ルーブル
Aug/'07 @ Louvre, France


ルーブル美術館



モーリタニアからの帰国はパリ経由だ。 乗り継ぎ便の待ち時間が、14時間もある。 一仕事(遊び)をするには十分過ぎる程の時間である。 そーだ、ルーブルへ行ってみよう。 これまでパリは何度か訪ねているが、何れも短時間の滞在で、ルーブル美術館を訪れる機会がなかった。

ヌアクショットからパリへのフライトは短かい、と言っても5時間の夜間フライトだが。 夜の11時にヌアクショットを出、朝の5時半にパリ、シャルル・ド・ゴール空港に到着する。 飛行機の窮屈な座席では殆ど眠れないままパリに到着した。 ユーロはまだ少し財布の中に残っているが、会社の精算に交換レートの確証を出す必要がある為、ドルをユーロに交換しなければならない。 空港内には両替店が幾つもある。 しかし、この時間である。 どこも未だ開いていない。 どうも7時半くらいには開くらしい。 適所にあるカフェ・スナック店も未だ開店準備中だ。 先ずは洗面とトイレを済まそう。

カフェが一部営業を始めた。 カフェ・オレを注文したら、何と珈琲メーカーが故障していて、カフェ・オレは作れないと言う。 通路側のカウンターならOKの筈だと教えてくれた。 早速通路側のカウンターに行き、カフェ・オレにクロワッサン1個、チョコラパン1個を手にする。 レジには7.5ユーロの表示。 またまた、ユーロ高が恐ろしくなるくらいだ。 滑走路の見える窓際の席に座り、ゆっくりとシンプルな朝食を楽しむ。



地下鉄シャトレ・レ・アル駅を地上に出て、ルーブル通りを北へ進む


無事両替は終えたが、50ドル渡して30ユーロにしか成らない。 1ユーロ180円の割だ。 フランスでは交換手数料が取られるので、小額交換はぐっとレートが悪くなるが、180円は如何にも高い。 

RERの地下鉄で、Chatlet Les Halls(シャトレレアル)に行けば、ルーブルは直ぐ近くの筈だ。 モーリタニアに行く時のJAL便で貰ったパリ案内で場所を確認する。 シャトレレアル駅からは歩いても大したことのない距離だ。 十分なコインの持ち合わせが無いので、地下鉄の自動販売機にクレジット・カードを差込み、8.2ユーロの切符を買う。 実は両替屋で10ユーロ分コインで貰おうとしたが、両替屋にはコインはあまり無く、断られたので、コインが8.2ユーロ分無かったのだ。

シャトレレアル駅は、列車が地下に潜って2個目の駅だ。 乗り換え路線が多い駅でもある。 地上に出た。 さっぱり方向感覚が掴めない。 未だ朝の早い時間である。 夏の太陽と言えども未だ低い東の空にある。 と言うことは、太陽を左にして歩けば、セーヌに辿り着く筈、セーヌに辿りつけば、ルーブルは直ぐ右手、セーヌ川沿いにある。



セーヌに掛かる右岸とシテ島を結ぶ、ポン・ヌフ(新橋)


思惑通り、10分程度でセーヌに辿り着いた。 パリ特有の歩道に張り出したカフェもようやく開きかけている時間である。 この時間ではルーブルは開いている筈がない。 JALの案内書を見ると、バスチーユ広場迄、そう遠くない。 7月14日、パリはバスチーユデーで全国民的なお祭りが大々的に行われたと、つい最近ヌアクショットのホテルのユーロニュースで聞いたばかりだ。 フランス革命の発端の地をこの目で見ておこう。 セーヌに沿った大通り(リボリ通り)を左に折れ、セーヌ川上に向かって歩き始める。 空港でもそう感じたが、そして遠く1976年の12月、ザンビアから戻る時、アムステルダムに降り立った時にも感じたことだが、手入れの行き届いた建物、明確に区別された歩道、文明国に戻った感じが強くする。 早朝ジョガーを多く見かけるのは、7月に見たのと同じだ。 セーヌ川沿いに走る人が圧倒的に多いが、街中を走る人も、少なくない。 特に女性のランニング・ファッションは、どのランナーもが実に決まっている。 ぴったりしたショートのランニング・パンツにスポーツブラに派手なランニングシャツ。 噴出した汗は剥き出しの脚に朝の太陽があたりきらきらと輝く。 男性は詰まらない。 Tシャツにだぶだぶのランニング・パンツ。 


