九龍
@Oct/'06 Honk Kong, China
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九龍のスパイス屋: 高級ふかひれが店頭に並ぶ
九龍をこの前訪れたのは何時のことだろう。 確か1977年イランへの出張の帰りだった。 29年も前のことだ。 あの時はイラン通信省の技術者に対する訓練講師としてテヘランへ行ったものの、生徒たちである通信省のエンジニアー達がストライキを起こし、1週間ホテルで待機したが、らちが明かず、すごすごと引き返す途中の乗り継ぎでの香港訪問だった。 航空会社が手配してくれたホテルであったが大変高級なホテルだった覚えがある。 今は名前も変わって居る筈だ。 どの辺だったか覚えもない。
九龍の繁華街 (日曜日の朝)
2006年の10月、西安、桂林での業務を終え、ジャカルタへの移動の為、香港九龍を訪れることになった。 香港島ではなく九竜になったのには少し事情がある。 ジャカルタへの乗り継ぎの為、香港では1泊となった。 移動中の急なルート変更であったので、宿を予約するまで気が廻らなかったのである。 香港の空港には確かホテルの案内があった筈だ。 イミグレ、カスタムズを出ると確かに有名どころのホテルの専用カウンターが並んでいる。 値段を聞いてみた、高い。 値段が異常に高いのである。 会社の費用だから高くても良い等と言ってられない。 有名どころのホテルは諦め、一般のホテル案内カウンターへ向かった。 ここでも100ドル以下のホテルは皆無だ。 一番安いホテルを紹介してもらったのが九龍地区のEatonホテルだったのである。
宿が決まった。 ホテル・バスのチケットを購入する(130香港ドル)。 21:45分発のチケットだ。 4月に利用したホテル・バスである。 多少は勝手がわかる。 待合室で1時間ばかり時間つぶしをしよう。 待合室のベンチに座ったとたん、ホテル・バスの案内係員が ”Eaton” と客を呼んでいる。 1便前のバスに首尾よく乗り込むことができた。 バスは高速を一路九龍へ向かう。 日本のリムジン・バスより快適な気がする。 安宿(と言っても100ドルは下らない)である。 部屋からの眺めは今一だ。 車寄せや豪華なロビーな無いが、ビジネス・商業地区のほぼ中心にある。 出歩くには至極便利が良い。
翌朝、ホテルで簡単な地図を貰って僅かな時間を利用して街を歩いた。 ホテル前のメイン通りを真直ぐ南に下れば香港島へのフェリー乗り場に行ける筈だ。 15分程でフェリー乗り場に到着した。 庶民の足、フェリーに乗ってみよう。 片道1.7香港ドル(25円程度)。
香港バニアンの街路樹: シンガポールの街路樹を思い出させる
大通りをゆるやかな上りに沿ってあるくと、今度は緩やかな下りになる。 途中、未だ開店していない高級ブテイックや商店の前を通り、香港カジュマルの大木が並木になっている場所に出る。 今や世界中で見かけるマックが早朝から営業している。 ジャンク・フードと判っていながら、便利さと世界共通のシステムと品質には勝てない存在に違いない。
九龍からのフェリーが香港島に向けて出航する
九龍からのフェリー乗り場にはゲートが2ヶ所ある。 一方はダウン・タウン行き(2.2香港ドル)、もう一方はビジネス・センター行き(1.7香港ドル)だ。 ダウン・タウンへ行こうとして誤ってビジネス・センター行きに乗船してしまった。
ビジネス・センター行きのフェリー乗船ゲート
この左隣にダウン・タウン行きフェリー・ゲートがある
多くの小船が行き交う海峡をフェリーは数分で渡る。 ビジネス街の高層ビルがスモッグがかった低く垂れこめた雲にかすんでいる。 今日は休日なのでフェリー客も少ないのだろうか。 ベンチ席に空席が目立つ。 香港島のビジネス街には高層商業ビルが林立し、街は整然と整備されている。 経済成長と言う意味では確かに間違った道を歩んでいない。 同時に環境保全にも相応の努力が払われていることを祈るばかりである。
フェリーを折り、周辺を小一時間歩き回る。 フェリーを降りた小さな広場には、多くに人が半畳程のビニール・シートを広げ、思い思いに場所を取っている。 この人達は何なのだろうか。 テーク・アウトの朝食を取っている人も多い。 身なりは良いとは言えない。 路上ミニ商売をしている者の居る。 木陰のある公園では10人ばかりの女性グループが、リーダーを中心に輪を作り、何やら宗教めかしい呪文を唱えている。 ビジネス街のビルの合間にある小さな空間を利用して路上美容屋(女性向け)がそこかしこに繁盛する。
フェリーはビジネスセンターの船着場に近ずく
ジャカルタ行きの飛行機は16時発だ。 ホテルのチェック・アウト・タイムが12時であるのは丁度良い時間である。 香港島ビジネス街をしばし散策し、再びフェリーで九龍に戻る。 時間は昼前、既に多くの店が商いのさなかだ。 携帯屋に立ち寄りSIM・カードを購入。 桂林で携帯本体は手に入れたが、SIMカードは未入手だったのである。 200香港ドルで150香港ドルの通話クレジット付きだ。 これで、今後中国に来た時に携帯が何時でも使える。 ホテルをチェック・アウトし、ホテルのサービス・カウンターで空港行き、13時のホテル・バスチケットを買う。 時間通りにバスがやってきた。 バスは九龍地区にある幾つからのホテルを廻り客をひらって空港へ向かう。 街中は交通量が激しく数軒のホテルを廻るのに小一時間を費やす。 高速に入ると車の流れは実にスムーズになる。 十分な余裕を持ってCathey
Pacific CX719便のチェック・インを済ませた。
香港島: ビジネス街の高層ビル群
香港は4月に訪れた時感じた経済発展の波はしぼんでいない状況を再度確認した。 街は活気に満ちており、建設ラッシュは続き、ハイテクやハイ・ファッションの品は溢れ、高級ブテイックが幅をきかせている。 高層ビルを覆う灰色の空が澄んだ空色になる日を切に願ってやまない。
15/Oct/'06 林蔵 @Hong Kong Chine, (Updated on 27/Sep/'08)#274