Riyadh Cafe

@Jul/'12 Riyadh SaudiArabia


Dunkin Donuts の店内: 品ぞろえは日本等と変わらない



この街での散歩はままならない。 とにかく暑い。 外気温は日中50度を越える場所が至る所にあるはずだ。 特に歩行者(そもそも、この街では歩行者は殆ど居ないが。)が歩く建物の傍は全ての建物用エーアーコンから吹き出す熱風をもろ被るのだ。 ガラス工場や溶鉱炉の作業場(行ったことはないが)を想像したらいいだろうか。 そんな条件でも部屋にばかり閉じこもるのはいけないと、休日の日が落ちた後、暑さ(この時刻、気温はまだ46度程度ある。)を押して外出(散歩)するのである。 こちらに来て、一か月と少しが経った。 肌(身体)が少し暑さと乾燥に順応してきている気がする。 身体全体の肌の痒みが和らいだ。 刺すような暑さも数キロメートルなら歩けるようになった。 そして、緊急避難場所は街の所々にあるカフェ。 日本のカフェとはおよそ雰囲気が違う。 まず女性が全くいない。 髭面のおっさんばかりである。 珈琲とドーナツ、あるいはコーラにケーキで延々と世間話が続く。 この国には居酒屋やバーの類は一切ない。 唯一このようなカフェがパスタイムの場所なのである。 
 




ドーナツ屋: 店内には男性客しかいない


週末の夕刻散歩に加え、毎朝の散歩も励行している。 朝と言えども外気温は38度はある。 オラヤ通りを隔日毎に北と南方向に歩く。 大通りであるが朝の6時代は車の通りが少ない。 歩道は至るところ工事中等で寸断されているが、危険は感じない。 昼間ほど埃っぽくもない。 野良猫が多い。 ヨルダンで見かけたのと同じだ。 ビルの専用ゴミ捨て箱(2トントラックの荷台のような形)に必ずと言って良いほど住み着いている。 この暑さでずっと外である。 実にたくましい。




イスラム国ならではの”ハッジ省”


歩いていると、時に小さな発見をする。 上の写真は Ministry of Haj 。 イスラム教徒は一生に一度メッカのカーバ神殿を詣でることが義務付けられている。 もちろん経済的な理由やその他の理由で行けない人も多くいる。 それらの人たちは、人にお願いして行ってもらうこともできる。 そういうところはイスラム教は融通が利くのである。 そのカーバ神殿詣を取り仕切る専門の省だ。 




サウジテレコムの敷地内にあるモスクの尖塔(ミナレット)


お客様の一つであるSTC(サウジテレコム社)の立派な建物は緑の樹木が周囲に植わっている。 もちろん樹木には毎日の散水は欠かせない。 敷地内には立派なモスクも備わっている。 イスラムのモスクには先端に月と星のイメージを戴くミナレット(尖塔)が付き物だ。 ミナレットは男性のシンボルを象徴するとも言われる。 そう言われるとなんだかそんな風にも見出てくる。 そのシンボルは神々しいと言うことに違いない。 我が国にもそのような神様が神代の昔から存在するようだし。 子孫繁栄は生物のもっとも強い欲望の一つに違いないから。




内務省: ユニークな形の建物


リヤドにはユニークな建物が多い。 サウジの国家収入はとてつもなく大きい。 最大の産業は石油だが、その独占企業アラムコ社は最近のフォーブス社のランキングで世界一の石油会社にランクされた。 1日の収入が US$1Billion (約1000億円)と発表された。 UAEのドバイ、アブダビ、カタールのドーハ等、その豊かな石油マネーを不動産に投資して砂漠に一大リゾート都市を作り上げている。 余談であるが、ドバイやアブダビの繁栄を見るに、私にはあまりにも人口的過ぎると見えてならない。 大変な無理をして本来なら育たない緑を砂漠の中に実現している。 この無理は果たしていつまで続くのだろうか。 だが考え方を変えれば、いかなる繁栄も永続は許されない。 その長短の差が少しあるだけではなかろうか。 しからば、この砂漠の繁栄だって、永続等考える必要もないのかもしれない。 話をサウジに戻そう。 サウジにもオイルマネーは唸るほどある。 首都リヤドには派手なデザインの大型建造物が少なくないが、投資の計画と企画が湾岸諸国程意志がコントロールされていないのだろうか。 世界中から観光客を招く迄には街全体のインフラが洗練されていないようだ。 古い王国、アラブの盟主のおごりが態度を少し保守的にさせているのだろうか。



公園: ラマダンカリーム用テント、日没後無料食事が振る舞われる


この暑いリヤドにも野外公園を見かける。 朝方、夕刻でも全く人影は見かけないが。 そんな公園の角に大きな天幕が張り出された。 ラマダンの時期到来である。 イスラムの国では普段でも貧しい人々を助ける風習は日本や西洋社会より強い気がする。 街で立派な紳士、いや立派でなくても、物乞いにそっと小銭を渡す風景をよく見かける。 その風習がラマダンになるとさらに顕著になるのだ。 ラマダンカリームと呼ばれる風習である。 この野外テントも夕刻、日没後、飲食ができる時間になると飲み物、食事が振る舞われる。 基本的に入場無制限、無料である。 昨日からラマダンに入って、わがホテルも朝食がなくなった。 その変わり夕食が出るのである(無料)。 ところが、昨日は、レストランに行く時間が少し遅くなり、7時過ぎになってしまった。 用意された食材は既にソールドアウト。 残念ながら、夕食(ブレークファースト)にはありつけなかった。 仕方なく、部屋に戻り、自室の小さな台所でラーメンにゴマ、玉ねぎと卵を加え、数日前に作ったピーマンの肉炒めを添えてつつましく一人の夕食。




