リヤド

@Jun/'12 Riyadh, Saudi Arabia


乗り継ぎ港アブダビ: 6時間の乗り継ぎ待ちが、リヤド行きの4時間遅れで、結局10時間待ちになる


2回目の訪問である。 前回は2002年10月バーレンに出張中のついでに2日程寄ったに過ぎない。 既に10年前のことだ。 今回は一年の長丁場。 ビザの都合で6ケ月に一度帰国することになるが。 リヤドに来て2週間が経った。 覚悟はしてきたが暑い。 外は常にサウナ状態。 とても長距離、長時間歩ける気温ではない。 移動は全て車。 よくこの暑さで車は故障もせず平気で走っていると感心する。
 




乗り継ぎ港: アブダビ空港でリヤド行きの準備をするEtihad航空機


現役時代昔お世話になった先輩の紹介で再び古巣のお仕事を頂くことになった。 約2年ぶりの海外である。 渡航先はサウジアラビアのリアド、1年の予定である。 出発前の打ち合わせは1時間と言う超簡単なもの。 こんな調子で良いのだろうか。 若干の不安はあるが、2年前迄同様のプロジェクトをガーナやケニアで扱って居たこともあり、現地に行けば何とかなると高をくくって成田を飛び立った。 今回のキャリアーはETIHAD航空、私にとっては初めてのものであるが、れっきとしたUAEのオフィシャル・キャリアーだと言う。 出発ロビーは成田ターミナル1南ウイングだ。 第一ターミナルはリノーべーション後2度目の利用である。 リノーベーション前に比べると随分広くなった感じが漂う。 だが活気は逆に衰えているのではないかと少し心配な感がしないでもない。 シンガポール、香港、ヒースロー、フランクフルト等の他地域のハブに比べ、何か覇気が足りない気がするのは私だけだろうか。 空港内ショップも増えたがどうして画一的なお店ばかりなのだろうか。 もっとカジュアルなお店や趣味的な店が空港にあってもいいのではないだろうか。 出発時間が22時半と遅いので、イミグレを通り出発ラウンジに入ると多くのレストラン、カフェは既に閉まっている。 これも不満だ。 外国からのお客様だって、これでは出発前のいくばくかの時間くつろいだ気分になれないのではなかろうか。 東洋のハブの座を競わなければならない成田空港、評価が下がるのではないかと、心もとなく思えてならない。 成田を出たETIHAD機は11時間11分のフライトでアブダビに到着する。 現地時間午前4時半。 ここで同じETIHAD機でリヤド行きに乗り換える。 6時間待ちである。 空港の案内でダイナースのラウンジがあるか聞いてみた。 答えはイエス、さっそくラウンジへ移動。 洗面を済ませ、フリードリンクとフリーミールを取り時間を過ごす。 ラウンジでは出発便の案内放送が無いので、時間になったら、自分で適当な時間に出発ゲートへ向かうよう注意を受ける。 出発予定時間の約一時間前になったので出発ゲートの29番へ行った、 そこでみたのは何と4時間遅れの掲示板の表示だった。 再びダイナースラウンジに戻るのも面倒なので、29番ゲートの近くで待つことにした。 おかげで乗り継ぎ便が到着してから出発準備迄のさまざまな空港職員チームの流れるような作業を見ることができ退屈することは全くなかった。 清掃チーム、ケーターリングチーム、燃料補給チーム、貨物積み込みチーム、エンジン・機体チェックチームなど等整然と作業が進む。 この流れの中で、おや!と思ったことが一点ある。 他の国際空港でよく見かける、キャップテン、CA達が颯爽と出発ゲートからお客に先んじて乗り込む姿が無いのである。 彼ら、彼女達は、マイクロバスで滑走路に乗り付け、スタッフ用のタラップから乗り込んでいた。




