Fish Market @Jun/'10 Tema, Ghana Tema Fish Port: この無秩序、夥しい数の手漕ぎ漁船が犇めき合う ガーナはギニア湾に面しており、海の幸はさそ豊であろうと、旨い魚をイメージし大きな期待を持って赴任したのである。 ところが首都アクラでは鮮魚店を殆ど見かけない。 魚料理を出す専門店も少ない。 高級スーパーでは野菜サラダやフライドライス、グリルド・チキンに加え、魚の惣菜もあるが、これが全て超デイープフライだ。 とても硬く、尋常の歯では歯が立たないのではないかと思う程だ。 我々日本人がイメージするお魚とは程遠いのである。 使っている油の状態も不明。 試しに買ってみた。 かぶりついて、その硬さにショック、旨さは何処にいったのだろうか。 高級スーパーには生の魚もあるが、見るからに新鮮さが疑われる。 ある日、思い切って鯛のような魚の開きを3枚入ったパックを買った。 台所付きホテルで煮物にしようとの魂胆である。 現地のスーパーで仕入れたキッコーマンの醤油と日本から持参のみりんで味付け、たまねぎとジャガイモと煮込んだ。 出来栄えは悪くない。 口にしてみた。 味はまずまず。 だが煮る前に気がつかなったが、うろこが完全に取りきれていないのだ。 せっかくの味が、うろこで台無し。 今度煮る時は、前にうろこを完全に取り除くのを忘れてはなるまい。 Tema漁港の魚市場で買った魚を開き、うろこをその場で取ってくれる おしゃれなおばさん、足の爪は何と全て赤に金ラメのマニキュアが塗られていた 首都アクラから東に約30km、港町Temaがある。 ここへは仕事の荷物が入港した時に運送業者との打ち合わせに行くだけだった。 6月のある日、エジプト人の同僚とTemaの倉庫に行った。 エジプト人の同僚がテマのフィッシュ・マーケットに行こうと言い出した。 テマは漁港でもあるのだ。 願ってもない機会である。 さぞ新鮮な魚が手に入る筈だといさんでフィッシュ・マーケットへ向かった。 運転手にフィッシュ・マーケットへ向かうように指示する。 彼は首都アクラの人間なのでフィッシュ・マーケットの場所を知らない。 我々も知らない。 運転手は土地の人に場所を聞きながら、フィッシュ・マーケットへ向かう。 マーケットは何時も来ている貨物倉庫から然程遠くない場所にあった。 マーケットには粗末な簡易屋根の個人経営店が、手漕ぎの魚船が犇く合う港の桟橋に軒を連ね続く。 漁港独特の異臭が鼻を突く。 商品は直径50cm程度のアルミ製大皿単位で売られている。 値段は魚の種類には殆ど関係無い。 この大皿一杯で値段が決まる。 エジプト人の同僚の事前の調査では、1皿10ガーナ・セデイー(約600円)から15ガーナ・セデイー(約900円)が相場らしい。 赤目鯛に似た魚を1皿(約30尾)に烏賊1皿(やはり30枚程度)、他に名のわからぬ雑魚を1皿買った。 勿論エジプト人の同僚と分けるのだ。 我々が買った女将の隣の店にあった大きな魚、鯛? さっそく、店のおばさん2人が買った魚のクリーニングに掛かる。 買った魚はその場で内臓を出し、うろこを取ってくれる。 使う包丁はとんでもない代物だ。 およそ日本では見ない。 まるで切れる様子は無い。 叩き切る感じだ。 尾びれ、背びれ、腹ひれはこれまた切れそうにない鋏で切り取る。 だが、おばさんの足元を見てはっとした。 おばさんの足の爪が綺麗に赤と金ラメのマニキュアで染められていた。 おしゃれ心は決して失わない女性の心を覗いた感じがした。 漁港と漁船: この無秩序が何とも言えない活気と逞しさを伝えてくる 買った魚をクリーニングして貰っている間、漁港をぶらりと歩いてみた。 防波堤のある港が外洋に繋がる場所に辿り着いた。 防波堤は港と砂浜を分断する。 その砂浜を見てその色の白さに驚く。 首都アクラの海岸は生活汚水があらゆる小川、大きな河川から流れ込み、極度に汚染されている。 汚れた黒い異臭のする砂浜が横たわる。 極めて魅力に欠けるビーチなのである。 だが此処、テマのビーチは白い。 既に日が暮れかけていたので、ビーチに降りる機会を逃したが、見るからに綺麗な海岸がそこにはあった。 一昨年の8月以来、2年目にして求めていたガーナの海岸に接した感じがした。 テマの綺麗な海岸のある漁港と、鮮魚屋のお洒落な女将と、フィッシュ・マーケットに行こうと言ったエジプト人の同僚に喝采。 漁港の桟橋には簡易式の個人経営鮮魚店が軒を連ねる: 肝っ玉女将の活気ある商売声が喧騒にこだまする 鮮魚店から港を見る: 魚を売るのは女性の役目だ お洒落な女将がそれぞれ自分の店場を陣取る
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