Longovilo
@May/'02 Longovilo, Chile


仕事場 Longovilo 地球局


サンチャゴの街はメキシコシテイに似て、四方を山に囲まれている。 東にはアンデスが南北に長く高い峯峯を連ねる。 土地の人々は敬愛を込めて Cordillera(コルデイジェラ: 大きな山々)と呼ぶ。 その素晴らしいアンデスが見えないのである。 人口600万にも膨れ上がった盆地の街は、その街が排出する汚れたガスを自然浄化できないのだ。 空気の匂いも汚れたガスの匂いがする。 仕事場のある Longovilo へ高速を60kmくらい走るが、スモッグは、延々と続く。 煙に霞んだ広い盆地が横たわり、取り巻く山々もぼんやり煙に浮かぶ。



サンチャゴで借りた: レンタカー
サンチャゴの市内を抜けるのは死ぬ思いだった



市街地でもバスや車は猛烈なスピードで走るが、訳を聞いてみたら、遅く走って交通渋滞を起すと排ガス公害が酷くなるから早く走るのだ、と言う答えが返ってきた。 それは違うだろうと言いたかったが、言わなかった。 適度な速度で走るのが排ガス公害には一番効果的な筈。 無理だろうが車の数を減らすことが先決な気がする。 市内の交通量は驚く程多い。

一番歩道寄りは、殆どがバス専用レーンになっているのは立派。 さもありなんと言う程バスが多い。 バスはタクシー並に多く、タクシー並の凄いスピードで走る。 車線を示すライン上を走る車。 信号を守らない歩行者。  高速道路を走る自転車、歩行者。 交差点の信号待ちで止まった車にたかる物売り。 高速の料金所ゲートで待ち構える物売り等は、さながら歩くコンビニだ。 大通りの交差点で信号待ちの間だけの短時間大道芸者、信号が青に変わり車が走りだす僅かの間に何がしかの見物料を回収する。 日本ではとても許されない危険な稼業。 彼らも生きる為に必死なのに違いない。 こんなサンチャゴの街から、120km離れた仕事場のある Longovilo 迄、 5日間ではあったがレンタカーを借りて通勤した。 今感想を述べると、死ぬ思いであった。



サンチャゴ発祥の地 St. Luciaの丘


Santiago の街や郊外には犬が多い。 野良犬だと思うが、飼い犬のようにおとなしく種類も様々だ。 明かにかつては飼われて居たと思われる犬達。 だが彼らは捨て犬のように人に媚びることが無い。 街の街路を、田舎の道を、ただひたすら歩いている。 夜、街を歩くと彼らは公園の芝生で丸くなっていた。 人間の我がままの犠牲の一つを目の当たりにし、心が痛む。




サイトのエンジニアー: 陽気で働き者だ






06/May/'02 林蔵@サンチアゴ チリ(Updated on 31/Mar/'08)#102

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