米寿
@Aug/'10 南淡路, 兵庫


休暇村・南淡路の大浴場からの眺め: 絶景である
手前が福良湾、右手が門崎(とざき)、橋の向こうは四国



2年ぶりにアフリカから本格的に帰国した。 今回の仕事を区切りに社員を辞めることにした。 正式な退職は既に4年前にしているが、ひょんなことから友人の会社に社員Bとしてお世話になっていたのである。 また声が掛かるかもしれぬが、それまで少し日本でゆっくりできる身分になったと言う訳である。 相変わらず家のことは何も判らない頼りない主人である。 義父が米寿になるのでお祝いをしようと言う話が既に子供達、孫達、曾孫達の都合を付け準備万端整っている。 有難いやら、申し訳ないやらの複雑な気持ちである。 会場は淡路島、休暇村・南淡路だと言う。 この時期、夏休みとお盆前で淡路島の旅館は軒並みフルブッキングの上に夏季料金で予約が中々取れなかったらしい。 ようやく休暇村・南淡路が取れたと言うことらしい。 これが又、実に素晴らしいのである。 福良から門崎(とざき)へ向かう途中の小さな半島の頂上に佇む。 休暇村を馬鹿にしてはいけない。 立地条件は抜群なのだ。 しかもリニューアルして設備も新しく、超快適である。 トップの写真を見て頂きたい。 大浴場からの眺めだ。 鳴門海峡と鳴門海峡大橋が眼前に広がる。
 




羽田空港: 後方に富士山と丹沢山塊がくっきりと浮かび上がる


世間は夏休み、沢山の子供を連れ大勢での長距離移動である。 かみさんは早くから、子供2人の家族を含めた全員分の新幹線の予約をしていた。 だが私の分は無い。 長期海外出張中で、帰国予定も当てになることが少なく、予約は無駄になることも考えた費用削減策であるらしい。 運よく(?)この日に間に合う日程で帰国することができた。 さて、私の移動手段はどうしよう。 某航空会社の優待券を当たってみた。 関空であるが、当日の席が取れた。 と言う訳で、私は一人で空の便で出かけることになったのである。




タラップを離れる飛行機にキチンと並んで手を振る当機整備担当者:
このようなサービス(?)は外国では目にしない



私の便は10時なので慌てることはないが、家を家族と一緒に出る。 戸締りをいっぺんに済ませる為である。 新宿からは羽田行きリムジンバスにした。 多くはないにしろ、荷物を持って浜松町駅でのJRからモノレールへの乗り換えは、やはり億劫に感じるのだ。 羽田には8時前に到着。 国内線に乗るのは随分と久しぶりだ。 羽田は国際空港化が本格化して、ターミナル設備は大きく立派になっている。 アジアのハブ空港を目指すわが国であるが、やはり都心に近い羽田は魅力的だ。 しかし、まだまだ努力をしてもらいたい部分がふんだんにある。 例えば、交通の便。 バスが各方面にかなり頻繁に出ているので便利になったが、JRの直接乗り入れを望みたい。 或いは浜松町駅の乗り換えをもっと便利にバリアーフリーにして貰いたいものだ。




横浜上空: ランドマークタワー、横浜港、ベイブリッジ、翼橋等が眼下に眺望できる
飛行機の座席は窓側がお気に入りだ、こうして眼下の町や地形を眺めるのが実に魅惑に富んでいる



朝のこの時間、既に空港内は大混雑。 世間は夏休みだと言う事実を否応なしに感じさせられる。 朝早く、食事も取らずに家を出たので、ビッグバードに数多くあるカフェでサラダとチーズトーストの朝食を頂く。 未だ時間は十分にある。 某航空会社のグローバル・ラウンジでコーヒーでも頂こう。 セキュリテイーチェックを受け、搭乗口ラウンジへ進む。 水の入ったペットボトルがリュックに入ったままだった。 海外の空港では大概取り上げられる。 ここは、液体チェック機があり、チェックを受け問題無ければ返してくれる。 良心的であり、気分を害することがない。




小田原、酒匂川流域:
自然と人の営みがつぶさに見える



飛行機の座席はいつも窓側を希望する。 眼下に広がる地球の地形を見るのが好きだ。 地図を眺めるだけでは実感できないダイナミックな自然と人の営みを目の当たりにすことができるからだ。 因みにトイレ頻度が極めて低い筆者に取って、窓際席は何の心配も要らない。 




