銚子
@Nov/'01 銚子 千葉


犬吠崎灯台


10月24日、約1年ぶりにオーストラリアから日本に戻った。 失った時間を取り戻すかのようにツーリングラッシュである。 今月(11月)に入って、11日は ST21(所属しているバイク・ツーリング・クラブ名)の榛名・野反湖・白根山ツーリング、18日のKRB(バイクを使う災害支援ボランテイアネットワーク)主催の防災拠点確認ツアー、 そして今日(24日)の銚子ソロツーリングである。 グループツーリングも楽しいが、僕はソロを好む。 およそ3対1位の割でソロを楽しんでいる。 一人でマシンとロードを相手にひたすら走る。 精神が完全に開放され、満たされ、自分が回復する時間である。

7:52 気温7.0度C 47,298マイル(私のバイクの累計距離数)、少し遅めの出発。 九十九里浜と銚子が目的地だ。 九十九里浜は以前から一度行ってみたいと思っていた近場の一つである。 出張の度、成田に着く少し前に機内の小さな丸い窓から眼下に広がる長い円弧を描く砂浜である。 



久里浜 東京湾フェリー乗り場


9:28 保土ヶ谷バイパスから横浜・横須賀道路を一気に走り、久里浜の東京湾フェリー乗り場に到着。 気温 16.1度C、 既に5,6台のバイクがフェリー乗り場のバイク専用レーンに並んでいる。 次の便(10:10)には乗れそうだ。 片道の乗船券を買い、金谷からの船を待つ。 フェリーターミナルは新しくなっていた。 東京湾を横切るアクアラインが完成した後も、このフェリー便を利用する人達はあまり減っていないようだ。 やはりアクアラインは料金が高いのと、神奈川から房総に行くにはこの東京湾フェリーのメリットは大きい。 南房総へ行くにはアクアラインよりも久里浜-金谷のフェリーが便利だ。 それに短いと言えども船旅である。 旅をしていると言うロマンが漂う感が何とも良い。



東京湾フェリー: デッキで短いながらも洋上旅気分を満喫する



10:10 既に何度か利用した船にバイクを乗りいれる。 バイクはフェリーの両側面にへばり着くように、専用ロープで固定される。 この日海上は穏やかで、殆ど揺れを感じず金谷港に着いた。 いつもながら狭い金谷港でのフェリーのUターン妙技にプロのなせる業と感心する。 港はフェリーの長さと殆ど同じではないかと思える程狭い。 房総半島に上陸した。 海岸線を少し下り保田で左に折れ、県道34号 ”鴨川保田線” を東方向に走り房総を横切る。  鴨川に出てからは国道128号を北上。 殆ど渋滞はなく快走。 


12:30 岬、 気温19度C。 寒くも暑くもない最高のツーリング日和だ。 ほどなく九十九里ビーチライン (県道30号)の看板が見える。 鳴山の信号を右に折れると気持ちの良い松林の中に伸びる一本道に入った。 4,5km位走ると、新一宮大橋で県道30号に併走する有料道路 ”九十九里道路”に繋がる。 通行料金¥200を支払い、”九十九里道路”に入った。 右手に広がる太平洋の海と空を楽しみながら ”九十九里道路” を駆け抜ける。 九十九里町、片貝海岸で有料道路は終わり、街中を走る県道30号に戻る。 30号(九十九里ビーチライン)は、ビーチラインと言うが、実は海が見えない。 ちょっと詐欺みたいな道の名前である。 飯岡町で九十九里海岸は終わりだ。 県道30号も終わる。 銚子に抜ける国道126号に合流する。 



九十九里有料道路標識


13:54 国道126号になって直後、”屏風ヶ浦” の看板を発見。 東洋のドーバーと呼ばれる延々10kmに渡る40-50mの絶壁。 だがここはドーバーの白い壁ではなく土色の壁だが。 狭い坂道をのぼると立派な刑部岬のビジターセンターがある。 ここからは残念ながら屏風ヶ浦の絶壁は見えない。 眼下には飯岡の港と太平洋の大海原が見えるのみ。 (絶壁が見える海岸へ降りる小道があったのかも知れない。)



刑部岬から太平洋を望む


再び国道126号に戻り、銚子市内へ向けて走る。 市内に入る手前で ”犬吠崎”の看板があったので、右に折れ犬吠岬へ通じる県道254号に入る。 細い道だ。 田園地帯を抜け、家々が密集している場所に差し掛かった。 いよいよ岬に近ずいた様子。 赤字経営で喘ぐ銚子電鉄の単線を渡り、左に緩やかにカーブを切る。 日本一早い初日出の宣伝文句で有名な犬吠崎灯台だ。 早速バイクを路肩に止めシャッターを切る。 立派な大型ホテルが目に飛びこんでくる。 灯台には寄らずに通り過ぎ、銚子市内に入る手前でひなびたスタンドで燃料を補給する。 出てきたおばさんが、ガソリンを入れてくれながら 「今日は、バイクは寒いでしょ。」と声を掛けてくれる。 こんな一言がすごく嬉しい。 「いえ、今日はバイクには最高の日和ですよ。」 と一言返事をする。

狭い銚子市内入ると、宙に浮かんだ巨大な鉄の構造物が目に飛びこんでくる。 川面に掛かる橋としては日本一長い銚子大橋(1,450m)が、利根川の川面はるか上にその巨体を横たえているのだ。 古来より川は様々なかたちで、境となり、守りとなり、障害となり、はたまた飢えを満たし、癒しを与えてくれた存在であった。 橋がなければ現代でも川を挟んだ両地域の文化が違う程、川の存在は大きい。 

利根川河岸から別れ、平野部の広域農道を走り、成田空港を経由し高速で帰路についた。 成田空港では誤って空港内に入ってしまう。 セキュリテイーで引っかかりUターンをさせられた。 Uターンをしても高速の一方通行である、特別のゲート(有事の際、機動部隊が緊急入場する門)を開けて貰って一般道に出た。

19:45 今日の気ままソロツーリングから無事帰宅。





24/Nov/'01 林蔵 @銚子 (Updated on 24/Feb/'08)#063

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