ストラスブルグ
世界遺産@Sep/'04 Strasburg, France


Petite Franceの運河と古い町並み: 良く手入れがされている



[世界遺産 Strasburg, Grande Ile 文化遺産 1988年登録]  フランス東部のライン川左岸に位置する都市。バ=ラン県の県庁所在地でアルザス地域圏の首府でもある。  言語や文化の上ではドイツ系であり、政治的にはフランスに属する。  古代にはローマ帝国がライン川をゲルマニアとの国境としていたので、この地域はローマ領であった。  中世には神聖ローマ帝国の領域に入り、カトリック教会がシュトラスブルク大司教座を設置。 毛織物業も発展成立し、交通の要衝でもあったシュトラスブルクは大いに発展する。  ルネサンス期の宗教改革の舞台にもなり、同市内にはカトリックとプロテスタントの教会が並んで建てられるようになった。  ルイ14世が自然国境論のもとこの地域に食指を伸ばしスペイン継承戦争でアルザスロレーヌ地方を獲得すると、 フランス王国の領域に入りストラスブールと呼ばれるようになる。  普仏戦争でプロイセンが勝利するとアルザス・ロレーヌ地方はドイツ帝国に奪回される。  第1次世界大戦でフランスが勝利すると同地域もフランスに復帰する。 第2次世界大戦でも独仏戦の戦火に遭う。 戦後は「ヨーロッパの歴史を象徴する都市」としてEUの主要な機関がおかれることになった。 欧州評議会や欧州人権裁判所またEUの欧州議会を擁し、ベルギーのブリュッセルと共にヨーロッパの象徴的な都市のひとつ。 グーテンベルクやカルヴァン、ゲーテ、モーツァルト、パストゥールなども人生の一時期をこの地で過ごした。(Wikipediaより)

 

ストラスブルグ、フランス北東部ドイツとの国境に接し、ライン川に接する水と花の美しい街である。  今回の休暇日程組で、ドイツに居る息子一家に会った後スイスへ向かう中継点として選んだ。  初めて訪れた街であるが、遠い昔NHKのテレビフランス語講座を見ていた頃、 教材の中にストラスブルグの街の様子が出てきていたのが記憶の片隅に残っており、 一度は訪れたいと思っていたのである。 




プチフランスの一角: この右側のオープンスペースにはオープンパブレストランが広がる




遊覧船用の落差調整ドック



旧市街は運河に囲まれており、ロンドンのリトル・ベニスを思い出すが、ここプチ・フランスの方が水の流れがあり、よりダイナミックな感じがする。 街が運河を取り込んだ活気に溢れる点も、リトルベニスより有機的な気がする。 パリのセーヌ川を行き交うボートに似た遊覧船が運河を回遊するが、テームズのような落差ドックが要所要所に備わっている。 運河沿いにはサイクリング・レーンと歩行レーンが整備されている。 ここならランニングの環境はばっちりだが、残念ながらここではランニングを楽しむ程長居はできない。 旧市街の北東部に広大な緑地が運河に面している。 犬を連れた御婦人が静かな平和な時間を過ごす。 運河に面した小さな広場のパブ “Au Bureau” で休憩。 良く手入れの行き届いた旧市街の建物と運河を借景に、晩夏の適度な日差しを受けながら戴く一杯のカフェオレは、人生への賛歌であろうか。 




運河沿いのレストラン




遊覧船切符売り場



旧市街の中心部には、中世の街に欠かせないカテドラルが聳える。 このカテドラルの尖塔は左側のみで正面から見て右側が無い。 元々の設計か、或いは途中何らかの理由で建設出来なかったのかは知らない。 カテドラル前の広場に面する木造建築物はこの地域では最も古いものらしい。 カテドラル周辺の旧市街は、至る処歩行者天国になっており、オープン・カフェやレストランのテーブルが石畳の道路に並ぶ。 その日は天気も良く、遅い夏にしては暖かい日でもあったので、何処のテーブルも人で溢れている。 通りには路上土産物売りがたむろしているが私が見たのは全て仏系黒人だった。 革のベルト、EU模様傘、教会グッズを手に客引きをする。 




朝のカテドラル: 未だ人出は無い(カメラが少し傾いた)



カテドラル正面: 前の広場が狭く全景が入らない



ストラスブルグの宿は今回の旅で唯一豪華版のホテルである。 ヒルトン・ストラスブルグは旧市街の北東部の緑豊なEUクオーターの一角にある。 インターネットで取ったヒルトン・オナーズ会員向け格安料金である。 格安と言っても今回のどの宿より随分と高いには違いないが。 カウンターに行き、名前を告げると、宿泊カードは一番上に置かれていた。 オナーズは決して待たされることは無い。 G-パンにTシャツ姿であったがオナーズであると判ると飽くまでも対応が丁寧である。 フロントマンは自分の名前を告げ細々と用件が無いかを聞いてくる。 今は無いと答えると、いつでも電話で申し付け下さい、と慇懃に会釈をするのである。 フランスのサービス業は概して質が高いのではないだろうか。 ボンジュール、ムッシュー等とニコニコしながら言われるからそう思うのであろうか。 以前ジュネーブのフランス側の小さなホテルに泊まった時も、同じ感じを受けたのを強烈に覚えているのである。  言い方がとても物柔らかな上に、丁寧で気持ち良いのである。 これからは益々サービスを売る時代になるが、フランスのホテル・レセプションは一つマークして置かなくてはならないかも知れない。




ヒルトンのルームは広くゆったりしている



ヒルトンにはオナーズ会員専用クラブ・ルームが用意されている。 朝は7時から11時迄、プライベート・ブラックファーストが無料で戴ける。 その後は夜10時半迄、ソフト・ドリンク、ハード・ドリンク等が無料の専用クラブ・ルームになる。 セルフ・サービスであるが、常時2名のアテンダントが居て細々と世話をしてくれ、後片付けもやってくれる。 最上階にあり、カテドラルの尖塔が一際高く聳える旧市街を見下ろしながらくつろげるのである。 これはありがたい。 ヒルトンの朝は豪華で定評がある。 同じ質の朝食が専用階でゆっくり取れるのであるから。




ホテル部屋からのカテドラルを望む: (望遠4倍、肉眼ではもっと小さく見える、街全体が見える)




ランチクルーズ船: River Queen: 周囲には白鳥が群れる






Sep/'04 林蔵@Strasburg France (Updated on 2/Jul/'08)#180

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