親不知で海守
@May/'03 親不知、新潟


流葉温泉


日本の海を綺麗にしようと呼びかける海守と言う団体がある。 海は好きだ。 地球の表面積の7割を占める海、限りなく広いと錯覚しがちだが、油断は禁物。 何時の間にかぼろぼろに蝕まれているのだ。 特に風化しないビニール塵、厄介である。 多くの海洋生物がその犠牲になっている。 痛ましい限りだ。 広い、青い海を言葉のままに維持し、残したい。 早速インターネットで会員登録した。 会費の要らない団体である。 会費の要らないのが気に入った。 

暫くするとブルーの会員バッジが送られてきた。 インターネットで催し物の連絡が来る。 日本は海に囲まれ、その海岸線は地球一周ほどもある。 美しい景観と綺麗な浜辺は日本の大切な財産。 孫代々に受け継がなければならない。 この長い海岸線は平和で美しいばかりではない。 北朝鮮の日本人拉致の例が生々しい記憶にあるように、強い意思で守らねばならない国境線でもある。 4万kmに及ぼうとする長い海岸線は、海上保安庁の目だけでは、睨み切れないのも無理なからぬことかもしれない。 海守は海岸を綺麗にするに留まらず、海難通報、救助支援、不審情報通告等も行う。 今回は車の慣らし運転を兼ね、また災害時のレスキュー・キャンプの訓練も兼ねて出掛けた。



海守バッジ


5月の連休の内2日を当て、遊びを兼ねて新潟県糸魚川へ向かった。 急ぐ旅ではない。 一般道で行こう。 4:30相模原の家を出る。 町田街道を高尾に抜け、国道20号に入る。 垂水峠を越え、相模湖に沿う曲がりくねった道は、昼間は大混雑するが朝の早い時間は快適に走れる。 甲府、諏訪、松本を経由し、大町には10時に到着。 ローソン休憩。 北アルプスの峰峰は未だ白いキャップで覆われている。 5月の青空に連綿と連なる雄大な景色を一時楽しむ。 

11:12 新潟の県境に近い長野県の小谷村に到着。 最近できた道の駅「小谷(おたり」で休憩。 ここは温泉設備もある。 甘党の僕は蕎麦羊羹を1本買う。 姫川沿いの国道148号は以前に比べ格段に良くなっている。 長野オリンピックの影響で道路整備が進んだせいだろうか。 糸魚川はもう直ぐだ。

糸魚川からは、日本海に沿って走る国道8号を南下する。 今日の日本海は平和そのものに見える。 道の駅 「親不知ピア・パーク」 で昼休憩。 この辺りは山塊が海岸に押し寄せていて、海岸線には僅かな平地が細く延びるだけだ。 日本海に突き出た感じの道の駅だ。 道の駅は、概してトイレが綺麗で、土地の食べ物が楽しめるので重宝する。 「親不知ピア・パーク」 には、海を眺めるレストラン「漁火」が併設されている。 ここでお昼を頂こう。 本日のお勧め、幻魚丼を頂いた。 鱈汁付である。 海側全窓ガラス張りで眺望は抜群。 3枚におろした幻魚のてんぷらが2枚、獅子唐、茄子、大葉のてんぷらと、丼の上は賑わっている。 ささやかな日本海の味を楽しんだ。 見渡す海原には漁船とプレジャー・ボートの姿があるのみ。



親不知ピアパーク駐車場


入善町から国道8号は海岸線から少し内陸にはいる。 残念だが、もう海は見えない。 黒部市のスーパー、サテイーで今夜と明朝のキャンプ用食料を買い込む。 今夜の宿泊地は流葉温泉キャンプ場だ。 流葉スキー場に併設されたキャンプ場である。 ここには流葉温泉があり、600円で入浴できる。 18時、流葉温泉に到着した。 今日は連休の中日、道は嘘のように空いていた。 今日も事故も無く、快適に走ることができた。 さー、テントの設営。 テントはバイク用の小さなタイプで、設営もあっと言う間である。  一人だからこれで十分。 

この温泉は最近村興しの為できたようだ。 未だ新しい。 スキー場の大きな山荘風の建物だ。 外観は木をふんだんに使った木造に見えるが、中に入ると鉄筋建てであることが判る。 大浴場は3階、2階はレストラン、1階が大休憩室。 高い玄関の上から大きな垂れ幕が下がっている。 「ノーベル物理学賞の町」 とある。 東大の小柴教授が神岡町にある廃坑を利用したスーパー・カミオカンデを使った素粒子の研究で、今年ノーベル物理学賞を貰い、一躍有名になった町なのである。 この流葉温泉は、スキー場の斜面に建っていて、しかも3階が浴室なので眺めが飛び切り良い。 山田川に沿った狭い盆地が夕闇に包まれかけている。

キャンプをすると、夜は早く朝も早い。 翌朝、空がうすらみかけた4時起床。 コーヒーを沸かし、昨日黒部のサテイーで買ったパンと牛乳の朝食。 テントを畳み、5時10分出発。 後は相模原に向け帰るのみ。 高山を遠巻きに国道41号から県道89号に入る。 県道89号は、丹生川で国道158に繋がる。 国道158を平湯温泉へ上る。 平湯で安房トンネルを潜り、梓川沿いに狭いトンネルを幾つも潜りながら松本に抜ける。 国道158号の梓川沿いは野麦街道と呼ばれ、いつもは上高地への車で混雑するのである。 ここも嘘のように空いている。 超ラッキーである。 松本からは、お決まりのコース、国道19号、20号と乗り継いだが、行く所、今回は何処も混んでいないのである。

お昼は、八ヶ岳のお好み焼き屋、「鬼瓦」 に行こう。 元KRBでお知り合いになったNさんが、八ヶ岳の大泉村でお好み焼き屋をやっている。 大の研究熱心で冬場雪に閉ざされ営業のできない期間は、全国のお好み焼き屋を訪ね食べ歩き、味の研究をしている熱心さである。 森の中にある大変家庭的なお店だ。 付近一帯はリゾート地。 リゾート気分でお好み焼きが食べられる。 こんな素晴らしい環境の中で、関西風、広島風、韓国風と様々なお好み焼きが楽しめるのだからたまらない。 今回は一人で来たが、今度はかみさんや娘も連れて来なくちゃ。



親不知の日本海







3/May/'03 林蔵@新潟 (Updated on 30/May/'08)#151

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