乾徳山:恵林寺&天空の湯
@Mar/'02 塩山 山梨


恵林寺 本堂



恵林寺、武田信玄の菩提寺とだけは知っていた。 随分前のことになる。 子供達が未だ小さい頃かみさんと子供達と行った覚えがある程度である。 夢窓国師と言う坊さんの名前もうっすら覚えている。 この寺の創建は元徳2年(1330年)に遡る。 当時の地頭職、豪族出羽守定藤が七朝帝師と尊称された夢窓国師を招き自邸を禅寺とした。 現在の寺社は安土桃山、江戸初期に快川国師によるものらしい。 本殿の入り口には三門があり、説明書きが側にあった。 仏殿を法空・涅槃に擬し三解脱する門。  空門、無相門、無願門の三解脱門とある。 織田軍の焼き討ちを受けた際、快川国師は、

   安禅必ずしも水用いず
   心頭滅却すれば
   火自から涼し

と唱え火定した場所に建てられていると言う。

入り口の掲示板には 
清香退邪気(せいこうじゃきをしりぞく)と達筆で半紙に書かれていた。
自分がかわれば世界が変わる、と言う意味らしい。

金曜日は土砂降り。 雨は夜になっても止まない。 天気予報では、土曜日は雨。 諦めず、深夜の天気予報を聞く。 天気は西から急速に回復している。 朝方には雨は止みそうだ。 上手くすれば、土曜日のツーリングは行けそうである。 こんな心境は、小学生の遠足前夜と少しもかわらない。 大の大人が、かわいいものである。 眼醒ましを5時15分にセットし、激しい雨の音を聞きながら床に付く。 5時過ぎに目覚めた。 雨の音はしない。 自分の部屋で準備をする。 バイクのエンジンも調子良く、一発で掛った。
06:00 相模原の自宅発 気温11度。
8時に談合坂集合だから、ゆっくり20号線を相模湖迄走って、相模湖から中央に乗ろう。 早朝の20号は空いていて気持ちが良い。 ゆっくり一般道を走るのも良い気持ちだ。 私は高速道路を高速で走るより、混んでいない一般道を土地の空気を楽しみながらゆったりと走るのが好きだ。

07:00 もう談合坂に着いてしまった。 Fさんから携帯に電話が入っている。 用ができたので,少し遅れて追っかけます、とのメッセージ。 立派になった談合坂のSA内部をぶらっとして、談合坂SAを出た。 出た後に気付いた。  今日のツーリングメンバーは、確か随分居た筈だ。 予定の時間まで待つべきだった。 しかし高速道路は、逆戻りは出来ない。 次のICで降りて逆戻りして、再び談合坂へ行こうか等、様々な事を考えながら走った。 結局、そのまま勝沼で降り、恵林寺へ向かう事にした。


    
    参道正面の山門桜が丁度見ごろであった。後には富士が真正面



08:30 恵林寺に到着。 結構早く来れるのだ。 正面の山門前の駐車場にバイクを止め、一人でゆっくり境内を歩いた。 桜が満開で絶好の見頃。 この時間は人出もまばら。 山門には大きく 「雑華世界」 と書かれた大木板が掲げられている。 腰が大きく曲がった土地のおばーさんが花を一房手にやってきて、私に話し掛けてきた。 「お客さん、バイクで来たの。 今日はえー天気で富士山が綺麗やろ。」、 「恵林寺は、まん前に富士山が見えるように建てられて居るんだよ。」、 「この門に ざかせかい (雑華世界)と書いてるでしょ。 この門より外は、複雑世界、 内は静かな世界言う意味だわ。」、 と説明してくれた。 ブルーのカッコ良いハーレーがやってきた。 ライダーもいかしている。 僕の、シャドーの隣に止めた。 そうこうしている内に、マツダのユーノスがやってきて、一広くない駐車場の一番奥に止めた。 僕のシャドーの直ぐ前だ。 境内をゆっくり一回りして、戻ってみると、ハーレーもユーノスも未だ居る。 2人で何やら話込んで居る様子。 ひょっとするとと思い、話し掛けてみた。 やっぱり今日の仲間だった。 あー、良かった。 談合坂で置いてきぼりにしても、ちゃんと目的地に来てくれていた。 そのうち、リーダーのFさんと、Nさんが現れた。 全員で、境内をぐるっと一回りし、グループ写真を取って次の目的地 ”七福” でお昼だ。  ”七福” は大菩薩街道沿いにあり、直ぐ見つかった。 たっぷり量のほうとうを楽しんだ後は、葡萄の丘にある ”天空の湯” へ向かう。  



もう桃の花は7部咲き



12:30 塩山。 勝沼は既に桃の花が7部咲きだ。 後数日で満開らしい。 葡萄の丘は、勝沼町の施設で,ホテルと葡萄資料館も兼ねている。 天空の湯は強アルカリ温泉で源泉は41度とあった。 風呂からは、遠景に南アルプスと眼下に勝沼の桃、フドウ園を見下ろす素晴らしい景観。 露天風呂には数人の先客。 暫くすると、その先客が話し掛けてきた。 土地の人とその家のお客さんらしい。 普段、土地の人達は手軽な街中にある村営温泉に行くらしい。 今年の桃の花は桜とお同じで開花が早いらしい。 桃の花は咲き終わりが一番濃い赤色になり見事だと言う。 眼下に広がる桃、葡萄畑の勝沼町・塩山市・山梨市の向こうに遠くには南アルプス、近くには乙女高原の連山が背景を飾る。 土地のおっちゃんが言う。 「あの山の中ほどにドームが見えるでしょう。 あの一寸上に建物があるの、見えるか?」、 あそこには我々のメンバーは誰も行ったことがない。 「あそこは、ほんとの露天風呂で、富士の眺めがええよ。 そこの露天風呂は、あまり手入れせずあるがままに、放置してあるから、”ほっとけの湯” と言うんだ。」、  いつか機会があれば訪れてみよう。 風呂の後は階下のロビーで飲み物が楽しめるようになっている。  絶景をたのしみながら一時を過ごした。 帰りはR137号で御坂峠をトンネルで一気に超え、河口湖に出る。 河口湖畔に故佐藤由紀夫氏のハーレー・ショップに立ち寄る。 芸術的に完成域に達した古い様々なハーレーが展示されている。 側のイタリア・レストランでコーヒー・タイム。 後は一気に高速で八王子ICに向かう。 途中談合坂SAで休憩。 最近は何処のSAは立派になっている。 一般道の道の駅も立派なうつわになっているが、高速のSAも地方色と独自の工夫が取りいれられている模様。 生き残りを掛けた様々な工夫の結果であろうが、結構な賑わいである。  

08:00 相模原に無事帰着
    恵林寺の桜、歴史
    天空の湯からの眺め
    河口湖のハーレーショップ
    中央高速の談合坂SAを堪能した。






30/Mar/'02 林蔵 (Updated on 21/Mar/'08)#093

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