Fatima
@Aug/'80 Fatima, Portugal


世界中からの巡礼者で埋め尽くされる


キリスト教には聖地と呼ばれる地が世界各地にある。 エルサレムは言うまでもないが、その他では、南フランスのピレネーに迫る街Lourdos(ルルド)や、ポルトガル中部のFatima(ファテイマ)等が名高い。 偶然ではあるが Fatima を訪れた。 1980年の夏、ポルトガルに出張中のことである。 休日を利用してにリスボン近郊の日帰り観光バス・ツアーに出かけたのである。 見所は、リスボンのテジョー河口にその威容を誇り、中世の航海王バスコ・ダ・ガマが眠るサン・ジェロニモス修道院。 正面玄関の飾りアーチ壁が圧巻。 リスボンから少し北に位置するナザレ海岸。 地中海の東端レバノン、フェニキアの古い漁法を今なお受け継ぐ魚民の村。 美しい砂浜が高い岸壁に挟まれた漁村。 歴代王妃が直轄した、城壁ですっぽり囲まれた中世の箱庭オビドス。 城壁の内部は昔のままの狭い迷路が縦横する。 車はこの狭い迷路には入ってゆけない。 そして最後に、キリスト教の3大聖地の一つと言われる Fatima を訪れると言うコースである。 



ナザレの海岸で今も昔風のフェニキア船で漁をする漁民


このバス・ツアーで訪れる迄 Fatima と言う地名など全く知らなかった。 ガイドの大層な説明を聞き、ポルトガルの片田舎に突然出現する広大な敷地を有する大聖堂をみると、人々の信仰に対する敬虔な想いを感じずには居られない。 Fatima に関する資料を少しレビューしておこう。



Fatima大聖堂裏正面


1917年、第1次世界大戦の最中、10月13日、ポルトガルの寒村 Cova da Iria に暮らしていた貧しい羊飼いの3姉弟、Lucia、Jacinta、Francisco に奇跡が起こる。 聖母マリアが地上に降り立ち、3人の幼い姉弟に3つのお告げをしたのである。 その3つの予言とは、



Fatima大聖堂の内部


第1は、世界は地獄へ落ちる(当時の第一次世界大戦の悲惨な姿)。
第2は、第二次世界大戦の勃発。
第3は、ローマ法王がその重大性に卒倒し、未だ公開されていないと言う。 世に騒がれる、ファテイマの第3の予言、と言われるものである。


Fatima大聖堂の飾り噴水


第1は当時の現状をするどく風刺しており、第2は見事に的中し、第3の内容がセンセーショナルに騒がれることが多い。 教会の崩壊、第3次世界大戦で人類滅亡等。 どれを取っても起こり得る、現実味のあるシナリオである。 人類は自らの滅亡を招くに十分なハードとソフトを持ってしまった。 人類がパンドラの箱を開けない為、今我々に必要なことは、この事実を十分知り、言動をすることではないだろうか。




Fatima大聖堂の中庭



聖母マリアが3人の姉弟の元に現れお告げをした事をモチーフにしたアズレージョ(装飾タイル)



Fatima大聖堂の天井



Obidosの花屋
花に癒され、花を愛する心は万人同じ








24/Aug/'80林蔵 @Fatima Portugal (Updated on 9/Apr/'08)#111

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