 専門用語が飛び交っていますが、理解できる人が読んでもサッパリ分からないのであります。書いた本人が理解しているとも到底思えない。こういうのをケムマキ君といいます。

 全部が全部そうじゃないですけど、こんな文章なら、CDを聴かなくても書けます。自分の感想は述べていないですよね。作曲家やアーティストに関する情報や、こんなところに注意して聴くのも面白いよ、とか、そういったヒントを与えてくれるのはありがたいのですが・・・。

 もともと、文章で音楽を表現するには無理があります。「百聞は一見にしかず」ではなく「百見は一聴にしかず」。耳で聴くものを目で見たって何の情報も得られません。その昔、レコードはたいへん高価なもので、一部のお金持ちしか買えなかったそうですが、今は誰だって買えるでしょう?

 自分で感じたものを敢えて、評論家の書いたものと照らし合わせ、反芻する必要などありません。評論家は専門家(音楽家)ではありません。評論家=高慢なシロウトと考えるべきでしょう。情報に溢れた現代では、もはや必要のないものといえます。


2月1日(火) 映画の日

 恒例行事で新宿歌舞伎町へ。『ネバーランド』『オーシャンズ12』『ターミナル』の3本を観ました。しばらく映画を観てなかった反動か?先月から中毒になりつつあります。(苦笑)

 『ネバーランド』(FINDING NEVERLAND)ジョニー・デップ、ケイト・ウィンスレット主演、マーク・フォースター監督作品。(2004年アメリカ・イギリス/1時間40分)
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 作家ジェームズ・バリがデイヴィズ一家の少年たちと出会い、ベストセラー「ピーター・パン」を書き上げるまでの様子を、空想を膨らませながら描いた作品。事実とは違う部分もあるかもしれませんが、バリのファンタジーを賛辞する意味で受け取れば何の問題もないでしょう。

 才気溢れる人、というのは子供のように純粋無垢な心を持つが、時にはそれが世間に誤解を招いたり、変人として奇矯な眼差しの対象になりかねない。それがバリの真実であり、悲劇でもあります。彼を演じられるのはジョニー・デップをおいて他にはないでしょう。

 ジョニー・デップはティム・バートン監督の語りべですが、今回はフォースター監督作品なので人間ドラマが中心。バリを本当に理解できるのは子供たちだけ。デイヴィズ夫人でさえその中には溶け込めないのですが、やがて子供たちは大人になってしまう・・・。生涯孤独の人であります。

 『オーシャンズ12』(OCEAN'S TWELVE)ジョージ・クルーニー、ブラッド・ピット、マット・デイモン、キャサリン・ゼタ=ジョーンズ、ジュリア・ロバーツ、ヴァンサン・カッセル主演他、スティーヴン・ソダーバーグ監督作品。(2004年アメリカ/2時間5分)
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 小うるさい評論家気取りには酷評だったものの、そう割り切って観れば、なかなか楽しめた前作『オーシャンズ11』。もともと文学的とか芸術的とかを云々する作品じゃないからいいんじゃないの?ビッグスターが勢揃いで、ほとんどアドリヴのようなグダグダ加減。そのダルさが楽しみで続編を観に行った次第。

 前作でハメられたラスベガスのボスが、オーシャンたちに復讐を宣告。盗んだカネに利子を付けて1億9000万ドル、2週間で用意しなければ命はないぞ!というのだ。ほんらい盗まれたカネは保険金で補填され、被害者など誰もいないハズなのだがこの男、伊達なくせして何となくセコイ。

 ほんでもってオーシャンたちは、さすが殺されるのはイヤだから、何か大きな仕事をやって返済しようとする。これもちょっと情けない・・・のだが、すべて監督の計算づく。オーシャンの相棒ラスティの恋人が現れるが、これが何とユーロポールの敏腕女刑事。盗みは成功!と思いきや、罠にはめられた全員が監獄入り。

 オーシャンを助けるべく夫人のテスも、トンデモナイ物真似をやらされたり、友情出演でブルース・ウィリスが登場したり。伝説の大泥棒が挑戦を仕掛けたり、いっつも何かドジをやらかしそうなライナスが奮起したり、と、観客を上手く喜ばせたり、落胆させたり。これもすべて計算づく。

 みなさまどうぞツッコんでください。だいたい「12人目って誰なのよ?」という点も、人によって解釈はマチマチでしょう。そうしたボケ&ツッコミを楽しむ映画なのです。

 『ターミナル』(THE TERMINAL)トム・ハンクス、キャサリン・ゼタ=ジョーンズ主演、スティーヴン・スピルバーグ監督作品。(2004年アメリカ/2時間9分)
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 東欧の小国からはるばる、ビクター・ナボルスキーは小さな約束を果たすためニューヨークへとやってきた。ところがトラブル!母国のクーデターによってクラコウジア政府が消滅、彼は無国籍人となりJFK空港のターミナルから出ることも引き返すこともできなくなってしまったのだ。

 国境警備局主任は言う、「入国許可が下りるまで空港内にいてもらうことになります。」だが、無国籍人に手を差し延べる者などいない。むしろ脱走を促し、警察の手に引き渡そうと考えたのだ。だが正直者のナボルスキーは信じて待つ、入国許可が下りる日を。

 金はなくなる、腹は減る・・・しかし持ち前のバイタリティで彼は小銭を稼ぎ、ついには内装工事の職を得て、空港内で生活を始める。浮浪者まがいの彼を、最初は周囲の者も煙たがったが、ある事件をきっかけに人気者となる。恋愛に悩むスチュワーデスとの淡いロマンスさえ・・・。

 ありそでなさそな現代のメルヘン。スピルバーグの監督したSFX抜きの作品。(実際には撮影の難しいシーンで分からないように使ってはいるだろうけど。)『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』(2002年)以後、こうした人間ドラマに目覚めたのか?トム・ハンクスの1人芝居(モノローグとアイディア)の功績も大きい。

 
『マッチスティック・メン』(2003年/リドリー・スコット監督)なんかと雰囲気は似ているかな。これもニコラス・ケイジのモノローグが楽しかった。スピルバーグの次回作は『マイノリティ・レポート』に引き続き、トム・クルーズと組んだ『宇宙戦争』だそうですが・・・。

 アイディアは奇抜でも、それを最後まで持続させることができず、ザツな終わり方をさせてしまうスピルバーグ。肩すかしを食らった経験はありませんか?傑作ばかりでなく失敗作も多いんですよね。『A.I.』しかり、『宇宙戦争』ってH.G.ウェルズ原作映画のリメイクじゃないのかしらん???


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