リトルベニス
@Oct/'98 London UK


リトルベニスの運河


プラタナスの大樹が覆うオランダ・パーク・アベニュー、投宿先のホテルの玄関を出て緩やかな坂道を上りきると、映画 ”ノッチンヒルの恋人”の舞台になったノッテインヒルだ。 左に折れて暫く歩くと、そこはロンドンの骨董品街ポートベロー。 およそ怪しい品々を扱う店が軒を連ねる蚤の市街。 中には本物の骨董屋もあるが、その多くは偽物を扱うだ。 値段が証明している。 偽物とわかっていても、見て歩くのは面しろい。 狭い街路の一部を利用した大道芸、南米系インデイオの楽師。 そんな場所が人には好まれるらしい。 とにかく凄い人出。 歩行者天国の道路は、屋台と人出でごった返している。 今日は、お気に入りのポートベローを素通りし、英国鉄道のパデイントン駅方面に向かう。 10分も歩くと、ヨーロッパ特有のいかにも終着駅といった立派なファサードを備えた駅ビルに辿り着く。 この駅のすぐ向こうにリトルベニスがひろがる。 ロンドンで、もう一つのお気に入りの場所である。



 
リトル・ベニスにはハウスボートが係留され、散歩道も整備されている


運河に浮かぶ個性的なハウスボート



街の喧騒は遠く離れ、運河には幾つもの個性豊かに飾り立てたハウスボートが岸に繋がれている。 運河沿いの歩道は静かで、河岸の家並みや樹木の佇まいがいかにも成熟した街の雰囲気を醸し出す。 北イタリアの華やかで陽気な雰囲気とは異なるベニス。 共通点は水。 そこには、日本の京都や奈良の古都にあるような、ゆっくりした時間が流れる。 



ボートレストラン・カフェ: 休日の午前、新聞を片手に珈琲を飲みにやってくる


Warwick橋の手前で3本の運河が合流し、水路が一際広くなる場所がある。 運河に浮かぶボートカフェでカプチーノを入れて貰い、河岸のテーブルでホテルから持ってきた新聞を広げる。 ゆっくり新聞に目を通し、贅沢な時間を過ごす。 新聞に飽きたら運河沿いの歩道の散歩を続ける。 通りを西にゆっくり歩くとアラブ人の店が多い通りで、運河は狭いトンネルの中に姿を消す。 トンネルに潜った運河は、リージェント公園にあるロンドン動物園に繋がっている。 運河がトンネルに入る通りの歩道から運河に張り出した カフェ”河” が運河に覆い被さるような形で営業を行っている。 このカフェもお気に入りの一つだ。 店中は木の床が2段の段差構造になっていて、内装がしゃれた白で統一されている。 眺めは最高、特にこれから秋が深まり運河の両岸のプラタナスが黄金色に変わる時季が特にすばらしい。 お昼は Seafoodサラダとコーヒーで10ポンド程度。











18/Oct/'98 林蔵@London UK (Updated on 15/Mar/'08)#087

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