明治の森 ”高尾山国定公園”
@Mar/'02 高尾 東京


「薬王院」 本堂


我が家から10数キロの所に明治の森、高尾国定公園がある。  緑豊かな海抜600m程度の山々からなる770 ha の広さの森林公園だ。 もみ、あかまつ、かや、すぎ、ぶな、かし等の針広混交の高令巨木の自然林。 四季折々の山歩きに之ほど恵まれた場所も少ないに違いない。 週末のジョギング・コースにも時々利用する。 今日は少し足を延ばして高尾山を超え相模湖迄走ってみよう。 帰りはJRだが。



「薬王院」本堂左側のお面


町田街道を西に10km位走ると、R20のT字路にぶつかる。 ジョギング時はR20には出ないで、少し手前で左に折れ、 京王高尾線の高尾駅前を通り、更にR20号線沿いの住宅地の路地を京王、JRの線路沿いに走る。 R20号とJRの線路が別れる所で路地からR20号に出る。 ここから京王の高尾山口迄は2kmくらい。 今日(3月10日、日曜日)は高尾山口に、やけに多くの人々が沿道を埋め尽くしている。 何があるんだろうと思いながら、ゆっくりと人混を歩くように走っていると、その原因がやがて分かった。 今日は高尾山の年中行事の一つ、火渡り祭りが催されているのだ。 かつての修業山伏達の荒芸が今では一般人も楽しめる行事になっている。

国道20号線は高尾山を取り巻くように山の南側を徐々に高度を揚げて行く。 この辺りはレジャーホテル街でもあるが、昼間はその気配はあまり感じず、谷間の田舎風景を楽しみながら走ることができる。 ガード・レールで守られた狭い歩道を前から自転車に乗った少年がやってきた。 少年が行き過ぎるまで少し幅のある場所で待っていた。 すれ違い際に少年は元気な声で、「こんにちは」と、言って去っていった。 すがすがしさが一段と増すのが嬉しい。

家並も無くなり、周囲には山だけが立ちはだかる。 勾配はきつくなり道は短くうねる。 大垂水峠が近ずいた証拠だ。 脇を流れる小川の水はあくまで清く澄んでいる。 標高400mの峠に到着した。 ここからは一気に下るだけだ。 相変わらずワインデイングが多い下りだ。 途中のカーブで転倒したバイクを発見。 中型の新車だ。 ライダーは若い。 怪我は無い模様。 転倒しエンジンが掛らなくなったバイクは、カーブの膨れた中央分離帯に止められていた。 中央部では危険なので、山側の路肩に移動する手伝いをした。 そうこうして居る内に、数台のツーリング中のバイクが次々に止まり面倒を見だした。 後は彼らにまかせ、下りのジョギングを続ける。

家を出てから3時間半、JR相模湖駅に到着。 帰りの電車の時間を確認して、お昼の食べる処を探した。 少し下った湖畔に公園があり、その公園の前に広い駐車場を完備したレストランが1軒ある。 5月にもなればこの辺りは車でひしめく合うのだろうが、今はシーズンの一寸前、車も人もまばらだ。 駐車場には、ハーレーのトライサイクルが止まっている。 中年の夫婦がそのライダーらしい。 お揃いの派手な革ジャンで決めている。 座ったその席の窓から、3輪バイクは直ぐ横に見えた。 白身の煮魚定食を注文して待っていると、カップルはバイクに戻り再びクルージングの準備に取りかかった。 クルージング時は革ジャンの上に更に厚手の革ジャンを着るのだ。 トライサイクルの後部座席下部のトランクから、革ジャンを2着取りだし身支度を整えている。 2人がまたがったハーレーはバックギアーで方向転換をして、独特の爆音と共に颯爽と姿を消した。

駅で電車を待つ客はいずれも山歩き姿をして居る人達が多い。 少し歳を重ねてはいるが健康的で活動的な人達をみるのは実に気持ちが良く、こちらまで元気になってくるから不思議だ。 適度の運動こそ最高の良薬なり。



参道の巨木




17/Mar/'02 林蔵@東京 (Updated on 10/Mar/'08)#082

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