ヒルトン東京
@Oct/'05 新宿,東京


都庁の54階展望台より望むヒルトン東京: 波を打ったような形が特徴


今年の元旦である、娘が結婚する相手を我が家に連れて来たのは。 丁度、私がヨルダンから一時帰国で、我が家に居た時である。 2人の休みが合うのが元日しかないと言う訳で、この日になったらしい。 かみさんや娘からは予め聞いていたので、さほどのショックはない。 それに私は、世間で言うような父親ではない、と自負している。 手塩に掛けて育てたとか、嫁にやるのがもったいないとか言う感覚はさらさら無いのである。 素直に祝福する気持ちだけと言えば良いだろうか。 もっとも育てたのはかみさんであって、私は娘の成長の過程では、ひっきりなしに海外出張の連続で、殆ど関わって居ないのが事実である。 相手になる青年に会ってみると、大変好感の持てる好男子であった。 職場結婚らしい。 式は秋にしたいと言うことであった。 一旦ヨルダンに戻り、式の日取りに合わせて休暇を頂き、再び秋に一時帰国した。 そんな訳で、息子の結婚に続き、今回も全ての準備をかみさんに任せる羽目になった。 2人の子供の人生大事の節目は、いつもこうなのである。 かみさんには、さらさら頭があがらないのである。



ニュー・カップル: 我ながら美しい花嫁だと思う


当日、朝早く起き、淡路からわざわざ来てくれた義父と朝食を取り、8時の列車で出かける。 娘とかみさん、それから淡路から来てくれた義母は前日に式場となるホテルに投宿している。 新宿駅から徒歩でホテルに向かった。 日曜日のビル街、通勤者は居ないので歩き易い。 空は曇っているが雨の心配は無さそうだ。 都内観光のバス・ツアー用バスがそこかしこに停まっている。 秋も深まった10月の暮れ、ビル風が幾分冷たく感じる。 ロビーで確認すると、当日は4組の結婚式が執り行われる予定だ。 私の出席するのは一番目に書かれていた。 3階にある貸し衣装屋に9時15分に行くことになっている。 時計を見ると9時である。 少し時間が早いが、3階の貸し衣装屋に行ってみた。 案の定、15分後に来て下さいとビジネス・ライクの返答である。 

7階に親族待合室が用意されているので、暫くその部屋で時間を過ごすことにした。 流石に高級ホテルである。 7階だと言うのに、窓の外には植え込みの庭があり、大木が豊かな緑を投げかけている。 未だ誰も姿を現していない。 そうこうして居る内に、既にあでやかな和服に身を包んだかみさん、義母、義娘と遭遇。 招待しておいた淡路や神戸の兄弟達も、昨夜から当ホテルに、無事投宿しているとの連絡。 貸衣装屋で着替えをして、7階の親族待合室に戻ると、既に殆どの出席予定の親族が集まっていた。 久しぶりの田舎の言葉を喋るグループである。 東京に居ながら、田舎を意識する時空間が発生するのは、言葉の持つマジックであろうか。 



ヒルトン東京
 
 


式は人前結婚式だと言う。 詰まり、お越しいただいた方々全ての人の前で、結婚の誓いをするものだ。 宗教や、宗派に拘り無く、全ての人々から祝福を受ける形である。 形的には、ホテル内に設定されたキリスト教の教会に似た場所で執り行われる。 親族、招待客全ての人々が式場に入り、花婿が待つ祭壇へ、花嫁と父親がバージン・ロードを歩み入場する訳である。 全ての招待客の前で、新カップルは結婚の宣言を行ない、2人は披露宴の準備の為退場する。 そして親族以外の招待客も退場する。 残った親族は、互いに紹介し合う。 ここでも私はたじたじである。 多くの兄弟の順番や名前がすらすらと出てこない。 まー、緊張の性にして、これも愛嬌と観てもらおう。 

披露宴が行われるのは、ヒルトン東京の宴会場で一番大きいホールらしい。 4階の宴会場へ向かった。 ゆったりした設定の受付ロビーには、ホテル側で手際よい準備がなされている。 聞くところに寄ると、例え花婿や花嫁が何かの都合で式場に来るのが遅れた場合でも、式や披露宴は、時間通り何の不都合も無く進行するそうだ。 日本の極度に進歩したサービス・ビジネスに驚異さえ感じる。 

私の座る披露宴では、何の不都合も無く、全てが見事に進んでいる。 ホールに入るなり、感じの良い軽快なジャズ音楽が生で流れている。 生バンドが式場中央にアレンジされている。 随分洒落た感じでとても雰囲気が盛り上がる。 多くの同僚や友人のウィットのある余興等に彩られた披露宴は、お世辞抜きで、きっと2人と関係者に取って何時までも心に残るものであったと信じて宴場を後にした。


 

友人の奥様がハンドメイドで作ってくれた超キュートなウエルカムドール





30/Oct/'05 林蔵 @東京 (Updated on 4/Aug/'08)#211

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