ムシ・オ・タニア(水煙の轟) 世界遺産: Victoria Fall @Mar/'75 Livingstone, Zambia Victoria Fall 現地語でムシ・オ・タニア(煙の轟)と言う その豪快さは実際に滝の前に立たなければ実感することはできない
ルサカからLivingstone間は国内便が飛んでおり、丁度東京から大阪へ行く程度の距離だ 当時未だ幼かった長男を連れて 3月は雨季の終わりの季節だ。 ザンベジ川の水量は最高頂に達する。 日本から遠く離れたアフリカの内陸地に来て慣れない生活環境と苦戦している家族の家族サービスを兼ね、週末を利用してLivingstoneへVictoriaの滝を観にゆくことにした。 当時は最初の町からかなり離れた、ポーランド人から借りた一軒屋から、街中の2番目のフラット(一軒屋の集合)に引っ越した頃だった。 同じブロックにはユーゴ人や土地の裕福なビジネスマンが住んでいた。 隣の黒人家族にはステファニーとジェファニーと言う丁度息子の遊び相手になる年頃の姉妹がいた。 大きな犬も居た。 我が家にも土地の知り合いから子犬を頂き飼い始めたころだった。
町の広場では観光客用にフォークダンスが披露される。 アフリカの人々のリズム感は抜群だ。 軽快なアフロ・リズムに乗った見事なフォークダンスを披露してくれる。 当時唯一西側のホテルとしてインターコンチネンタル・ホテルが首都ルサカにあった。 ホテル最上階のバー・レストランには生バンドが入っていて、連夜ムーデイなジャズ音楽でムードを盛り上げてくれていた。 ベースやパーカッションの奏者が奏でるアドリブの見事なリズムに惚れ込む思いをしたことを思い出す。 リビングストンは乾燥したルサカに比べ湿度が高い。 マラリアを媒介するハマダラ蚊も生息する。 虫除けのスプレーやクリームが必要だ。 ホテルのベッドには蚊帳も用意されている。
いよいよメインのお目当て、Victoriaの滝を観に行こう。 ホテルが準備してくれたミニバスに乗り込んだ客は私たち家族だけだった。 滝に近ずくと、地鳴りのような轟が聞こえてくる。 ムシ・オ・タニアだ。 滝壺近くの見学ポイントに到着した。 これが滝だろうか。 日本の川の水量と比べ、この圧倒感はおよそ想像がつかない規模だ。 流石に世界3大瀑布と言われる所以を目の当たりにするのであった。 ザンベジ川の川床が突然裂けたような地形はどうしてできたのだろうか。 自然の造形は如何にも人間の創造を遥かに超える。
リビングストンには規模は小さいが自然動物園がある。 半日をこのパークの見物に当てた。 ホテルが用意してくれたミニバスを利用してである。 客は私たち家族だけなので誰にも気兼ねが要らない。 好きな場所で止めて、好きな場所へ行けるのだ。 リビングストン自然公園は小さいが、多くの動物を真近でみることができる。 象は居なかったが犀、縞馬、インパラ、大型の鹿類、水牛、多くの水鳥等を見ることができる。 又肉食動物や小さな動物類は、園内の保護センターで日本の動物園と変わらぬ設備で見せてくれる。 チーター、ワニ、ビーバー、蛇類、様々な原色の羽を纏った小鳥たち等。
ザンビア滞在は僕の長い海外滞在経験の中で唯一纏まった時間家族と過ごした場所だ。 家族と共通の話題を持てる貴重な経験の一つとなっている。 私の人生の中で、取って置きの大切な思い出と言う訳だ。 この貴重な経験がいつまでも色あせることなく残っていてくれることを、ここナイロビのアパートで願いつつ。 ザンビアに喝采。 自然の造形と地球の営みに喝采。
|
{林蔵地球を歩く}[頁の始めに戻る] |