@Oct/'06 Jakara, Indonesia
香港で乗り継ぎ、夕刻ジャカルタに入った。 インドネシアの玄関口SOEKARNO-HATTA国際空港、客先の運転手が迎えに来ているとの連絡を受けていた。 空港に降りるとイミグレーション前に、"VISA"と書かれたカウンターがある。 グランド・ビザ(空港ビザ)を購入するカウンターだ。 既にかなりの人が列を成している。 何か書類は必要なのだろうか。 少し不安な気持ちで列に並んだ。 列の進みは速くは無いが、ゆっくりと流れている。 40分位で私の番が廻ってきた。 窓口は2ヶ所になっていて、 最初の窓口で料金を支払い領収書を戴く、この時滞在期間を聞かれる、”1 Week、 1 Month?”
インドネシアは2回目だ。 前回は2000年6月のことだから丁度6年目になる。 スラバヤに1週間程の滞在だった。 今回の滞在地ジャカルタの土地は知らない。 6年前同然、相変わらずバイクが多い。 ヘルメットの着用が定着しているのには少し驚く、しかも、手袋をはめている者は少ないものの、例外なく長袖のジャケットを身に着けている。 平日は2人乗り以上のバイクは見なかった。 マナーが随分良くなったのだと感心していた。 ところが、休日になると事態は一変した。 居る居る、3人乗り、更に4人乗りのバイク。 それでもヘルメットは着けて長袖のジャケットの着用は変わらない。 小さなバイクだ。 ジャカルタの街は平坦なので小さいバイクで充分だ。 100cc
程度のバイクが殆どである。 スズキやホンダが人気。 スーパーのバイク売り場で値段を見た。 日本円で20万円程度、インドネシアの人には相当高いに違いない。
ジャカルタの目抜き通り、実に立派である。 中央には大木が茂る緑の分離帯、その分離帯を挟んで両脇にバス専用レーンが延びる。 そしてその外側には一般車線が2-3本ある。 バス停は中央分離帯に乗っかるように造られている。 そのバス停に行く為に広い通りを跨ぐ歩道橋がある。 この歩道橋は広い通りの両側からアクセスしているので、道路を横切る一般人の歩道橋の役もなしている。 約500m毎にあるバス停は横断歩道橋を兼ねているのである。そして何とバリアー・フリーである。 バスは大型で新しく綺麗だ。 バス停には、常時切符売りのおねーさんが詰めている。 料金は一律で早朝は2,000ルピー(30円)、その他の時間は3,500ルピー(約50円)。 これでも庶民には高いのか、バスレーンの外側に走る2-3車線の一般レーンにも大小の路線バスが走る。 此方は概して、かなり年代もののバスである。 行き先表示もなく、料金も聞かなくてはならないので、いまだ利用するに至っていない。 料金はずっと安いに違いない。
職場に最も近いランド・マークは、プラザ・インドネシアだ。 この界隈は日本色の濃い場所でもある。 日本大使館、ホテル・ニッコウ・ジャカルタ、SOGOなどがロータリーを中心に存在する。 目抜き通りには高層ビルが林立し、その低層階、地下等が高級ショッピング・モールになっている訳である。 このプラザ・インドネシアもそんなモールの一つだ。 高層のホテル・ハイヤットの低層階がプラザ・インドネシアになっている。 そしてSOGOが壁無しで繋がっている。 銀座や日本橋で見る有名ブランド店の殆どをみることができる。 紀伊国屋書店もある。 スタバ、マック、KFC、ドンキン・ドーナツ、馴染みの看板を見ることができ、やはりアジアの大都市だと実感する。
バス専用レーンを走る路線バスに乗ってみた。 バス停はバスの客席フロアーのレベルに合わせたエレベート式だ。 つまり、横断歩道橋を兼ねるアクセス・ブリッジも含めバリアー・フリーなのである。 これは日本でもないのではと感心する。 バス内ではインドネシア語と英語のアナウンスが女性の録音テープで流れる。 バスには男性の車掌が居て乗客の乗り降りをサポート、或いは制限をする。 バスは数分感覚で運行されているので、混んでいると乗車拒否、或いは部分乗車拒否をされる。 停車時間は極めて短い。 降りる前にドアーの傍まで来ていないと、ドアーにたどり着く前にバスは発車してしまう。 アクセス・ブリッジの出入り口には、常にバイクが数台止まり、客待ちをしている。 バスを降りた人を、次の目的地までバイクで運搬しようと言うのである。 このバイク運搬は、ジャカルタではとても盛んでバス停に限らず、様々な場所で見ることができる。 スーパー、列車の駅等。
宿舎のホテル前は広大なスポーツ公園になっている。 様々な種類の樹木が植えられており深い森をなす。 このような散歩が出来る公園に接近した宿舎はありがたい。 出勤前、健康維持とストレス解消の為、小一時間散歩をすることができる。 中央にスタジアムを抱え、周囲には森の中にテニス・コート、野球場、水泳プール等が程よく設置されている。 歩道を広く取った周囲の沿道には歩道の半分以上を占領して植木屋が連なる。 歩道は様々な植木が勢い良く茂り、さながらジャングルの中をを歩いているかの錯覚を覚える。 休日と言わず、連日この公園は早朝から多くの市民の運動場と化す。 多くの老若男女が思い思いのいでたちで公園内でジョギング、ウオーク、太極拳等様々に汗を流す。 果ては怪しげなインド・ミュージックに合わせた瞑想体操等も。
インドネシアと日本の商業取引量は昔からかなりのレベルを推移している。 代表的な製造メーカーや邦銀の事務所や看板もふんだんに見る。 この通りを歩いている限り東京の銀座や日本橋と然程変わらないのではないかと思うほどだ。 高級ホテルの多くもこの通りに面している。 高級なペント・ハウスも見かける。 下の写真は超高級なイタリヤ風ペント・ハウス、 DA
VINCI。 棟上にはバチカン市に聳えるセント・ピーター・バシリカに似せた重厚なデザインの青いドームを戴いている。 総人口2億2000万を越す人口を抱える国である。 富裕層の数もそれなりに多いに違いない。
バス専用レーンのあるジャカルタの目抜き通りは、大変良く整備されている。 両脇に林立する高層ビルは何れも立派なロビーを備えている。 地下には大型フード・コートがあり低料金でお昼を取ることができる。 なにしろ、1時間の昼休みの間に、数千人を越すであろうビル内の労働者の胃袋を満たさなくてはならないのだ。 いずれのフード・スタンドも極めて手際が良い。 インドネシアン、中華、チキン、バーガー、麺類等、様々な種類のファースト・フードを低料金で楽しめる。
ジャカルタ市内に数多く点在する高級ショッピング・モールの何処に行っても我々の購入する品物は無い。 それ程高級なのである。 せいぜいスタバでカプチーノを戴くくらいだ。 ジャカルタは、当たり前だが大変アジア的である。 優しく、柔らかい感じがある。 この感じは大変心地良いが、クールでシャープな欧州、アラブの感じが恋しくない訳でもない。 人間って、いや私は、何て気まま勝手なんだろう。 この心地よさに暫く身を任そう。
15/Oct/'06 林蔵 @Jakarta Indonesia (Updated on 27/Sep/'08)#275 |
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