Hong Kong
@Apr/'06 HongKong, China
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香港のダウン・タウン:
高級ブテイックが軒を連ね、多くの客で賑わう
スタバや、マックには若者がたむろし、携帯で友人との長話しに花を咲かす
ヨルダンからの帰路、エジプトと香港に寄った。 香港に寄ったのには少し訳がある。 返還後の香港を一目観て置きたかったのである。 香港は英国が中国から99年間の約束で借りていたもの。 1898年、当時崩壊寸前だった清朝から99年も借りておけば、永久に借り倒せるだろうと言う、当時の列強大国の実に横柄な考えから生じた如何にも次元の低い世間ごとである。 だが借用期限が切れる1997年6月30日には、元の持ち主である中国は国力を蓄え世界の列強入りを果たしていたのである。 そんな中国政府は巧みで強い外交姿勢を持ち、英国側の言い分を聞き入れず、全てが中国に返還されたのである。 現代の国際常識から言えば当然のことと言えるが。 返還後の香港は余りに急激な社会習慣の変化への戸惑い、または経済システムが麻痺するのを恐れて、或いは香港の国際的な経済価値を存分に利用する為に、一国二システム制度を取り入れたのであろう。 既に返還後10年になろうとしているが、今も貨幣は香港ドルを使用しているのには正直言って少し驚いた。 返還直後は、流石に経済の停滞があり、その後の繁栄維持が心配されていたが、今回の訪問でその繁栄振りを見、今世界のブーミング地区はアジア、そのアジアでもインドと中国であることを改めて実感した。
新空港のターミナル: 広く機能的である
エアー・ライン・ラウンジも立派で無料のインターネット端末が高級なオフィス感覚で整備されている
ドバイ発キャセイ・パシフィック航空730便は予定通り12:10、香港の新空港にランデイングした。 香港の新空港の外に出るのは初めてある。 前回は3年前、バーレンへ行く途中、トランジットで空港内で時間を過ごしただけであった。 あの時は、鳥インフルエンザがアジア地区で蔓延しており、空港のゲートへの出入りで厳しく体温の検査を赤外線体温計で計られた覚えがある。 今回も鳥インフルエンザは世界的に広がりを見せているが、前回のような物々しい検査はなかった。 新空港の免税品店はかつての北京空港の規模、センスとは比べるべくもない。 成田の第2ターミナルに似た無軌道、リモコン・バスで到着ゲートから空港ターミナルビルへ移動する。 乗り心地はすこぶる良い。 建物の細部に高級感が漂う。 入国審査は極めて簡単。 ビジネス・クラスだったので、バゲージは直ぐ出てきた。
ターミナルビル外観
空港タクシーはメルセデスがBMWの新車
空港バスのサービスも整備され、新車の中型バスで、利用システムの案内も親切だ
空港とダウン・タウンを結ぶシャトル・バス・サービス、 ”Hotelink Shuttle” の表示もわかり易い。 片道90香港ドル(1、400円程度)である。 チケットの販売も大変手際が良い。 バス乗場は地上階にある。 表示に従い、エスカレーターを下れば、かなり広い待合室になっていて、係員がお客を効率的に案内している。 約15分間隔に出発するバスは、ダウン・タウンにある多くのホテルを縫って運行している。 同じ方向になる客を同じバスに案内しているのである。 実に親切でありがたい。 スタッフが揃いのユニフォームでサービスに当っているのも、長く中東に住んで居た私にはとても新鮮に見える。 清潔感があり安心してサービスを受けられるのである。
滑走路の向こうにはかつての英国大手通信会社C&Wの通信設備が山頂にある香港島の切り立った山が見える
Hotelink Shuttleバスは、40人乗程度の中型バスだ。 車体は新しく、運転も大変スムースである。 今まで居た国では、安全より、どちらかと言うと早さを優先する。 自然、運転は荒くなるのである。 香港も昔はそうであったような気もするが、今は全く違う。 安全と快適さを優先している。 国際的に通ずる一流のサービスである。 バスは良く整備された高速道路をダウン・タウンへ向かう。
空港がある香港島と九竜を結ぶ吊り橋
立派な高速道路で空港とダウン・タウン、ビジネス街は結ばれている
運転マナーもこの2年間をすごした中東の国に比べて、随分マイルドなのは気のせいだろうか
ダウン・タウンに着く手前に広大なコンテナ・ヤードの傍を通る。 シンガポールのコンテナ・ヤードも凄いが、香港のも規模、活況さは引けを取らない。 数え切れない数の世界各国のコンテナ会社のコンテナが整然と積み上げられ、積み込まれている。 中国経済の活況に加え、便利さ、経費の安さ、更にサービスの向上で一大国際流通基地になっているのが観て取れる。 我らが国、日本はその質の高さだけで高を括って居る訳には行かないと、危機感を感じざるを得ない。
広大な敷地のコンテナヤードには、ひっきり無しにコンテナの積み下ろしが日夜続く
今や世界を席巻しようとする中国製品の輸出もさることながら、貨物の中継地としての役目も大きい
ダウン・タウンの中流ホテルに投宿した。 Prudential Hotel、部屋からの眺めは、隣接する古い高層マンションの部屋で、良いとは言えないが、部屋の広さ、ロビーの感じ、ボーイの態度、朝食のレストラン、何れも一流と言える。 ダウン・タウンの程中にあり、街を歩くには至極便利である。 早速街へ繰り出し、歩いてみた。 相変らず昔風のフード・センターは大賑わいである。 それに今は世界中何処に行っても見かける、マック、KFC、スタバも直ぐに出くわす。 マックの値段とサービスは、大よそ其の国の物価とサービス度が判る。 入ってみた。 値段は23.3香港ドル(約350円)。 日本よりは少し安い感じ。 サービスは日本とさほど変わらない。 隣の席に中学生くらいの男の子が、携帯電話にイヤホンを繋ぎ、友達であろう相手とずっとおしゃべりを続けている。 スタバも若者で大賑わい。
香港では超高層アパートが主流: その値段は我々日本人が見ても決して安くない
不動産屋の前を通りかかった。 高層マンションが今も建築ラッシュである。 その値段は幾ら? 決して安くないのだ。 1千万香港ドル(1億5,000万円)から2千万香港ドル(3億円)もするのである。 これでは宝くじでも当らなければ購入できないのではなかろうか。
12/Apr/'06 林蔵 @Hong Kong Chine, (Updated on 23/Aug/'08)#221