さくらを愛でる
@Apr/'08 多摩, 東京


宝野公園のそめい吉野
真っ直ぐに伸びる芝生のグリーンに人一人居ないのは凄い


何年振りかである。 日本の桜を楽しんでいる。 楽しむと言っても通勤の途中の桜の街路樹を眺めたり、川べりの並木さくらを眺める程度である。 もうそれで十分すぎる程の感動を日本のさくらは私に与えてくれる。 世に言う花見は、実は苦手だ。 苦手と言うより、かなり否定的でもある。 勿論、風流の極みを味わう方の気持ちを取り上げるつもりはないが、どうも私には公衆の面前で、桜の木の下に陣取り悦に入ることは恥じらいが抜けきらず、できないだけだ。 



マンションの中庭にもそめい吉野が数本、初めての春に采を放っている
4000平米余り(約1エーカー)の中庭は浅いプールと草木がマッチして気に入っている



昨年引越しをした。 この春初めての桜の季節だ。 リビングからベランダ越しに桜並木が左右に広がる。 我が家は2階なのでその桜の花枝が丁度目線に広がる。 まるで計算し尽くされたような景観が楽しめることを、引っ越した後に気付いた。 マクロ的にはマンション選びの際多少の下調べをして決めたのであるが、この桜は言わばおまけ的な授かりものだ。 そう言えば、桜ばかりではない、リビングから見る景観は春から秋に掛けて、さながら蓼科の別荘にいるが如く趣を呈してくれる。 桜並木の向こう側はなだらかな載り面に針葉樹、広葉樹の林が視界一杯に広がる。 居ながら森林浴をしている気分にさえなる。 



境川沿いに茂る1本のそめい吉野の老木
自転車道と川をすっぽり覆う程の枝ぶりは立派
境川沿いは四季折々の草花や野鳥が目を楽しませてくれる



休日、近くの宝野公園に出かけ桜の開花様子を伺った。 既に満開気味だ。 この公園は細長い。 中央が20m程度の芝生になっており、両脇に広い歩道が真っ直ぐに伸びる。 その歩道の両脇にそめい吉野の大木が並木を成している。 公園の端から見る満開の桜は絶景である。 かみさんが今の住まいを選んだ理由の一つにもなった場所である。 今年も変わらずその姿を見せてくれる。 願わくば、この花の下でシートを敷き宴を張ったりしないで欲しいものだ。 



宝野公園
中央の芝生帯の両脇の敷石歩道



皇居、千鳥ヶ淵のそめい吉野の大木
この木々達は明治の激動期を観、体験し覚えているのだろうか
そして我々に今何を語りたいのだろうか








林蔵@多摩 4/Apr/'08 (Updated on 5/Apr/'08)#301
  

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