八ヶ岳リフレッシュ・ツーリング @May/'11 大泉, 山梨 お好み焼き屋 ”おにがわら” 店前の駐車場に並んだバイク群 4月、5月宮城、福島でのボランテイア活動の合間を縫ってリフレッシュ・ツーリングを行うことになった。 行く先はKRB(神奈川レスキューサポートバイクネットワーク)の大先輩が御家族と共に八ヶ岳の麓で営んでいるお好み焼き屋 ”おにがわら” である。 夕刻現地集合、夕食にお好み焼きを頂きながら情報交換と懇談をしようと言うものである。 その夜は隣のログハウスをお借りしてお酒、おつまみ持ち込みの2次会と言う算段だ。 1280mの高原、5月は未だ春たけなわと言ってもよかろう。 私にとって久しぶりの再ビジットである。 都合を付け参加することにした。 愛車トライアンフ/トロフィー: 山中湖にて 山中湖: 鯉のモニュメント 今は名物のわかさぎに加え外来種のブラックバスが湖水では幅を利かすらしい 5月下旬の土日。 1000円高速も利用できるが、せっかくのツーリングだ。 下道をゆっくり走ろう。 お気に入りの道志道を山中湖に抜けて、富士五湖を巡り、甲府へ向かおう。 多摩の拙宅を朝の7時に出る。 道志を一気に駆け上り山中湖には9時に到着。 この時間、休日と言えども湖畔の駐車場は未だいずれも閑散としている。 白雪を頂いた絶景の富士が湖畔の林に映える。 河口湖、西湖は素通り、富士パノラマライン(国道139号)を直進、青木ヶ原を抜け精進湖へ。 甲府方面へ伸びる国道358号が精進湖の入り口で枝分かれする。 この三叉路に瀟洒で一昔風なカフェ ”あかいけ” がある。 木のインテリアが基調の広い店内を独り占め、朝の珈琲を楽しませて頂く。 精進湖には既に多くの釣り人が湖面に張った1本のロープに行儀良くボートを並べ釣り糸を垂れている。 どうも私にはあのような釣り人の心境にはなれない。 針で魚を釣るという行為が苦手なのだ。 それにじっとしているのも苦手だ。 山中湖駐車場にて: 白雪を頂く富士を背景に愛車トライアンフ・トロフィー 精進湖: 富士五湖の中でも最も小さな湖 ここから甲府へ抜ける三叉路で営みをする喫茶店”あかいけ”、洒落た山間の喫茶ルームを独り占めし珈琲を戴く 次の中継地は国道20号線にある道の駅 ”蔦木宿”。 精進湖から精進湖トンネルを抜けると甲府への長い下り坂が始まる。 新緑の山々を縫って快適に甲府に駆け降りた。 気温はどんどん上がる。 甲府に降りると急に汗ばんでくる。 25~27度迄上がっているだろう。 今日は高原へ行くということで革の上下を着こんでいるのだ。 甲府市内で若干の渋滞に巻き込まれたが間もなく20号は甲府の郊外に出る。 道の駅 ”蔦木宿” には12時30分着。 裏手に釜無川が流れ南アルプスの山塊が立ちはだかる風景は何となく昔住んだスイスのロイク村を思い起こす。 ここでお昼を頂き、温泉に入ろう。 お食事と温泉が一緒になったセットメニューを選ぶと、お風呂代が通常600円のところ350円になるお得なメニューだ。 早速セットメニューを注文する。 てんぷらの上げ具合が今一だったがこの値段で文句は言うまい。 ゆっくり温泉風呂で汗を流し、ついでに売店で孫へのお土産も仕入れた。 駅の道”蔦木宿”: 南アルプス、釜無川と国道20号に挟まれた立地、温泉設備も備わる お食事を共にするとお得料金で入浴できる 山梨県立牧場駐車場から八ヶ岳(赤岳)を望む 道の駅「蔦木宿」を出て、20号を少し甲府よりに戻り、左に折れ県道11号、八ヶ岳高原ラインを昇る。 高原の林の中を走る。 気分はすこぶる良い。 天女山入り口の信号をJR八ヶ岳高原線の大泉駅に向かって下れば ”おにがわら” は直ぐだ。 集合時間には未だ少し早い。 天女山入口の信号を曲がらず、清里方面へ進む。 まるで欧州の風景かと思われる雄大なパノラマを背景に緑の草原がうねる八ヶ岳牧場が眼前に広がり始める。 牧場には広い駐車場とレストラン、展示場を備えた県立牧場公園が併設されている。 現役時代、長く過ごしたスイスのバレー州やベルン周辺の牧場の雰囲気がここには漂っている。 あまりにも気分が良いので、牧場公園の牧草の中を散策する。 牧場の動物と触れ合うこともできる仕掛けがある。 孫達を連れてくる場所をまた一つ発見し気を良くする。 県立牧場公園: まるで欧州の田舎を連想する風景だ 4時過ぎに集合場所になっている ”おにがわら” に到着。 既に先輩メンバーの大型バイクが ”おにがわら” の駐車場に止まっていた。 先輩の大型バイクの隣に林蔵トライアンフを停めると懐かしい大先輩が満面の笑顔を携えてお店から出てきた。 何年かぶりである。 ここには海外への出張から帰る度に来ようと思いながら、何かと忙殺され都合が付かずご無沙汰が続いていた。 早速、お店に上がり珈琲を頂きながら地域防災等の四方山話をお聞きする。 お店を経営しながらの地域防災に取り組む大先輩の姿は私にとってレスキューサポート活動の鏡のような存在となっている。 全てが実践的で見習いたいことばかりで、いくら聞いても聞き飽きることはない。 その内、今日の予定メンバー全員が集まった。 頃合いも良く、お好み焼きパーテイがお店の個室になっている一角で始まる。 