シテ島の岸壁に停泊するセーヌ観光船


バスチーユ広場は今は大きなロータリーになっていて、中央に記念塔が立っているので、それと判るが、周囲に歴史の面影は欠片もない。 近代的な、或いは古味を帯びた、ハイセンスなアパート郡が周辺を埋める。 バスチーユ広場を見た後は再び来た道を引き返す。 途中、路地をすり抜け、セーヌ沿いにでた。 



パリの路地: リボリ通りから市役所河岸通りへ抜ける


シテ島のコンセルジュデイー(門番室)


ルーブルに行くには未だ時間は早い。 その場合の寄り道も、実は既に決めてある。 バスチーユから少し引き返すと、シテ島の片隅に佇むノートル・ダム・ド・パリ(ノートルダム寺院)だ。 通称ノートルダム寺院で知られる。 実はノートル・ダムはフランスのみならず、キリスト教の国では殆どの街にある。 日本語なら聖マリア寺院とでもなろうか。 日本の街にもあるような気がする。 



オテル・ド・ビーユ(パリ市役所)


ノートルダムの後ろ側、サン・ルイ島からサン・ルイ橋を渡り近ずいた。 横の壁から異様な石のオブジェが突き出ている。 これは何の意味があるのだろうか。 寺院の前に出た。 流石、パリの有名処だけある。 この時間で既に世界各地からの観光客で大賑わい。 勿論我が同胞もいる。 だが、近年目立つのは中国人観光客だ。 此処にも多くの中国人観光客をみることができる。 


リボリ通りの市場とカフェが並ぶ洒落た一角


入り口は長蛇の列。 列に加わった。 内部に入る。 内部は外とはがらりと雰囲気が変わる。 日本の寺も同じだが、神の前では何故、誰もが子羊の如くおとなしくなるのだろうか。 大きなバラの青が基調のステンドグラスが実に美しい。 光の芸術品と呼ぶにふさわしい。



バスチーユ広場


さて、別に急いでいる訳ではないが先を急ごう。 ポン・ノートルダム(ノートルダム橋)を渡りシテ島からセーヌ右岸に出る。 ルーブルは直ぐ西側にある筈だ。 既に通りのカフェも大方開いている。 そんなカフェの一軒に入った。 カフェオレを注文する。 2.3ユーロ(約400円)。 テーブル席に座ろうとすると、店のマスターが私を呼ぶ。 どうもバー客と食事客は席が違うらしい。 私はカフェだけなので、バー客と言う訳だ。 席には座れず、カウンターでカフェを飲むことになる。 



バスチーユ広場の近くにあった洒落た魚レストラン:
このような洒落たレストランは、いつも、外からしか見たことがない



花屋、植木屋も開店の準備で忙しい。 園芸屋通りを過ぎると、石造りの巨大なルーブル宮殿、今は美術館が行く手にその華麗な姿を現す。 何処が入り口だろう。 セーヌの対岸にブルボン宮を背にして、ルーブルの中庭に入った。 JALで頂いたパリ案内には、確かガラスのピラミッドが入り口の筈だ。 ここでもジョガーを見かける。 さもあらん。 ルーブルの西側には、広大なチュイルリー公園が広がる。 ルーブルも含め格好のジョギングコースに違いない。 それにしても見かけるジョガーは圧倒的に女性が多い。 女性はファッションに敏感なだけあってジョギングにもそれなりのコースを選ぶのだろうか。 男性ジョガーは?、セーヌ河岸の自動車道と平行する歩道を走る。 



ノートル・ダム・ド・パリ: サン・ルイ島からの眺め


ピラミッドに到着。 成る程、入場の列がある。 2列ある。 1列は荷物を持たない者用、他方はリュック等の荷物を持った者用。 後者の列が遥かに長い。 私も後者の列に並んだ。 リュックとカメラバッグを持っていたからだ。 



ノートルダムの北面の壁に奇妙な動物の石像が通りの向かって首を出している


セキュリテイーチェックを受けて、ガラスのピラミッドの下、エスカレーターを下る。 ピラミッドの下(地下一階)は、広いロビーになっており、総合案内、チケット売り場が4ヶ所(だったと思う)ある。 カフェにレストランも完備している。 チケットを9ユーロで購入。 案内に従って有名処を回るのはしょうに合わない。 



