浅間山
@Feb/'02 軽井沢 長野


「鬼押ハイウエー」から見た冬の浅間山


2月11日、新宿の叔父さんが亡くなって23年になる。 早いものである。 親しい人達ばかりを呼び23回忌の法事が営まれた。 田舎から父もやってくるとのこと。 東京駅の東海道新幹線プラットフォームで出迎えた。 曲がった背がその歳を感じさせる。 81才にしては元気だ、未だ現役の百姓である。 法事は料亭で故人を偲ぶ座談会風食事会の形式であった。 肩が凝らず和やかな雰囲気で無事時間通り終了した。 

親父と僕は、その足で息子一家の居る長野県 御代田町へ向かった。 親父にとって曾孫に会いに行く為だ。 親父と再び東京駅へ行き、今度は長野新幹線に乗り込んだ。 あさま559号 15:34発長野行きである。 便利な世の中になったものである。 新宿で一仕事してからでもその日の内に、長野の息子の家に行けるのだから。 佐久平駅には16:50に着いた。 息子が、改札の外で待っていてくれた。 息子一家の車で息子達の住んでいる御代田町にあるアパートへ向かう。

アパートで親父は曾孫の蓮人との初対面である。 蓮人はますます元気で、最近は身長が伸び赤ちゃん体型を脱しつつある。 一晩息子一家に泊めてもらい、翌日全員で小さなマーチに乗り冬の浅間山を見に行った。 天気は良く、浅間山の頂上には雲が絶えず発生していたが、 鬼押しハイウエーのパーキングに車を止めた時には、 運良く雪に覆われた雄大な浅間山の全容が眼前に押し広がっていた。 凛と引き締まった冬の空気にその神々しいばかりの巨体が眼前のキャンバスを埋め尽くしていた。 

帰りは、白糸の滝方面を通り軽井沢に抜けた。 長いワインデイングの下り坂、しかも道路は雪に覆われ、或いは凍っている。 時々横滑りしながら息子は慎重にハンドルを繰る。 無事軽井沢駅前に辿りついた。  ここまで来ると交通量も多く、凍結防止剤も撒かれており路面は普段と少しも変わらず安心する。 少し早めのお昼を蕎麦専門店 ”やまへい” で頂く。 店の造りは古風な藁葺きで内装も大きな梁を使用した木の造りで、大変素晴らしい。 入った時は殆どお客がおらず、こんな大きな造りの店で大丈夫なのかなー等と要らぬ心配をしたが、注文の品が運ばれ、我々が食べ終わった頃には、既に多くのお客で店内は埋まっていた。 外に出ると広い駐車場の片隅には大きな水車小屋があり、動態展示されている。 その水車小屋の脇には、昔蕎麦粉を引くのに用いた多くの石臼が、 今は使われなくなり臼塚と化しているのが見られる。

再び佐久平駅に戻り息子一家と別れ、親父を東京駅で東海道新幹線に乗せて家路に着いた。 81の歳にして、たったの一泊で淡路島から出てきて新宿の法事に出席、長野の息子夫婦と曾孫に会い、浅間山観光をして、再び淡路に帰るその元気さに喝采。





12/Feb/'02 林蔵@長野 (Updated on 2/Mar/'08)#069

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