ノッテイング・ヒル @Oct/'98 London, UK
1998年10月のある木曜日、ハマースミスのノボテル・ホテルから、 ノッテイング・ヒルにあるワンルームマンション、Oak Innに移った。 映画 ”ノッテイングヒルの恋人” の舞台になった場所である。 ロンドンでは、ハイ・ライフ・スタイルの豪邸と庶民街の入り混じる、どちらかと言えば高級住宅街である。 あまり背の高い建物はない。 街路樹の背丈と同じ程度の高さの建物が連なり、とても良い感じの街並みが続く。 有名な常設蚤の市があるポート・べローにも近い。 ポートベローには歩いて15分位で行ける場所だ。 英国国鉄のパデイントン駅にも30分くらいで行ける散歩コース内にある。 更に水辺の美しい街並みが連なる運河地帯リトル・ベニスにも、40分の散歩コース内に有って なかなか住むには良い場所と気に入っている。
日本人経営のラドブロックにある、コロニアル風3階建てのアパートである。 外観はシックでカッコ良いが、内部に入ると、その狭さと古さが印象的。 1人だから多少狭くても平気だ。 古さも良さの内。 ダブル・ベッドに骨董品クラスの勉強机に電話と、これまたクラシック級のスタンド。 コーナーにはワード・ローブ(洋服収納キャビネット)。 ベッドの周辺にやっと歩けるスペースが残る。 キッチン・コーナーが部屋の一部にあり、電子レンジとガス・コンロにシンクが備わっている。 自炊も出来る仕様だ。 洗濯は1階の洗濯場で全自動の横型洗濯機を週1回利用する。 家賃は月1,450ポンド(25万円)ー10%の会社割引+17.5%のVAT(消費税のようなもの)。 日本人経営なのと、家具付きなので割高である。 それでもホテルに滞在するよりは随分安上がりとなる。 このアパートは全部で6部屋、住民は全部日本人。 それぞれロンドンに訳あって長期滞在している人達だ。 商社の方で本格的なアパートを物色している人、病院で期間限定のインターン生等。 朝食が付く。 1階(英国ではグランドフロアー)の食堂でそれぞれ好きな時間に行けば、日本人のまかないの方が給仕をしてくれる。 外国に来てこのような日本式の生活をするのは趣味に合わないが、経済的理由と防犯の理由からこうなってしまった。
いつも同じ通勤路を歩くのに飽きると、一つ手前の駅 High Street Kensington駅で降り、Notting Hill 迄歩く。 High
Street Kensington 駅はピカデリーに続く Kensington通りに面している。 駅は Baker百貨店にくっついていて通りに出ると、古い建物の内部は近代的な専門店が軒を連ねる。 ピカデリー方向に200m位歩くと、ダラス・ピザ&パスタと言うイタリア・レストランがある。 特に夏場は全面ガラス壁の内と外にテーブルがくすんだ建物の下に並ぶ。 巻き上げ式の緑色をしたサン・シェードの下で食事を取るのがとてもシックだ。 夜も雰囲気が悪くない。 仕事の帰り時々寄る店である。 夕食を済ませ
High Street Kensington から、ゆるい坂道を Notting Hill へ登る。 夜の帳が降りた道の両脇に続く骨董品街と高級アパート。 適度の照明で内部が見えるお店内を眺めながらアパートに帰る足は心なしか軽い。 Oct/1998 林蔵@London UK (Updated on 15/Nov/'10)#136 |
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