ノートルダムの北壁の一部: 巨大なローズ型のステンドグラス(青が基調)が見える


案内書も持たず、手当たり次第に内部へ進んだ(リシュリュー翼)。 広い。 彫刻ばかりが並ぶ。 彫刻はあまり興味がない。 どうも3階が絵画を展示しているらしい。 エスカレーターで3階へ進んだ。 ここはフランス画家の作品が中心らしい。 フランス人画家の著名な作品には恥ずかしながら、とんと覚えがない。 



ノートル・ダム・ド・パリ: 正面
既に多くの観光客が押し寄せている



やはり、館案内書が要るようだ。 ピラミッド下の総合案内へ行き、無料の館内案内書をゲットする。 時刻は正午を回っている。 案内書を眺めながら昼にしよう。 マドリッドのプラド美術館もそうだったが、此処でも館内に立派なカフェにレストランが完備している。 レストランの列に並ぶ。 ドリンクと前菜をトレーに乗せ、メインデッシュのコーナーへ進む。 ラザーニアを注文したつもりが、シーフードグラタンだった。 まー、中身はあまり拘らない。 食事と休憩ができて、館内案内書を眺めることができれば良い訳だから。



ノートル・ダム・ド・パリ: 内部、ローズ型ステンドグラス


案内書を見れば、フランス以外のイタリアやスペインの画家の絵は、デュノン翼にあることが、いとも簡単にわかる。案内書の威力を改めて認める。 例のモナリザも此処に展示されているらしい。 それにしても凄い数の展示作品。 イタリア、いや世界を代表する画家であり科学者であり、哲学者でもあるレオナルド・ダ・ビンチのモナリザのコーナーに差し掛かった。 凄い人出だ。 しかも、ガラス張りである。 肝心の絵は、近くでゆっくり見ることができない。 多分、ゆっくり見たところでさして感動しないに違いない。 そくさくとモナリザコーナーから離れた。 コーナーから離れると、ダ・ビンチの他の作品を真近で穴が開くほど見ることができる。 人体解剖学に元ずいた描写は見事だ。 彼の天才である証をまざまざと見ることができる。 



ルーブル美術館: 東側(ポン・ヌフの近く)から道路を隔てて見る


この時点で私の脳味噌は完全に飽和状態にある。 何処の美術館や博物館を訪れても同じ状態になるのは、我が脳味噌の許容能力を嘆かねばなるまい。 後の展示物はパスし、ライオン・ゲートから美術館を後にした。 ライオン・ゲートを出ると、カルーゼル凱旋門が目の前に飛び込んでくる。 ルーブルとチュイルリー公園の間にあり、レンガ色の元宮殿と緑の公園の間に白く輝く格好のアクセントになっている。

 


ルーブル美術館からセーヌを隔ててみる風景


ルーブルを出た後は、再びシャトレ・レアル駅に向かう。 夏の太陽は欧州でも強い。 ビルの日陰を求めながらルーブル通りを北へ歩く。 駅にアクセスするエスカレーターに乗る前に、水を駅前のキオスクで買う。 それは後でレモン水だとわかる。 



ルーブル美術館: 館内



シャルル・ド・ゴール空港第2ターミナルFエリアへ進む。 JAL便はこのエリアでチェックインをしている。 まだだいぶ時間はあったが、早めにチェックインをしておこう。 20-30人カウンターに並んでいる。 ヌアクショットで成田迄預けた2個の荷物が若干心配だった。 チェックインで確かめておきたかったのだ。 チェックインは4カウンターが開いており、丁度1便前のチェックイン中だ。 実は私のチケットは既にヌアクショットで成田迄のを貰っている。 このまま、パスポートコントロールに進んでも良いのだが、荷物の確認の為に、わざわざチェックインするのである。 私の番が来た。 荷物の確認をして頂き、ラウンジ利用券を頂く。 JALの専用ラウンジがあって、インターネットの接続が可能である。 早速メールのチェックを済ませF搭乗ゲートへ向かった。




ルーブル美術館: ライオン門



カルーゼル凱旋門: 門の向こうの緑はチュイルリー公園









4/Aug/'07 林蔵@ルーブル France (Updated on 13/Oct/'08)#292

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