ホテル内ジム: 小さいがジムがあるので助かる
この国で暮らすにはは運動不足の解消が大きな問題



10時間の乗り継ぎ待ち合わせの後、14:20にETIHAD機はリヤドに向けアブダビを後にする。 眼下には赤茶けた砂漠の大地が延々と続く。 2時間のフライトでリヤドに到着。 アブダビとは時差が1時間あるので、15:20着である。 サウジは2度目だが、10年前のイミグレの様子など綺麗さっぱり忘れている。 入国カードに必要事項を記入し列に並ぶ。 10列程あるが、どの列もほとんど進む気配はない。 入国カードには受け入れ先の責任者の氏名、年齢、住所と詳しく記入する欄がある。 氏名と住所は会社の代表者と事務所の住所を記入したが年齢迄はわからない。 空欄にしておいた。 大丈夫だろうか。 心配である。 それにしても欧州の空港イミグレ等に比べ進みが遅い。 頻繁にイミグレ審査官がイミグレカウンターから姿を消す。 そしてなかなか戻ってこない。 理由はまったくわからない。 長い列には多くの人が待ったままである。 1時間半後ようやく番が回ってきた。 進みが遅い訳が何となく分った気がする。 手の指10本全部の指紋を読み取り、膨大な犯罪者データとの照合をするのである。 これがとても長い時間掛かる。 ようやくイミグレを抜けて到着ロビーに出ると、社名を大きく書いたプラカードを掲げた運転手が待ちくたびれた様子で手を振っていた。 インド人で当事務所で働いて4年になると言う。 私も一種の出稼ぎであるが、この国では外国人労働者の数は夥しく多い。 出発ロビーから空港駐車場迄、僅か数分の屋根の下の移動であるが、熱い外気の熱気でさながらサウナの中を移動して居るようだ。 




Al Faisaliah Mall: オラヤ通りゲート、緑は貴重な水をふんだんに必要とする


宿は当面ヒルトン・ガーデンに取って頂いた。 事務所の隣に位置し、通勤には至極便利だ。 朝食は有名なヒルトンのブラックファーストをたっぷり頂き、通勤は1分。 仕事中はほとんど座ったまま。 外は暑くて外出はほとんど無理。 これでは太ること間違いなし。 運動をしなければ、と思い、ホテルに備わっているジムに毎朝朝食前に通うことにした。 ジムは小さいが、器具も揃っていて整備も良くされている。 しばらく通っていると、毎日利用している人は数人であるが、同じ顔ぶれであることに気付く。 彼らもビジネスで、どこか遠くからやって来ているのだろうか。




モール: 中央コンコース、多くが高級婦人用服飾品店、男性用品店は極めて少ない


リヤドには立派なスーパーモールが幾つかあると聞いた。 そのうちの一つ、Al Faisariah Mall が比較的近い。 ホテルと同じOlaya通りに面している。 初めての休日、日がかけ始めた夕刻、意を決して歩いてみた。 建物の影を歩けば直射日光は避けられる。 しかし気温は確実に40度を超えている筈だ。 暑い。 サウナ状態の中歩くこと15分、モールにたどり着いた。 内部は20度程度に保たれている。 快適である。 内部の専門店は何れも凝った内装にハイファッションの品揃え。 パリの高級ブテイックが軒を連ねている感じである。 それにしても、何故こうも婦人服売り場が多いのだろうか。 書店がない。 男性用品店が少ない。 雑貨屋もない。 レジャー用品店もない。 つまり私のような単身出張男性にはあまり魅力のあるモールとは言えない。 がしかし、他に気分転換に行く場所が今のところ見つからない。 そんなお店の中で少し興味がそそられたのは、パキスタンのアンテイーク民芸品屋、ここには夥しい銀や錫の古美術品(レプリカが多いかも)が所狭しと置かれている。 他の高級ブテイックのようなゆったりスペースを取った店内とはかなり雰囲気が違う。 アラビアの一見無秩序な混雑した、私にはやや心地よいスーク(市場)を思い起こす。 東京の我が家の自室にはイスラマバードで購入した銀のやかんがある。 似たような品物が多く、親しみが湧く。




モールに併設されたスーパー: 品揃えは豊富、特に果物類が豊富


モールにはスーパーが併設されている。 日本の大型スーパー並みに規模も大きく品揃えも豊富だ。 お酒が全くない分、果物類がかなり豊富に揃っている。 多分遠くから運ばれてきたものに違いない。 値段も遠地の産にしては比較的リーズナブルだ。 歯磨き、靴墨、髭剃り用ムース等を仕入れる。 探しても見つからないがヘアートニック、ヨルダン等ではパンテンのヘアートニックが有ったがここでは全く見つからない。 容器にはヘアー用トニックと書かれているが中身は似ても似つかない。 ワセリンのヘアーオイルだった。 そうそう、ここではスキンクリームが欠かせない。 兎に角大気が乾燥している。 湿度は20%程度なのだから。 おかげでこちらに来てから肌が痒くてしようがない。 朝夕、スキンクリームを体中に塗るが追いつかない。 




