白神山地
(世界遺産:ブナの原生林)@Aug/'97 白神、秋田 |
世界最大級のブナの原生林:案内板
[世界遺産: Shirakami Sanchi、自然遺産、1993年登録 ] 全体の面積は13万haでそのうち約1万7千ha(169.7km2)がユネスコの世界遺産(自然遺産)に登録されている。青森県側の面積はそのうち74%の126.3km2を占め、残る43.4km2は秋田県北西部にあたる。なお、白神山地は法隆寺地域の仏教建造物、姫路城、屋久島とともに、1993年、日本で最初に世界遺産に登録された。
白神山地は、世界遺産登録地域の外側にも広大な山林をもち、通常は、登録地域外をも含んで呼ばれることが多い。その中でも特に林道などの整備が全く行われなかった中心地域が世界遺産に登録されている。
世界遺産地域は、中央部の核心地域と、周辺の緩衝地域に分かれ、これらの地域は世界遺産登録時より開発を行わず、現状のまま保護されることになっている。従って、これらの地域には遺産登録以前からあった登山道以外には道はなく、今後も恒久的に整備されない予定である。特に核心地域には道らしい道はない。また、青森県側の核心地域に入るには、事前、あるいは当日までに森林管理署長に報告をする必要がある。秋田県側の核心地区は原則的に入山禁止である。核心地区は林道すらないので、そこを踏破するには極めて高度な技術を必要とする。世界遺産に登録されてから、核心地区での遭難事故もあり死亡者も出ている。
世界遺産登録地域は、登録前後に禁猟区に指定されている。漁を行うには漁業協同組合と森林管理所長の許可が必要である。なお、漁業組合はここを通年禁漁としている。 (Wikipedia より)
白神山地: 手付かずの自然林が広がる
白神山地に行ってみよう。 美しいブナの広葉樹林が広がる総面積 160,000ha に渡る白神山地。 恵まれた日本の気候に育まれた自然の宝庫。 その内最も自然のまま残っている 16,971ha が1993年12月に世界遺産として登録された。 この世界最大級のブナの原生林は、高緯度にも関わらず、ツキノワグマ、ニホンザル、クマゲラ、イヌワシ等、動植物の豊富さでもユニークな存在である。 ブナ、ミズナラの群落、サワグルミの群落等が見られる。 後世に残さなければならないアイテムの一つだ。
8月の連休を利用しバイクで訪れることにした。 行きは高速で一気に青森まで走る、行くなら少しでも早く目的の白神山地を見たいからだ。 白神山地をじっくり見た後は、一般道を日本海沿いにゆっくり南下して帰るコースを取ろう。 バイクで白神山地に入るのは、自然破壊に繋がるのではないかと、一抹の罪悪感が無いでもなかったが、林道が整備されていること、車に比べ自然の負担は遥かに小さいことで、自分なりの納得をして出かけることにした。
1日目: 夏の朝は早く明ける。 前日に支度を整えてあった過積載気味のバイクで5時10分に家をでる。 早朝なので都心も難なく抜け、東北道、蓮田SAでガソリン給油兼小休憩。 途中、那須高現SA、安達太良SA、中尊寺SA等で休憩しながら、18:39 弘前に着いた。 計画では、ここでキャンプの予定だがあいにく弘前は雨模様。 仕方なく、弘前駅前のCity Hotelに泊まることにした。 City Hotel
は駅前のビジネス・ホテルだが、規模も大きく、インテリアもシックで立派な造り。 けち旅行には大変贅沢な感じ。
白神山地への分け入る: 白神スーパー林道の入り口
