真鶴 貴船祭
@Jul/'03 真鶴、神奈川


櫂伝馬と小早船


7月の終わり、真鶴は貴船祭りで賑わう。 ジョギングコースに真鶴半島を最近取り入れた。 湘南海岸のジョギングコースは、海に沿った歩道が8.5km続きお気に入りのコースだが、車で行くと無料の駐車場が無い。 そこで無料の駐車場が3ヶ所もある、真鶴半島となった訳だ。

相模湾沿いの真鶴道路は、混雑で有名な道だが、時間帯を選べば渋滞に巻き込まれずに通り抜けることが出来る。 真鶴半島は豊かな山林で埋め尽くされている日本の中でも、取り分け深い森が魚付き保安林として海と陸の生態系にすこぶる好条件を与えている。 楠木、松、たぶの木の大木が茂る。 落ち葉の影にはコジュケイが、鳥にしては珍しく走り回る。 海岸は岩場に囲まれ、釣りの名所でもあるらしい。 

今日は、貴船祭で港は大勢の人出で賑わっている。 1100年程前、半島の先にある三ツ石の沖合いに毎夜不思議な光が現れ、海面を照らす。 ある日、平井の翁が磯部で眺めていると、光を背にした一隻の屋形船が近ずいてきた。 船内を調べて見ると、木像12体と、この神をお祀りすれば村の発展がある、と記された書状が発見された。 その後村人に深く信仰されたのが始まりだそうだ。 江戸時代、石材業の隆盛から綺羅美化さが増して現在の絢爛な御座船に至ったと言う。



小早船の船頭に納まる奉行


東西2隻の豪華絢爛に飾り立てた小早船の後に、1隻の御興船が真新しい紅白のロープで曳航される。 小早船の前には、東西2隻の櫂天馬に村の若衆が乗り込む。 櫂天馬と小早船を繋ぐロープも真新しい紅白のものである。 若年寄り風の船頭が舟歌の音頭を取る。 舟歌が山に囲まれた狭い港にこだまする。 絢爛な小早船の両脇には、飾り立てた東西の囃子船。 船の屋根では少年少女が踊り狂う。 船である、足場は悪い。 左右に大きく揺れる。 揺れに任せて少年、少女は海の投げ出される、或いは自ら飛び込む。 豪快な水しぶきが飛ぶ。

貴船祭りは夜も続き、小早船や囃子船の絢爛な飾りは、ライトアップされ海面に浮かぶ幻想的な美しさを、醸し出すと言う。 夜までは居られないので、後ろ髪を引かれる思いで真鶴を後にした。





26/Jul/'03 林蔵@神奈川 (Updated on 2/Jun/'08)#154

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