フードコートの食事: シーフードエビときのこのソテーとドリンク、33SAR(約700円)
ボリュームが凄い、恐らく日本の倍以上ある



さて最後の場所は、3階のフードコート。 実はここがお目当ての場所である。 単身赴任である。 食事には大変気を使う。 栄養過多にならないように、偏食がちにならないように、変化を持たせるようにと。 自炊にしたり、土地の食堂に行ったり、モールのフードコートに行ったり、あまり選択枝が無い中、考えるのである。 今回の赴任に当たって食材はスーツケースの中身の半分以上入れてきた。 主に味噌汁の素、梅干し、塩昆布、わかめ、御吸い物の素等だ。 ケニアでは味噌汁や豆腐が手に入ったから凄く助かったが、ここではそんなものは望むべくもないようだ。 あー、フードコートのことを書いているのだった。 ここのフードコートは20程度のお店が入っている。 お馴染みのものではKFC、 マック、 ドンキンドーナツ、ピザハット、 イタリアン。 そして何処のフードコートにもある中華、 インドネシア、 タイ、 ローカル食。 少し変わっているのでは、ロンドン(フィッシュ&チップ)、ドクター・フィッシュ(シーフード)等がある。 先に現地に来ていた中国人の同僚のお勧めは、ドクター・フィッシュ。 お勧めの料理を試してみた。 シーフード、エビとマッシュルームのソテーにフライドライスが付いている。 ドリンクのミネラルウオーターを入れて33SRA(約700円)。 驚くほど安くはないが安いと言える。 海外では何処も同様であるが、量が半端ではない。 日本の恐らく2倍は優にあるに違いない。 そして席である。 これが気を付けなければならない。 完全に分かれているのである。 ファミリー席と男性席。 これは性差別ではないのか?と言いたくなる。 殺風景な男性ばかりの席に行かなければならないのである。 




事務所の近くにあるパキスタン料理レストラン:
男性客用ドアー




同じパキスタン料理レストランのファミリー客用ドアー:
レストラン内部も完全に仕切られている



ローカルの小さな食堂は席を分ける程広くないので女性(ファミリー客)は来ない。 それなりのレストランでは、先ず入り口から分かれている。 別々のドアーから入るのである。 内部も完全に隔離されていて男性席からはファミリー席の中は見えないようになっている。 そしてファミリー席の内部は完全個室(或いはカーテンで仕切られている)になっていて、他のファミリーが見えないようになっている。 つまり女性は家族以外に顔を見せないのが決まりなのである。 こちらの女性は外出時は完全に顔を隠し眼だけ出すスタイルになる。 しかし食事時はベールを取らないと食べ物を口に運べないのである。 これでは顔が他人に見えるので個室となる訳だ。 フードコートでも一般ファミリー席(外国人等の女性が使うアリア)とこちらの御婦人方(及び家族)が使うファミリー席はどうも別になっているようだ。 一般ファミリー席には仕切りがないので、食事をしている御婦人方を見ることはできる。 だが隔離されたファミリー席は全く見えない。 ちなみに、ここでは外国人も女性は外出時、黒ずくめの寸胴のドレスを着用しなければならないが、顔まで隠す必要はないのだそうだ。 これからまだまだ長丁場、焦らず、おごらず、自分流で行くか。 仕事に感謝、地球に感謝。 




Al Faisaliah Mall近くの病院: 3棟のユニークな建物からなり、
地下に1.5kmのウオーキングコースがあるらしい




リヤドの開発地区: サウジ経済は堅調で開発ムードに沸く
遠くに見える上部は空洞のビルは10年前訪れた際既にあったサウジで一番高い建物




Al Faisaliah センタービル: 三角形をしたユニークなビル、手前は10年前宿泊したコザマホテル
上部の球形部は高級フランス料理店が入っているらしい


















林蔵@Riyadh Saudi Arabia 21/Jun/'12 (Updated on 29/Jun/'12)#419
  

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