真冬の南房総
@Feb/'02 南房総 千葉


太海 仁右衛門島


午前4時、土曜日の朝。 目醒ましのアラームで起きる。 今日は仲間とツーリングの日だ。 湾岸幕張PAに7:30集合である。 幕張PAまでは、少し余裕を見て2時間だ。 と言うことは、家を5:30には出発しなくてはならない。 そんな訳で4時起きになった。 真冬の装備に身を包め、未だ夜の明けぬ闇のなか、バイクを駐車場から出す。 先ずバッテリーの充電だ。 充電が済んだところで、やおらエンジンをかける。 が、エンジンがかからない。 バッテリーを再び充電する。 冬になるとバッテリーが弱くなる。 もう寿命だろう。 車があれば車のエンジンをかけた状態で、バイクにジャンパーするのだが、オーストラリアの長期出張から帰国後、車を購入しないままでいる。 数回バッテリーを充電し直しようやくエンジンがかかった。 既に6時を過ぎている。 今日は遅刻だ。

内心焦りながらも、安全運転で幕張PAへ急いだ。 渋滞は16号と246号のジャンクションで数百メートルだけ。 後はスムースに流れてた。 それでも幕張PAには15分遅れで到着。 既に皆は待っていた。 PAの休憩室に入り今日のコースを軽くブリーフィングし、いざ出発。 東関東道から館山道に乗り継ぐと暫く自然渋滞が続く。 自然渋滞は数kmで解消。 かれからは快調に南下、木更津南で高速を降りる。 ここからR127を少し走り、左に折れ県道92号にはいる。 県道92号は南房総スカイラインに繋がっている。 スカイラインは、南房総の中ほどの峯を縫って走る。 交通量は少ない。 スカイラインが終わった処に道の駅 ”君津ふれあいパーク” がある。 ここで休憩。 再び県道92号に戻る。 鴨川に入る手前の有料道路を走り鴨川に出た。 ここでR128に合流。 右に折れ、野島先灯台に向かう。 灯台の前に、太海・仁右衛門島の磯釣りフラワーセンターに寄る。 海の色が素晴らしい。 冬の澄み切った空気に映える海の色は格別だ。 原色の海色。 風も穏やかで真冬の寒さは感じられない。 最高の天気である。



 和田浦名物つち鯨の土産物屋”鯨屋”、鯨料理のお店はこの左側にある



和田浦海岸に名の知れた店 ”鯨屋” がある。 ここは名の通り鯨料理を出す料理屋である。 和田浦は全国で4ヶ所、今でも捕鯨が営まれている場所だ。 和田浦以外には、北海道の網走、宮城の鮎川、 和歌山の太地の3ヶ所で、 和田浦で捕獲する鯨は小型のつち鯨と言う種類の鯨らしい。 割り当て捕鯨頭数は26頭だそうだ。 毎年6月から7月に掛けて捕鯨が行われるとのことだ。 丁度昼時だ。 早速入ってみた。 刺身定食を注文。 土鯨の肉とミンク鯨の皮の刺身だ。 注文をしたのは良いが、果たして心配していた通り食べられなかった。 私は生ものはからきし駄目なのだ。 鯨の肉は魚とは全く別物。 それはそうであろう、鯨は哺乳動物で牛等と違わないのだから。 食後は広い砂浜が広がる海岸へ出た。 オーストラリアのグレートオオーシャンロードを思いださせる光景だ。 夏場は海水浴客で賑わうのであろう。 ここには浜千鳥の歌碑がある。 歌碑の前で、全員揃い記念撮影。

途中エンジン・トラブルがあり、予定の野島先灯台は止め、フェリーの発着港である金谷港に急ぐことにした。 無事金谷港に到着。 先着のバイクはいない。 運良く次の便に乗れる。 フェリーターミナルで土産の磯海苔を買いフェリーに乗り込んだ。 35分の短い時間だがしばしの船旅気分を味わい、神奈川に戻った。 天候は最高、冬の原色海と新しい道を経験した素晴らしいツーリングであった。
冬の海と仲間に喝采。



 
    和田浦海岸 この沖合で小型鯨 つち鯨の捕鯨が行われる          鯨屋のつち鯨の刺身定食





16/Feb/'02 林蔵 (Updated on 4/Mar/'08)#071

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