富士山上空: 富士はどこから見てもその雄姿に言うことなし



紀淡海峡(友ヶ島水道): 関空への進入路
左手から中央に横たわるのが淡路島、画面右下が友ヶ島、挟まれた部分が大阪湾



関空に降り立ち、予約してあったレンタカーを受け取りに向かう。 別行動の3家族は新幹線新神戸駅から大型レンタカーで淡路島を目指している筈だ。 私は、関空から一人なので小さい車で大阪湾を一周して明石大橋方面へ向かう。 与えられた車はスズキのスイフトだ。 ナビもETCも装着され快適である。 日本で車を運転するのは久しぶり。 慎重に空港駐車場を出、空港連絡橋へ向かう。 ウインカーを出す際にワイパーをまわすことが多い。 やはり、日本車に慣れていない。 空港連絡橋を渡り、湾岸高速を順調に神戸方面へ走行。 湾岸高速は阪神高速にはどうも直結していない模様。 湾岸高速は神戸のポートアイランドで終点。 ここから一般道を経て、阪神高速に乗る訳だが、大渋滞。 ようやく阪神高速に乗ったが、須磨辺り迄渋滞は続く。 家族組には、田舎には3時頃に到着すると告げてある。 田舎の実家には、3時10分着。 10分の延着であるが、家人からはいたくおしかりを受ける。 家族組は2時には到着しており、子供たちが待ち疲れているとのことだ。 久しぶりの親父との再会、1時間あまりの歓談の後、2台のレンタカーは淡路島南端部に位置する会場の休暇村・南淡路へ向かった。 




実家: 実父と孫達
実父は既に米寿は数年前に過ぎたが、現役の百姓だ、実に元気である



稲穂の緑が一点の汚れもない絨毯のように広がる田園風景の中をドライブし、休暇村・南淡路には30分程度で到着。 既に義父母、義姉家族は会場のホテルに到着していた。 休暇村とは言え、立派な設備である。 立地条件は抜群。 福良湾に張り出した小さな半島の小高い丘の上に建つその建物は緑の雑木林と鳴門海峡を背景に自然に溶け込むが如くだ。 




孫達による花束贈呈:
遠くドイツから駆けつけた孫たちも



早速、大浴場で移動の汗を流す。 大浴場からの眺めは絶景である。(トップの写真) 複雑で美しい海岸線、 小さな島にも、海岸の断崖にも緑濃い植生が見られる日本の自然。 18時からいよいよ義父の米寿お祝い宴会が専用宴会場で始まる。 義父母、義姉、家人、一様におじいちゃんの米寿を本心から祝っている様子がその場に居る全員に伝わってくる。 素晴らしい宴会であった。 子供(孫)たちは、宴会の後、休暇村スタッフの案内で館内に備えられたミニ天文台(頁末の休暇村全景の写真を参照)で星の観測を楽しむ。 




ファームパーク: 別名イングランドの丘(農園公園では集客力不足?)


翌日、私は東京の家に残した猫の世話の為、トンボ帰りで飛行機で帰京。 家族達は、久しぶりの淡路島である。 もう一泊することにした。 義姉の家に全員お世話になることになった。 都会ではとても考えられないが、田舎の家は大勢の人が来てもその収容力が驚くほど大きいのである。 お世話をしてくれる義姉のほうは大変であろうが。 




無料シャトルバス: 広い園内の地区間を結ぶ
形は遊園地向きだが、スピードは普通のバス並



福良から義姉の家がある洲本市の中間辺りにファーム・パーク(イングランドの丘)がある。 町起こしに造られた施設の一つに違いない。 関空へ戻る道筋なので、私も一緒にに訪れた。 淡路の出身ながら初めての入園である。 ファーム・パークと言うだけあって、様々な家禽類や小動物に触れ合うことができるパークだ。 園内は随分広い。 夏の炎天下に歩き回るのは老体の我々にはかなり大変。 園内にはレストラン設備に加え、休憩所が随所に設けられ一息つく工夫もされている。 立派な舞台付ホールもあるが、この時期、大型休憩所として開放されていた。 冷房完備ですこぶる快適である。 尚、このパークにはコアラが飼育されていることでも一寸有名である。 さっそくコアラ館へ行った。 コアラは、上野動物園、多摩動物園でも見られるが、ここのコアラは大きい。 しかも活発に動き回る。 これまでのコアラのイメージを一新するものであったことを付け加えておこう。




ファームパーク: その何恥じず、立派なひまわり園もある



休暇村・南淡路: 立地条件抜群、リニューアルされて設備も快適
ミニ天文台設備があり夜、子供向けにスタッフが夜空の説明をしてくれる
朝、受付の案内嬢に引率されて海岸を巡る散歩を楽しむ



今回の小旅行は、家族の絆の大切さとありがたさを痛切に感じる旅であった。 とかく希薄になりがちな現代社会における家族の絆、これからも大切にしてゆきたい。 













林蔵@休暇村南淡路,兵庫 5/Aug/'10 (Updated on 15/Aug/'10)#341
  

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