Cho-san
@Jul/'02 Asan Korea


張さん兄弟@張さん宅



運転手の張さんは、大変話好きである。  英語も日本語も殆どわからないのに、ホテルと仕事場の行き帰り、合計80分を一人で喋るのである。  こちらは時々合い槌を打つだけでいいので、楽であるが。  彼はChoenanに住んでおり、11才と6才の息子がいる。 独身の弟もタクシーの運転手だ。  また彼はクリスチャンでもあり、酒、タバコは飲まない。  日本のクリスチャンは、酒もタバコも問題ないと言ったら、オリジナルのクリスチャンは駄目なのだと言う。  車は、いつもピカピカに磨き、内も外も綺麗にしている。 AV、DVD,カーナビ、フル装備である。  さすがプロの運転手、小物類は全てマジックテープで固定してあり、 運転中も位置がずれないように工夫してある。

その張さんが夕食に招待してくれた。 韓国の街は小規模でも高層アパートが林立している。  張さんの家もそんなアパートの1階にある。 小学校が目の前で、生活の便もすこぶる良さそうだ。  職場から直接行くことにした。 あいにく手土産を何も持っていない。  花でも買って行こうと思い、張さんに花屋に寄ってと言ったが、遂に通じなかったらしく、 ビールを買う為酒屋には寄ったが、花屋には寄らずに、自分の家迄行ってしまった。  おかげでついに手土産は無しと言うことになってしまった。  ちなみにクリスチャンの張さん一家は、酒は飲まないので、ビールの買い貯めなど無いのであろう。  今日の僕の為に、途中寄った酒屋でビールを1本買ったのである。

家の外では、下の6才になる息子が近所の友達と遊んでいる。  玄関の前、隣の建物との間に丁度車1台が入るスペースがある。  そのスペースに車を止め、高層アパートの玄関横付けと言った感じで、家に入っていった。  玄関は一般的なアパート風で若干狭い。 床はオンドルになっているから、畳のようなものは無い。  コンクリートか乾燥粘土に塗装を施してある。 ホテルの部屋の床と造りは同じだ。

入った処がダイニング兼居間になっていて、その奥にリビング・寝室のような部屋があり、そこに通された。  立派な彫刻を施した厚い1枚板を使用した箪笥が1面の壁を占領している。  エアーコンは無いらしい。 必要無いのだろう。  その部屋に丁度日本のコタツサイズの座卓が用意され、食事の前菜類が既に処狭しと並べられている。  上の11才の息子が料理を次から次へと運んでくる。 張さんの弟も加わり3人の宴会が始まった。  言葉は殆ど通じないので会話はあまり進まないが、美味しい韓国の家庭料理を楽しむだけで十分である。

お酒は僕がビールを1杯だけ、後は料理攻めである。 メインは蟹料理。  昨日、私のおごりで、ビビンバを食べに行った時、僕は、肉は駄目魚、蟹が良いと言ったので、 今日は蟹料理をご馳走しようと言う事になったのである。 小ぶりの蟹であったが、味はこの上ない。  スープで煮てあるのだが、そのスープが独特で韓国料理の辛味が効いていて旨い。  蟹を食べた後は、そのスープにご飯を入れてリゾット風にすると、これが又いける。  メインの後はジンセン茶(朝鮮人参茶)、 精力が付くと笑いながら頂く。  最後は旬のフルーツ、まくわ瓜、西瓜、バナナにプラム。 さすがマンタン(満腹)になった。

11才の息子がこまめに給仕役をこなしているのが、すがすがしい。  奥さんはメインの鍋を持って来る時だけ顔を見せる。  酒を無理に進められることもなく、遅く迄引きとめられることもなく、デザートが終わるや直に、 ではホテルに帰りますか? と促してくれる。 実にタイミングが良い。  玄関迄出て見送ってくれた奥さんに挨拶をし、爽快な気分でホテルに帰ったのであった。

10/Jul/'02 林蔵@Asan Korea (Updated on 22/Jul/'07)#113

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