ルクセンブルグの牛
世界遺産@May/'01 Luxemburg Luxemburg


市内を2分するPetrusse川岸



[世界遺産: City of Luxembourg: its Old Quarters and Fortifications 文化遺産 1994年登録] Because of its strategic position, Luxembourg was, from the 16th century until 1867, when its walls were dismantled, one of Europe's greatest fortified sites. It was repeatedly reinforced as it passed from one great European power to another: the Holy Roman Emperors, the House of Burgundy, the Habsburgs, the French and Spanish kings, and finally the Prussians. Until their partial demolition, the fortifications were a fine example of military architecture spanning several centuries. (UNISCO HPより)


別の機会に ”シアトルの豚”と言う題で書いた事がある。 この小稿はその姉妹編であるが、残念ながら牛の写真と取るのを忘れた。 ヨーロッパの小さな国。 ルクセンブルグは国と呼ぶには小さすぎる位の小国である。 面積2,500km2、人口43万人。 ベルギー、フランス、ドイツと国境を共有する。 そんな土地を訪れる機会を得た。 2001年5月、ドイツに出張中のある日、仲間の ”O”氏がルクセンブルグへ行こうと言う。 地図で確認すると僅か2-300kmの距離。 東京から静岡程度の距離である。 ヨーロッパ域内は高速道路が発達しているから、殆ど高速を利用して簡単に行ける。 まるで国境を越える感覚はない。 国境を2つ超えるが、十分日帰りコースなのだ。 気の合った4人グループで出かけた。  車は、”O”氏の借りたレンタカー、 メルセデスベンツだ。 安定した走り、乗り心地も良い。 途中ドイツ国内のSAに入った。 日本程土産物屋や飲食店で溢れる程ではないが基本的な機能は整っている。 むしろ機能性に富んでいる。 トイレ、売店、スナック、ガソリンスタンド等。 ここでカプチーノ休憩。

ドイツ国内のアウトバーンA6号線を西方向に駆けぬけると、フランスとの国境にぶつかる。 簡単な問答の後、国境を抜けそのままフランス側の高速に乗る。 高速の名前がA4号に変わる。 サインやCMの看板がフランス語になった位で、道路の質は目に見えては変わらない。 道路両脇の建物が道路に近ずいた感はあるが。 Mets の街を遠巻きにA4号を走り、南北に走るA31号に合流する。 A31号をまっすぐ北上すると、いよいよルクセンブルグとの国境だ。 国境近く迄来ると料金所が見えた。 まずい。 誰もフランスフランの持ち合わせが無い。 クレジットカードが使える筈だ。 心配しながら恐る恐る料金所のレーンに入った。 係員にカードを挿し出す。 料金はクレジットカードで支払いOKであった。 




市内パンフより



ルクセンブルグはシンガポール程ではないが小さな都市国家である。 国境を超えると、すぐ同名の首都ルクセンブルグ市のセンターに着いた。 適当なパーキングに車を止め、市内散策に出かける。 街の中心部に大きなクレバスのような谷がある。 Petrusse川だ。 谷底に申し訳程度にその流れが確認できる。 教会や宮殿は決まってそのような崖の縁に建っており、中世の歴史絵巻そのものである。 Notore Dame教会の前の広場を取り囲むように、感じの良い、或いは高級そうなレストランが居並ぶ。 その内の1軒 "Hotel de Paris”を選んだ。 天気も良く広場に面したテラスのテーブルを指定。 5月のまだ強くない陽光を浴びながら、フランス・ワインなどをグラスで楽しみながら優雅に食事。 (残念なのは、いつも無骨な男性仲間ばかりであること。) 広場は ”Place d'Dame”、  Dameとはフランス語で婦人をさす。 大文字で始まると大抵は聖母マリアを呼ぶことが多い。 パリの有名なノートルダム寺院は、まさにこの例である。 ”我々の母"、つまりマリアである。 そう言えばノートルダムは、世界のいたる所に存在するこを知ったのは、パリのノートルダムを知った後、随分経ってからのことである。 ここもその ”ダム” である。 

食後、教会前広場を中心に市内を散策する。 その時である、牛に遭遇したのは。 その数おびただしい。 インドの牛は話には良く聞くが、ルクセンブルグの牛は話にも聞いたことが無い。 街の至る所にたむろしていて、ボデイはカラフルなデザインでペイントされている。 これは何の意味があるのだろうか。 案内書には何の説明も無い。 只、言えることは、訳の分からぬ高尚なオブジェ等よりよっぽど分かりやすく一般受けすることは間違いない。 



市内パンフより




20/May/'01 林蔵@Luxcemburg (Updated on 26/Feb/'08)#064

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