大先輩からのお店の特製差し入れも加わり美味しさ満点の盛大なパーテイになった。 大先輩が本場の関西や広島を歩いて修行した様々な種類のお好み焼きを鱈腹楽しむ。 このお好み焼きを是非我が家のメンバーにも味わって頂きたいと改めて思う。 今後是非連れて来ようと密かに心の中で自分に言い聞かせるのであった。 ”おにがわら”の看板(?)メニュー: おにがわら焼き 旨い!! お好み焼きパーテイが一段落した時点で、今夜の宿舎になる隣のログハウスへ移る。 角材を用いた本格フィンランド ログハウスだ。 林の中のログハウスは実に似合う。 木に包まれた感覚が実に素晴らしい。 持ち主の御夫婦は1年の内使っているのは1ヶ月程度だという。 空いていれば、何時でも連絡を入れれば使わせて頂けるとのことだ。 これは良いことを聞いた。 自らは遂に自分のログハウスを持つに至らなかったが、このような立派な設備を利用させて頂けるならと、息子や孫達と、その話に乗ろうと思ったりする。 1FはLDK、バス、トイレに寝室が一部屋、2Fは寝室兼ユーテイリテイになっている。 早速、持ち込みのおつまみにアルコール類で二次会が始まる。 メンバーの防災やレスキューサポートに関する経験談等が語られる。 いずれの話も、実経験の少ない私にはとても参考になるものばかりだ。 ボランテイアのレスキューサポート活動と一言に言っても、その土地土地で習慣、空気、手順等が微妙に違う。 そんな中で如何に被災地の方々の為になり、自身の体力と精神力を無駄なく使うかのヒントが話の端々に含まれている。 普段の定例ミーテイングではなかなか聞けない内容に富んでいる。 大変有意義な時間を持つことができた。 隣のログハウス: 夜は隣のログハウスに宿泊 角ログを使用した本格的フィンランドログハウス、1Fは寝室、LDK、風呂、トイレ、2Fは寝室兼ユーテイリテイー 翌朝、5時過ぎに外の明るさで自然に目覚めた。 少し早いが外に出て高原の早朝散歩と洒落込む。 朝の高原は一面霧に包まれた幻想的な世界だ。 カラマツと雑木林の中を歩く。 霧がしずくとなりカラマツから雨粒のように落ちてくる。 雨と明らかに違うのは、道路の中心部はカラマツの枝がなく濡れていないが、カラマツの枝の下に当たる歩道の部分だけが濡れているのだ。 小鳥が雑木の枝や葉先に止まり何やらしきりに啄んでいる。 その数はじっと立ち止まり目を凝らすと驚く程多いのに気付く。 しかもかなり近くの木の枝に居る、一羽一羽の羽ばたきが身近に聞こえる距離である。 野鳥は概して警戒心が強い。 人の近くにから身を遠ざけるが常であるが、ここでは違うルールが有るのかも知れない。 1時間半ばかりの散歩から戻ると他のメンバーも目覚め朝食の準備をしていた。 他のメンバーが持ち込んだ無洗米を炊き、卵ごはんにインスタント御味噌汁、男所帯の山での立派な朝食である。 山梨県立博物館: ロビー庭園 帰り道、甲府市内にある山梨県立博物館に立ち寄った。 おりしも恩賜林御下賜100年展を開催していた。 恩賜林が山梨県に御下賜されたのは今から丁度100年前の明治40年の大水害のあった後、3月11日のことだと言う。 それはこの3月11日東日本を襲った大震災と符号する日だ。 そして、今回の我々のリフレッシュ・ツーリングもそのボランテイア活動の合間を縫ったものであった。 恩賜林御下賜100年展の写真パネルを見ると、先日気仙沼や勿来で目の当たりにした水害の生々しいイメージがそのまま重なるのが胸に迫ってくる気がする。 それにしてもこの恩賜林の広さに驚く。 何と山梨県の3分の1に相当する16万4千ヘクタール(1、640平方km)の広さだという。 その豊かな森林資源は水害の復旧・復興にそして、水源林に防風林にレクレーションに利用され現在に至っている。 100年を通した人々の汗と英知が生きているのである。 皆吉: 古い民家をそのまま利用している ”ほうとう屋”、 お店に居る感じが全くしない 博物館内の多くの展示を見ていると既にお昼時になった。 館内のレストランで食事でもと思ったら、何とその日はレストランはある団体の貸切になっていて一般客は利用できないという。 そうだ、ずっと前に他のメンバーとのツーリングで行ったことのあるほうとうレストラン ”皆吉” へ行こう。 確か近くの筈だ。 早速メンバーの一人がバイクに取り付けたナビでその場所を確認、いざ出発。 10分程度で ”皆吉” に到着。 このレストランは田舎の旧家をそのままレストランとしており、なかなか風情があって良い。 本当に民家へ入って行く感じなのである。 土間で靴を脱ぎ、板間のかまちに上がり、更に奥の座敷部屋に入る。 ここでほうとうを頂くのある。 とてもレストランに居る感じはない。 そしてその座敷から見る庭が又素晴らしい。 皆吉: きのこほうとう 皆吉: 庭 今回も素晴らしい日本の国土と美味しい料理を堪能し、更に多くの為になるお話の数々をお聞きした大変有意義なツーリングを楽しませて頂いた。 おにがわらの御主人と御家族に、メンバー皆さんに改めてお礼を申し上げます。 ありがというございました。
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