アンタナナリボ @Oct/'09 Antananarivo, Madagascar ホテル内ビジュトリー(宝石屋)のショーウインドウ マダガスカルは古生代以前の楯状地にあり希少鉱物や宝石、玉類が豊富 石畳の急な坂道が多い、積み木のような建物が丘面に張り付くこの街を歩いていると、パリのモンマルトルを歩いているのではないかと錯覚するほどだ。 それ程フランス的な街と言える。 だがその錯覚も多くのホームレスや、僅かな(だが旨そうな)農産物を並べて路上商売する身なりのよくない人々、ぼろのような衣服を纏い子供を抱えた物乞いを目にすると、忽ち現実に引き戻される。 私は今、アフリカの東、インド洋に浮かぶ世界第四の大きさを持つ島に居るのだ、と脳味噌がリセットされる。 この国に来て驚く程、人々がアジア的な顔立ちであることに気付く。 運転手に聞くと、インドネシア系の人が多いらしい。 運転手君も正にそのようなインドネシア系の顔立ちをしている。 それで土地の言葉マラガシーとフランス語と片言の英語を話すのだから、何だかちぐはぐな感じがしないでもない。 ホテル窓から望むアンタナナリヴォの街: 丘の斜面に積み木のような建物が張り付く 急な坂道は石畳舗装されており、でさながらパリのモンマルトルを思わせる 標高1,300m、高地の平地に発達した街である。 平地と言っても小ぶりの丘が方々に点在する。 そんな丘が幾つか群れる場所に街のセンターがある。 フランス統治時代にできた街だ。 パリの香りがする訳である。 そう言えば、ホテルにはイートインになった立派なパテイスリー(ケーキ屋)があって、コーヒーとケーキが楽しめる仕掛けになっている。 この辺もパリの街角にそっくりなのには驚く。 ホテル内の廊下等、実に複雑に曲がりくねっている。 コーナー毎に濃い木目の壁と床にシックな調度品で囲まれた小さな居間風(シャンブル・ド・リーブル)になっているのも如何にもフランス風で外とは全く別の世界を醸し出す。 パテイスリーでプチガトー(ケーキ)にカフェオレでも楽しみたかったが、短いビジネス訪問ではそれも叶わなかった。 アンタナナリボ周辺の平地には水田と水路が広がる 多湿と降雨量の多さを物語る だが良く見ると、稲の植付や成長に相当のばらつきが見られる 日本のような整然とした植付けと均一な成長は見られない 私は飛行機に乗る時は何時も窓側の席をお願いする。 今回も運よく窓際の席が取れた。 しかも、朝発の便だから、天候にさえ恵まれれば飛行中、眼下に地表の景色を楽しむことができると言う訳である。 今日は少し雲はあったが、十分地表の景色を楽しむことができた。 地表の景色を楽しむと言ったが、実は最近ずっと気になることがある。 地表の緑が一様に減少していることだ。 マダガスカルは広大なジャングルに覆われているイメージを持ていたが、今眼下に見える大地は無残にも地肌を顕わにし樹木の気配を余り感じない。 それでも空港からアンタナナリボに向かう途中に多くの水田を見かけた。 やはりマダガスカルは元々水が豊かな土地であることを思い知らされる。 そう言えば、何年か前の雑誌でマダガスカルの川が泥で濁り、或いは雨が降る度に酷い洪水に見舞われるようになったと記事にあった。 森林破壊が進んでいる証拠である。 森林は何故破壊されるのだろうか? マダガスカルの主産業は農業だそうだ。 やはり焼き畑が原因だろうか。 マダガスカルは林業で森を丸裸に伐採したと言うことはあまり聞かない。 ホテル備え付けののメモと鉛筆: 鉛筆は今時珍しい マダガスカルは、ゴンドワナ大陸を構成していた古生代以前の楯状地だと言う。 古い地層故、希少鉱物や宝石級の石が出るのだそうだ。 ホテルのビジュトリー(宝石屋)には、アンモナイトの化石、様々な宝石や玉が飾られていたのがその証拠であろう。 又、生物の進化期を通じて隔離された島であり続けたので、独特の動植物相が見られることでも有名だ。 願わくば、観光かレジャーでゆっくり訪れたいところだが、そんなことはビジネス・トラベルには許されない。 ホテルベランダからの眺め: 古来、人々は丘のある景色を好む ホテルレストランのベランダ席: バオバブの木のモチーフが置かれていた 坂道に居並ぶ店の一つ: 衣料店だが中々アフリカ的な装飾が施されている 坂の多い丘の街
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