世界最大級のアンテイーク街: 道路に溢れる露店で活気に溢れるポートベロー
ラドブロックのアパートから歩いて10分で行ける。 世界最大のアンテイークショップ街である。 感覚的には蚤の市街ポートべローと言った方がしっくりくる。 勿論、本物のアンテイーク店も多い。 楽しいのは、道路を埋め尽くす夥しい数の露店だ。 おおよそ得体の知れないものが店先に並ぶ。 人間って変な生き物。 訳の分からぬ物があると、何だか見たくなる、触りたくなる、聞きたくなる、食べたく思うらしい。 従って人が多い。 特に土曜日のポートべローは凄い。 本当に歩くだけで楽しい。 そこに来ている人々を見るだけで面白いことこの上ない。 通りには様々なストリート・アーテイストが僅かな代償を得る為、或いは芸を磨く為、ロンドンの寒空に懸命のパーフォーマンスを繰り広げる。 彼ら(彼女)らのサービス精神は旺盛だ。 見ているだけで実に楽しく興味深い。 アフリカ系のドラム・ミュージシャン、アンデス・メキシコ系のソンブレロ・ラテン・ミュージシャン、パント・タイマー、大勢の子犬を毛布に包んで乳母車に乗せ、手回しオルガンを奏でる老齢で派手な衣装のオルガン奏者、ピエロ・マジシャン、フルート奏者、チェロ奏者、様々である。 全て無料で鑑賞できるのが良い。
画廊に入ってみた。 間口は狭い(1間くらい)が、中に入って見ると奥行きが深く末広がりに広くなる。 出張先で気に入った絵を手に入れるのは楽しみの一つだ。 高価な絵は手が出ないが、手頃な値段で気に入ったのがあれば迷わず買う。 英国人の客が店主と何か話している。 欲しい絵があるが持ち合わせの現金が無いらしい。 数日後取りに来るからと言い、今は有りたけの現金(確か2、000ポンド(約40万円)くらい)を手渡していた。 恐らく1万ポンド(200万円)位の絵なのであろう。 絵はあのようにして買うのかと多少面食らった。 贋作も多かろうが、本物も多く有るらしい。 良いなと思う絵は何れも高く手が出ない。 5,000ポンド(約100万円)を越すものばかり。 今日は何も買わずに店を出た。
スナック店が通りの北端に多くある。 値段はロンドンの中心部に比べ、かなり安い。 庶民の生活感がより濃く漂うのがとても身近に感じる。 そんなレストランの一つ、SMレストランに入った。 注文の取り方が変わっている。 椅子は木の長いベンチ・シート。 妙齢の女性ウエートレスが客と同じテーブルのシートに座り注文を聞く。 その座り方が客と身体がぴったりくっつく程に座るのである。 クラブか何かと間違ったのかと思った。 ソーセージ専門店で、ドイツ・ソーセージ2本にマッシュ・ポテトを付けてもらった。 値段は5ポンド。 ロンドンでは安いが、ポートべローにしては少し高目。
ここでいつも寄る店がある。 アンテイーク・ショップの一つ。 店内の展示が感じ良く、例の得体の知れぬ小物が多く揃っている。 毎回、小さな物を1個買う。 何れもブラス製で魚、ウサギ、亀、と言った物。 私が買うのは訳が判らぬ物ではない、見てそれと分かる物である。 ポートべローは面白いだけでない。 大変活気がある。 元気付けられる場所だ。 ロンドンでの一人住まい。 ここはロンドンでお気に入りの休日を過ごす場所のひとつである。
Nov/'98 林蔵@London UK (Updated on 25/Nov/'10)#149
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