プレイグランド: 昼間は暑くて誰もいない



外気温表示板: 午後6時頃


この灼熱の街にもバイクは数は少ないが走っている。 散歩時にBMWの R1200 が軒先に停められているのを発見した。 早朝や夕刻以降なら林蔵にも乗れそうな気もする。 そういえばこの前の新聞記事で、あるサウジのバイク乗りが、自身のバイクでロシアを横断したというのを見た。 どこにも鉄馬愛好家はいるものである。 林蔵に今バイクはない。 これからも恐らくバイクを手にすることはないだろう。 少し寂しい気もするが、日本での生活を考えると小さなメルセデス一台で良しとしなければなるまい。




街の路地で見かけたバイク: MBW R-12000


緑の芝生がある公園: このような公園は極めて少ない


緑の芝生のある公園を発見した。 このように緑の芝生で覆われている公園は珍しい。 多くの公園はからからに乾燥した大地がむき出しのまま、周囲に多少の樹木が植わっている程度なのである。 この芝生の公園は住宅地の中にある。 さして広くはない。 母子の姿も見る。 母はこの国の標準スタイル、黒ずくめの衣装であるが。 今度の週末にはオールドリヤドの中心部にある大型の公園に行ってみようか。 いや、ラマダンが明けてからにしよう。 今はラマダンの時期、喉が渇いても水やジュースを途中で容易に補給する訳にはゆかないのである。 我々はイスラム教徒ではないのだから飲食をしても構わない訳だが、やはりこの戒律の厳しい国で、公衆の面前ではそのような行動は憚られる。




Luluハイパーマーケット:インド系の大型ショッピングセンターメインゲート


Luluハイパーマーケット内部: 並んでいるドイツ製高級車は景品


宿舎からオラヤ通りを南に20分程度歩くとインド系の超大型スーパー Lulu Hypermarket がある。 フードコートは種類も店舗数も多くないが、ここのスーパー部門は実に充実している。 日用雑貨、台所用品、化粧品、野菜、果物、鮮魚等、見ているとどれも買いたくなってしまう。 大きな台所と、もう少し大きめの冷蔵庫があればと思うが、がまん、がまん。 世間にはこんなスーパーに来れない人だって数えきれない程いるのだから。 やはりかぼちゃを買った。 色形は日本のものとほぼ同じ。 そしてさっそくホテルで煮てみた。 結果はいつもと同じ。 皮の部分が特別固く、果肉の部分が薄く極端に柔らかい。 むしろ前に別のスーパーで買った、細長い形で四分の一にカットしてあったのが、果肉部が厚く、味付けによっては、より日本のものに似通ってくる気がする。 今度はカットかぼちゃを狙おう。




Luluハイパーマーケット: 鮮魚コーナー



Kingdom Dates:: リヤドではDatesの老舗


上の写真は、リヤドでは老舗のデーツ(なつめやし)屋。 10年前に訪れた際にも、事務所のスタッフからお土産は Kingdom Datesでデーツの詰め合わせを買うと良い、と勧められた覚えがある。 とにかく砂漠の地ではデーツが大変なごちそう(エネルギーと栄養の補給源)なのである。 実はラマダンにはデーツがつきもの。 一日の断食(ファースト)が終わり、日の入りのお祈りをした後、神に感謝を述べて食事が始まるのであるが、先ずデーツを一粒つまみ、ゆっくりと口に入れる。 そしてデーツの甘い果実を味わってからお茶をすする。 そしてメインデイッシュへと進むのである。 そんな訳で、ラマダンのブレークファースト(夜の初めての食事)用に、上級家庭はこの老舗にデーツを求めにくるのだ。 




レストランのファミリー席入口: 男性客のみでは入れない


上下の写真はレストランのドアー。 上が家族用、下が紳士用である。 こちらのレストランには必ず2つの入り口がある。 我々男性客には専用の”紳士用”ドアーが用意されている。 そして御夫人および御家族の方々にはファミリー専用の入り口が用意されているのである。 こちらの御夫人は目しか見えない完全な覆面衣装。 これは宗教上、肌を身内以外に見せない決まりから必要になる仕組みである。 ファミリー席の中は更に完全個室、あるいはカーテンで仕切られており、隣の家族の席が見えないようになっている。 我々の感覚だと大変窮屈に感じるが、これが当たり前の社会では恐らく何でもないことに違いない。 こちらの御夫人方にとって肌を見せるということは、我々の感覚で言うと公衆の面前でパンテーを取るかブラを外すような感じなのではと想像する。 あっ、これは失礼。 自由に散歩ができるリヤドに感謝と喝采。 




レストランの男性席入口: 私たちはいつもこちらのドアーを利用する




アンダルシアホテル: ラマダン電飾



韓国食材店で沢庵を発見: 大きい(750g)、このサイズのみ















林蔵@Riyadh 20/Jul/'12 (Updated on 23/Jul/'12)#422
  

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