2日目: いよいよ、白神山地へ分け入る。 朝、少しゆっくりして7時にホテルを出る。 古い城下町、弘前市内観光には目もくれず、山を目指す。 途中、猫を散歩に連れた老女を見かける。 猫が散歩をしている様は非日常的で、面白くつい見入ってしまう。 山道に入った、白神スーパー林道だ、弘前から秋田県の日本海側に抜ける未舗装道だ。 まさに林道、オンロード車、ましてやアメリカンで走るような道ではない。 対向車は殆ど無い。 道面は雨で激しくえぐられ不規則なでこぼこ、急な勾配のアップダウン、コーナーの連続。 愛馬シャドーをローギア‐、時速5kmで慎重に進める。 登りの急勾配で止まった時が最も大変。 10:45、どうにか転倒せず天狗峠に到着した。 白神山地の案内看板がある。 世界遺産
”白神山地” 17,000ha のブナ自然林。 林の切れ目からは、眼下に見渡す限り、緑に輝くブナ林が広がる。 この道はやはりこの未舗装のままが良いだろう。 舗装されてしまうと、この素晴らしい自然の幾らかが失われるに違いない。
白神スーパー林道: 天狗峠 (770m)
白神林道を約10時間掛け、ようやく日本海寄りの町、岩崎に抜けた。 遅めの昼にしよう。 国道沿いの田舎風の土産物と雑貨店を兼ねた小さな食堂に入り魚定食を頂いた。 お店の人同士が話している言葉が全く理解できない。 方言と言うものを之ほどはっきり感じたことは始めてのことだ。 メロン、西瓜畑が両側に続く日本海に沿う米米ロード、屏風山高域農道を更に北上する。 大きなスイカ3個千円で売っている。 龍飛岬を目指したが龍飛は遠い。 途中十三湖(とさ湖)に浮かぶ中の島内に、市浦村立ブリッジパークキャンプ場を発見。 ここで今夜はキャンプをすることにしよう。 利用料は¥500。 管理棟にはレストランもある。 天候はいまいちだが、雨は降っていない。 早々にバイクの荷を解きテントを張った。 天候が良くないせいか客数は少ない。 近くにはコンビニもレストランも無い。 管理棟のレストランで海鮮カレーの夕食。
白神スーパー林道
3日目: 6時起床。 小雨模様の空。 濡れたテントをたたんで出発。 龍飛岬は諦め、南を目指した。 小雨のメロン街道を走る。 あまりに旨そうだったのでバイクを止めた。 直売所のおじさんは完璧な東北弁。 宅急便で相模原の家に1箱送ってもらうことにした。 メロン千円、送料千円。 おまけに小さなメロンをその場で切ってくれた。 食べた後の皮をどうしようかと迷っていたら、「やまさすてて」と言われ、山に捨てた。 この日は、山形と新潟の境にある鼠ヶ関の海岸でキャンプ。 漁港に隣接する砂浜の村営キャンプ場だ。 ここも既に係員は、帰ってしまって居ない。 無料でテントを張らせて頂いた。 立派な村営マリーナも隣接しており、トイレは新しく清潔。
4日目: 5時半起床、 気温24度。 日本海は山が海に迫る場所が多い。 僅かの平地に民家がへばりつくように点在する。 上越から山に分け入る。 戸隠を経て白馬村に至る。 戸隠は山が綺麗。 山中に大きな神社中社がある。 夕刻、白馬村到着。 この日は白馬村白馬グリーン・スポーツの森キャンプ場に泊まる。 料金500円。 すぐ近くに温泉、国民保養センター岳の湯があるので、一日走った後の汗を流すには格好の場所だ。 テントを張り、早速、湯に入った、410円。 こう言う施設は、バイカーに取って大変有りがたい。
5日目: 最終日。 7:30、白馬村グリーン・スポーツの森キャンプ地出発。 松本、諏訪湖、甲府を経て15:00、無事我が家に帰りつく。 東北は雨模様だったが、素晴らしい白神山地をこの目で見ることができ、感激の旅であった。 相棒の鉄馬シャドーも故障一つせず、良く走ってくれた。 雨が多いだけ自然が豊かな日本の国土に喝采。
01/Aug/'97 林蔵@白神山地 (Updated on 6/Apr/'08)#108
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