おさかないちば

@Feb/'12 那珂湊, 茨城


賑わいを取り戻している那珂湊”おさかないちば”


昨年3.11の大震災からすでに一年が経とうとしている。 震災地での復興は進んでいるのだろうか。 さまざまな格差も生じていると聞く。 今も今後も長く支援の必要性は続く。 そして我々ができる大きなことの一つが現地に出かけ耳を貸す、地場で消費をするということなのだとも聞く。 所属する神奈川レスキューサポートバイクネットワークの行事で無線通信訓練と冬季走行訓練を兼ね北茨城へ出かけることになった。 目的地は茨城県那珂湊港にある”おさかないちば”。 ここも押し寄せた津波で一階の市場はことごとく消滅した映像をテレビで何度も見た。 数年前にはヨルダンのJICAボランテイアOBと、”おさかないちば”とは目と鼻の先にある簡保の宿大洗で旧友を深めた土地でもある。 昨年は大震災の直前に”おさかないちば”の少し北にある北茨城市大津港の民宿灯台まで、やはりKRBの行事で冬季走行訓練をした。 あの時訪れた新鮮なおさかなが安価に手に入る”おさかないちば”は元の賑わいを取り戻しているだろうか。 

移動手段は当然バイクになる筈だった。 ところが前夜、東京に突然降った大雪、バイクに乗る気持ちを一気にくじかせてしまった。 と言う訳で移動手段は急遽4輪車に変更。 国立府中から中央道に乗り、首都高に入り、長い長い山手トンネルを抜け、三郷から常磐道へ入る。 山手トンネルを抜けた辺りから自然渋滞があったが小菅JCTで常磐道へのアクセス道路、首都高速三郷線に入ってからは順調そのもの。 利根川を渡った直ぐにある集合地点の守谷SAには集合時間の1時間前、9時に到着した。 こんな場合の長めの待ち時間を無駄だとはちっとも思わない。 空港での乗り継ぎで発生する待ち時間もしかりだ。 むしろこんな時間が好きだ。 行き交う人々を見るとはなく眺めながら自由な解き放たれた時間を過ごすのが好きだ。 私はこの辺の感覚が他の人とは少し違っているのかも知れない。 最近のサービスエリアにはパン屋が入っていて焼きたてのパンを提供していることが多い。 ここ守谷にもそのようなパン屋がある。 焼きたてのパンと珈琲を頂くのは私の楽しみの一つ。 欧州の高速道のSAでも好んでとる私の行動パターンである。 外気温は5度C、風も強い。 暖かい珈琲と焼きたてのパンで心まで温まる気がする。 その内に仲間がバイクで、そして車でやってきた。 他に電車移動のメンバーもいる。 バイク、車組が全員揃ったところで次の休憩点を確認し出発。 次の休憩点は霞ヶ浦のほとり、阿見町にある予科練平和記念館だ。
 




茨城県阿見町:霞ヶ浦の面する予科練平和記念館


桜土浦で高速を降り、国道125号を南下する。 各メンバーは迷わず目的地に全車到着。 入場料金をJAFの優待割引で全員100円割引していただき、300円で入場。 ここは当時、東洋一の海軍航空隊設備を誇った海兵隊基地でもあったことを改めて知った。 リンドバーグ夫妻やあの巨大飛行船ツエッペリン号も飛来していたのだそうだ。 予科練平和記念館は七つの海を表した予科練の象徴である七つボタンにちなみ、7つのゾーンに分けて当時の訓練風景や出陣の様子をパネルと一部実物を展示し説明がされている。 二つの小劇場ではビデオの上映も行われている。 太平洋戦争に若い命を捧げた少年達の国を守る使命に敬意を表し、平和の尊さとそれを守る大事さを新たにする思いである。 館内売店でささやかなお土産を仕入れ、最終目的地である那珂湊に向け記念館を後にした。 




2階レストランから見る、今は静かで平和な那珂湊港


土浦市内を通り抜け、土浦北から再び常磐道に乗る。 友部ジャンクションで右にハンドルを切り、北関東道に乗る。 水戸大洗で高速を降り、湊大橋で那珂川をを渡ると那珂湊はすぐだ。 ”おさかないちば”に併設された防波堤沿いに設けられた駐車場に滑り込む。 昨年震災前に利用した駐車場と同じ場所だ。 ここは宮城や岩手の比べ被害程度が少し軽いせいもあるかもしれないが、既に震災の爪あとは殆ど見られない。 いちばも大勢のお客で賑わっている。 先ずは腹ごしらえ。 市場2階のレストランへ向かう。 昨年はこの2階のレストランは利用しなかったので気付かなかったが、店内は広くて清潔感漂う洒落た感じの空間が展開する。 窓一面に那珂湊港の風景画青い海に広がる。 開放感もたっぷりだ。 そして奥には何と回転寿司のカウンターまで備わっている。 究極の新鮮素材を楽しめること請け合いである。 焼き物、煮物は20分態度かかるので注文はお早めにとの注意を受ける。 注文を受けてから焼いたり煮たりする証だ。 海鮮丼定食を注文した。 まもなく現れtら海鮮丼のトッピングの豪華さににんまり。 期待通りとはこういうことだ。 それにしても刺身の切れの厚いこと、ご飯は海鮮類の下に申し訳なさそうに隠れている。  




おさかないちば2階のレストランで頂く海鮮丼定食:
お味噌汁はかに汁に変えていただいた、メニューのカスタム化も気軽に聞いてくれる



おさかないちば2階のレストラン内に併設された回転寿司屋:
これぞ究極の新鮮素材を使ったすし屋に違いない


宿には4時前にチェックイン。 電車組は未だ到着していない。 宿はこじんまりした老舗の旅館風ホテルだ。 従業員総出の出迎えを受ける。 エレベータホールや中庭の石灯篭等に震災の爪あとが今なお残る。 女将との打ち合わせで夕食を6時半とし、食事前にお風呂に向かう。 家庭用よりははるかに大きいが4人入れば満員になるお風呂。 ゆっくり体を温める。 こういう裸の付き合いができる仲間もそう多くはない。 夕食はお決まりの鮟鱇鍋だ。 私は酒もあまりたしなめず、アンコウも特別好きと言う訳でもないが、仲間と食べれば旨い。 翌朝、8時には開くと聞いていた”おさかないちば”へ再び足を向ける。 お土産のお魚を仕入れ、帰路へ。 途中、首都高6号が箱崎の手前が事故渋滞で3時間殆ど動かない事態に遭遇したが、遅くならない時間に無事帰着。 仲間に、そしてあきらめないで懸命に働く震災地の人々に感謝、喝采。














 林蔵@那珂湊、 茨城 18/Feb/'12 (Updated on 26/Feb/'12)#413
  

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